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コラムの泉

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個別労働紛争解決制度

定年が近づいて来たサラリーマンには、多くの会社で「ライフプランセミナー」という催しが
企画されて、そこへの参加が求められるようです。
名称は主催者によって多少異なりますが、内容は大体似たようなものとなっています。
定年にまつわる様々な手続き、退職金や年金の受取り方法、退職後の健康保険失業給付の申請等々、
社員が抱く退職にまつわる様々な関心事についての説明が行われます。
そして、そんなセミナーカリキュラムの一つに「定年後の過ごし方」というセクションが設けられている
こともあります。
定年退職した後は、どう過ごそうと本人の勝手であり、大きなお世話とも言えるセクションなのですが、
実際のところ定年間際社員の殆どは、定年後の日常生活についてのプランを持っていないようです。
定年まで一つの会社に勤めていた典型的なサラリーマンであれば、退職した途端に「自分の居場所が無い」
という「アウェイ感」に悩まされるようです。
サラリーマンが長い間一つの会社に勤めていると、その会社の中だけで通用するルールや考え方に染まってしまい、
社内の力学や人間関係の構築には長けてきても、世間で通用するビジネス感覚には疎くなってしまうことが
あります。大企業ほどそういう人は多く、会社では有能だった人も勝手が違う中小企業などに転職すると、
今まで培ってきた力を十分に発揮出来ないため、「肩書だけの見掛倒しだった」と転職先に嘆かれる人も
少なくないようです。
他方、大企業勤務者の中には、社内の人事面で恵まれないため「自分はアウェイだ」と思っている人もいます。
でも世間的にみれば、高い収入や滅多には解雇されない身分の保証、手厚い福利厚生の享受などちっともアウェイ」
ではないのに気づかないだけなのです。そして退職後に会社の看板が無くなって初めて本当の「アウェイ感」に
気づくのです。

退職後は、地域のコミュニティで活動するにせよ、新しい趣味に取り組むにせよ、それまでの環境とは全く異なる
立場や環境で活動することになります。会社の看板を捨てきれず上から目線で振舞ってしまえば、地域住民や趣味の
仲間から反発されてしまい、そこに「自分の居場所」は見つけられません。
子供時代は家庭や学校、就職すると職場、結婚してからは職場や家庭と「自分の居場所」がありました。
でも定年退職後は、自分の居場所がないのです。退職後いつものように朝起きて、ハタっと会社に代わる居場所が
ない事に気づき愕然とするのです。そして仕事を失くした喪失感に加えて地域や趣味などの新たな「居場所」
づくりという課題に向き合うことになります。
でも“自分に合った「居場所」なんて、そう簡単に見つかるもんじゃない”と、未だに自分に合った「居場所」が
見つからない私はいつも思っています。

1000年以上前の平安貴族もまるで「これは『サラリーマン川柳』か?」と思えるような和歌を書き残しています。
ある貴族は(現代語訳)、「出社すれば部下や上司に雑にあしらわれ、家に帰れば家族にのけ者にされ、プライベート
で目標を立てても怠けてしまう」と情けない「居場所がない」自分の姿を嘆いています。
平安貴族ときけば、優雅なイメージがありますが、しかし本当は天皇を頂点とする国家組織にしか勤め先がない、
しがないサラリーマンだったという面もあったようです。
だから現代のサラリーマンと同じような悩みを嘆いていたのですね……。

「女三界に家なし」という古い昔のコトワザがあります。
この意味は、「女は幼い時は親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従わなければならない。
どこにも安住の場所がない」という意味だそうです(勿論、今はそんなことはありませんが……)。
でも最近は、定年退職後にこんな思いをする夫もいるようです。
“会社にはもう行けないし、家にも安閑としていられない。だからといって、どこにも替わりの居場所がない、
行く場所が無い”と悩むのです。今は、むしろ夫の方が、「幼い時は親に従い、社会に出てからは会社に従い、
会社を定年退職してからは妻に従わなければならない。どこにも安住の場所がない」という
「男三界に居場所なし」の状況にすらなってきたようです……。

前回の「男性育児参加の「ペア休」」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「個別労働紛争解決制度」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「個別労働紛争解決制度」
厚労省が毎年纏めている「個別労働紛争解決制度の施行状況」の令和2年度の内容が明らかになりました。
「個別労働紛争解決制度」は、
(1)都道府県労働局や各労働基準監督署内等で専門の相談員が対応する「総合労働相談」、
(2)都道府県労働局長による「助言・指導」、
(3)紛争調整委員会による「斡旋」の3つの方法があります。
このほど公表されたそれぞれの件数、事件内容等は次の通りです。
(1)総合労働相談
・相談件数
総合労働相談は、約13万件で過去最多。民事上の個別労働紛争相談は、令和元年度の279,210件に次いで、
令和2年度は278,778件と、過去2番目に多かった。
・相談内容別の件数
「いじめ・嫌がらせ」22.8%が最も多く、「自己都合退職」11.4%、「解雇」10.9%、
労働条件の引き下げ」9.3%となっている。
(2)都道府県労働局長の助言・指導
・申出件数
令和2年度は9,130件で、過去3年間で最も少ない。
・申出内容別の件数
「いじめ・嫌がらせ」が最も多く18.4%、「解雇」9.7%、「労働条件の引き下げ」9.0%、
自己都合退職」7.4%と続く。
(3)紛争調整委員会による斡旋
・申請件数
令和2年度は4,255件で、調査を始めた平成23年度から最も少ない。
・申請内容別の件数
「いじめ・嫌がらせ」が最も多く28.0%、「解雇」21.8%、「雇い止め」9.5%、
労働条件の引き下げ」6.9%、「退職勧奨」6.6%となっている。
相談・申請等の内容として、平成23年頃は「解雇」が最多だったのに対し、この10年ほどで、
「いじめ・嫌がらせ」が圧倒的に多くなる傾向に変わっています。
令和2年度はコロナ禍真っ只中だったにもかかわらず、「解雇や雇い止め」に関する件数はそれほど
目立っていませんでした。

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