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【令和3年用】新型コロナウイルス等に関する社内案内文例

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業、電力会社、小売企業等で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。多くの企業様に労働衛生法、従業員の健康、会社の利益を守るお手伝いが出来ればと、新ブランド産業医EX(エキスパート)を立ち上げさせて頂きました。
https://www.sangyouiexpert.com/
 さらに、文末のように令和元日(5月1日)に、「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」を出版し、今まで高価であった産業医が持つ情報を、お手頃な価格にすることができました。
 今回は、「【令和3年用】新型コロナウイルス等に関する社内案内文例」について作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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【令和3年用】新型コロナウイルス等に関する社内案内文例
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 令和2年2月に、以下の社内案内の参考文例を公表しましたが、大変多くの方にご覧いただき、補助金・助成金取得の際には大いに活用いただけたとの連絡も受けております。
 【参考】新型コロナウイルスに関する社内案内文例
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-174509/
 今回は、行政報告や次の資料等をもとに、令和3年に向けた内容で、新型コロナウイルスに関する社内案内文例を示させていただきます。参考にご活用ください。
※ 【ポイント】【全体的なポイント】は、文例の解説になります。
新型コロナウイルス感染症診療の手引き2020 COVID-19 第3版
https://www.mhlw.go.jp/content/000670444.pdf
インフルエンザの発生状況について
https://www.mhlw.go.jp/content/000620714.pdf

 なお、以下の文は、全ての事業所が利用できるように配慮していますが、産業医が会社の従業員に周知する際の、実務的な表現であることをご理解ください。

〇新型コロナウイルスについて、
コロナウイルスは、上気道感染症(風邪)の10~15%を占める一般的なウイルスです。構造的に乾燥を守る膜がないことから、唾液をまとった状態で感染(飛沫感染)します。従って、唾液を吸着するマスクや乾燥させることでウイルスを消毒するアルコールは、効果的な予防対策になります。また、コロナウイルス感染症は一般に温帯では冬季に流行するとされています。
COVID-19はコロナウイルスのうち、新型ということでしたが、様々なことが科学的に判明してきました。特性として、従来の風邪を引き起こすコロナウイルスと構造上大きな差がなかったことは特筆すべき点です。特に、飛沫感染が主であった点は重要です。これにより、過去に示されたインフルエンザを含む上気道感染症の予防対策が、効果的に働くといえます。(一部、空気感染の成立が観察されていますが、主の感染経路とは評価されていません。)
データで判明したこととして、感染性についての疫学上のデータは、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」コホート(以下「クルーズコホート」という。)において、3,711人の集団のうち、712人がPCR検査陽性者、331人が無症状病原体保有者、13人の方がお亡くなりになりました。従って、PCR検査陽性者のうち46.5%が無症状者であり、致死率は1.8%(生存率98.2%)という結果になりました。
また、国内の発生状況11月16日において、PCR検査陽性者116,774人、死亡者1,884人であることから、PCR検査陽性者の致死率は1.6%(生存率98.4%)と、クルーズコホートとほぼ同様の結果で推移し、国立感染症研究所の感染症発生動向調査8月5日時点のデータで、陽性者のうち年齢階層別致死率は、50歳代以下は0~0.7%、60歳代で3.5%、70歳代で10.9%でした。社内の年齢構成を鑑みるに、感染前後の予防対策によって、最悪の事態を避けられることが十分に見込めます。
【ポイント】
 科学には法則性と観察性があります。法則性の部分としては、ウイルスの構造や感染の仕組みなどを示すとよいでしょう。観察性の部分としては、行政等が報告している数値を示すと良いでしょう。文例やその他資料を参考に、分かりやすい表現になるようにしてください。
 また、文例では、一般的な事業所の従業員を例として70歳代までのデータを出していますが、80歳代以上は致死率23.0%になります。そうった世代が従業員等にいる場合は、安衛法第13条又は第13条の2に定める産業医、医師又は保健師(以下「国家資格者」という。)の医学的責任のもと、厳重な管理を行う必要があります。国家資格者については、全事業者に選任義務又は努力義務が課されていますので、医学に関する事業者責任を適切に国家資格者に負わせてください。

〇上気道感染症の予防対策について
 上気道感染症は、コロナウイルス以外にも、ライノウイルス、インフルエンザウイルスがあります。これらの感染症は、従来から次の一般的な予防対策がたびたび示されてきました。
【一般的な予防対策】
咳エチケット、マスク着用、手洗い、うがい(濃度0.9%の生理食塩水で行うこと)、対人距離の保持(人混みを避ける等)、清掃、消毒、空調管理、十分な休養、バランスの良い食事等
 予防対策の効果は、個人単位では評価することができません。集団に対して経年的に評価する必要があります。それに該当するデータとして、上気道感染症の原因の一つであるインフルエンザについて、行政が毎年感染状況を報告している「インフルエンザ流行レベルマップ」(以下「インフルエンザ統計」という。)があります。一般的な予防対策が勧奨され、広く実施された令和2年上旬に関して、2020年4月時点の累積の推計受診者数は約728.5 万人と、2019年5月時点の累積推計受診者数約 1,209.9 万人と比べて、6割程に低下していました。一般的な予防対策は、上気道感染症の予防効果があるといえます。
 特に、インフルエンザの流行がピークアウトした令和2年2月7日までに、新型コロナウイルスに関して行政がメッセージとして直接的に示した対策は、咳エチケット、マスク着用、手洗いになります。この3点は特に大きな効果を発揮したといえます。自信をもって一般的な予防対策に取り組んでください。
 ただし、インフルエンザ統計では、インフルエンザをゼロにできなかったことも明らかになっています。一般的な予防対策を十分に行っても、上気道感染者が出た場合は、周囲の方は理解をもって支えるように努めてください。
【ポイント】
 一般的な予防対策は、予防の中では見える化が一番困難な一次予防に該当しますが、過去のデータに基づき、上気道感染症予防に大きな効果があったことをしっかりと示しましょう。さらに、予防対策は上気道感染をゼロにすることができないことも示し、もし発生した場合は周囲が支援するように説明すると良いでしょう。文例やその他資料を参考に、分かりやすい表現になるようにしてください。
 一般的な予防対策やそれ以上の予防対策に取り組むにしても、事業所ごとに取り組めることは異なります。個別具体的な対応については、国家資格者の医学的責任のもと、リスクアセスメントを適切に行った後、取捨選択した対応を行うことになります。

〇新型コロナウイルスのリスクアセスメントについて
新型コロナウイルスに関して、個人と会社に対するリスクは、重大性の面と可能性の面で様々です。弊社においては、労働安全衛生法に基づき、優先順位をつけた対策を行っていきます。優先順位及び対策の決定方法は、国家資格者(該当する国家資格者の役職氏名をお示し下さい。)の責任のもとリスクアセスメントと対策案を用意し、衛生委員会(又は安衛則第23条の2に定める会議等)において労使間で調査審議し決定した内容になりますので、適切に対応するようにしてください。
特に、弊社の健康管理規定として、高リスク者対応については、労働安全衛生法第26条に基づいた自己保健義務が課されています。指示に従った適切な対応を行ってください。
【ポイント】
 リスクアセスメントとその対策について、リスクを過大評価し対策をすると業務停止や売り上げの減少につながり、リスクを過小評価し対策すると感染拡大や風評被害を引き起こすおそれがあります。国家資格者の医学的責任のもと、適切な一次予防~三次予防を行ってください。
また、今回初めて、新型コロナウイルス陽性という上気道感染症で労災認定がされたことから、感染予防が法令に基づいて不十分だと裁判所が認定した場合は、安全配慮義務違反で損害賠償が発生してしまいますので、衛生委員会等でしっかりと調査審議及び記録を残しておくことが必要でしょう。職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリストでも、その点は太字でしっかりと明記されています。
なお、労働安全衛生法に基づいた自己保健義務は労働安全衛生法第26条に「労働者は、事業者が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない」と罰則付きで定められており。事業者が病原体に関して対策を講じることも安衛則第576条等に定められています。衛生委員会等で調査審議し、規定を定めることで罰則付き義務というグリップの効く予防対策を発揮することができます。

【全体的なポイント】
 2月に「【参考】新型コロナウイルスに関する社内案内文例」を示した時よりもデータが増えて、一般的な従業員に致死的な健康障害が発生するおそれは極めて少なことが判明しました。一方で、感染症にリスクが高い人には、重篤な疾病となることも判明しました。従って、リスクに合わせた可能な限り必要十分な対策を行うことが必要です。
 さらに、国家資格者を有効に活用できないと、医学的責任は事業者が背負うことになります。とある広告代理店では、産業医雇用賃金を支払っていたにもかかわらず、産業医に医学的責任を負わせていなかったため、事業者が健康障害の責任を負い引責辞任した事例もあります。もちろん、産業医は無罪放免でした。法律の義務又は努力義務で課されている国家資格者にしっかりと医学的責任を背負わせることが必要です。企業内の健康管理の不備で、社会経済が大混乱している現状を鑑みるに、場合によっては、国家資格者に対して損害賠償や医道審議会等を視野に入れ責任を負わせることも必要でしょう。
 最近では、風評被害も大きな課題になっております。従業員と企業の精神的・社会的健康を維持する観点から、この点も国家資格者に責任を課し、適切な対応を行わせてください。

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令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/

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