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1 はじめに
2 令和5年
労働組合基礎調査の概況
3 心理的負荷による精神障害の認定基準12
4 過去問データベース
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└■ 1 はじめに
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今年、残り8日です。
ということは、もうすぐ、年末年始です。
まとまった休みがあるという方、多いのではないでしょうか。
すでに、年末年始をどのように過ごすか決めている方もいるでしょう。
普段、休みが少ない方であればあるほど、
まとまった休みであれば、有意義に過ごしたいですよね。
過ごし方は、人それぞれ自由ですが・・・
令和6年度
社会保険労務士試験の合格を目指す方、
時間の使い方、ちゃんと考えていますか?
年末年始、勉強漬けなんて方もいるかもしれません!?
試験まで、まだ時間があるから、
それほど焦って勉強はせず、少し
休憩なんて方もいるでしょう?
休みだから、やらなければならないことがあり、
勉強を進められそうにない、という方もいるのでは?
いずれにしても、
試験までの勉強できる時間とすべき勉強量、
このバランスを考えて、貴重な時間、上手に使ってください。
のちのち、後悔しないためにも。
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└■ 2 令和5年
労働組合基礎調査の概況
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先日、厚生労働省が「令和5年
労働組合基礎調査の概況」を公表しました。
令和5年6月30日現在における
● 推定組織率(
雇用者数に占める
労働組合員数の割合)は16.3%
(前年より0.2ポイント低下)
● 女性の推定組織率は12.4%(前年より0.1ポイント低下)
●
パートタイム労働者の推定組織率は8.4%(前年より0.1ポイント低下)
となっています。
この調査に基づく「推定組織率」、これは何度も試験に出題されています。
☆☆==========================================☆☆
【 H20-1-B 】
基礎調査結果によれば、平成19年6月30日現在における
労働組合の推定
組織率(
雇用者数に占める
労働組合員数の割合)は、18.1%と初めて20%を
下回った。一方、単位
労働組合の
パートタイム労働者の
労働組合員数は、
対前年比で14.2%増と増加する傾向にあるが、その推定組織率(パート
タイム
労働者の
労働組合員数を短時間
雇用者数で除して得られた数値)は
4.8%と低下する傾向にある。
【 H18-3-E 】
基礎調査によると、平成17年6月30日現在の
労働組合数や
労働組合員数は
ともに前年に比べて減少し、推定組織率(
雇用者数に占める
労働組合員数の
割合)は低下したものの20%にとどまった。
【 H15-3-E 】
厚生労働省「平成14年
労働組合基礎調査」によると、
労働組合数も
労働組合員
数も前年に比べ減少し、
労働組合の推定組織率は20.2%と前年に比べてわずか
に低下し、推定組織率の低下傾向が続いている。なお、こうした中で、パート
タイム
労働者の組合員数は前年より増加しているが、
パートタイム労働者に
かかる推定組織率は3%を下回る状況である。
☆☆==========================================☆☆
いずれも推定組織率を論点としています。
推定組織率は、
平成15年には20%を下回って19.6%となり、
その後も
平成16年:19.2%、平成17年:18.7%、平成18年:18.2%、平成19年:18.1%
と低下が続きました。
ただ、平成20年以降は、いったん下げ止まりの状態となり、
平成20年は18.1%と前年と同じ、
平成21年は、18.5%と、久々に上昇しました。
で、平成22年は、前年と同じ18.5%でしたが、
その後は、また低下傾向を示し、令和元年には初めて17%を下回りました。
令和2年は11年ぶりに上昇し、17%台に戻りましたが、
令和3年は、再び17%を下回り、令和4年は16.5%、令和5年は16.3%と
2年連続で過去最低となっています。
ここでは、
【 H20-1-B 】、【 H18-3-E 】、【 H15-3-E 】
と3問だけ挙げていますが、これら以外にも出題はあります。
労働経済の数値、ピンポイントですべてを押さえるってことになると、
大変なことになりますが、
この推定組織率は、ピンポイントで押さえておいてもよいところです。
少なくとも、20%は下回っているってことは、知っておく必要があります。
前述の問題の答えですが、
【 H20-1-B 】は、
「平成19年に初めて20%を下回った」としているので、誤りです。
【 H18-3-E 】は、
「低下したものの20%にとどまった」としているので、やはり、誤りです。
すでに20%を下回っていましたから。
【 H15-3-E 】は、正しい内容として出題されたものです。
「令和5年
労働組合基礎調査の概況」の詳細は↓
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/23/index.html
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└■ 3 心理的負荷による精神障害の認定基準12
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第5 精神障害の悪化と症状安定後の新たな発病
1 精神障害の悪化とその
業務起因性
精神障害を発病して治療が必要な状態にある者は、一般に、病的状態に起因
した思考から自責的・自罰的になり、ささいな心理的負荷に過大に反応する
ため、悪化の原因は必ずしも大きな心理的負荷によるものとは限らないこと、
また、自然経過によって悪化する過程においてたまたま業務による心理的
負荷が重なっていたにすぎない場合もあることから、
業務起因性が認められ
ない精神障害の悪化の前に強い心理的負荷となる業務による出来事が認めら
れても、直ちにそれが当該悪化の原因であると判断することはできない。
ただし、別表1の特別な出来事があり、その後おおむね6か月以内に対象疾病
が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合には、当該特別
な出来事による心理的負荷が悪化の原因であると推認し、悪化した部分につい
て
業務起因性を認める。
また、特別な出来事がなくとも、悪化の前に業務による強い心理的負荷が認め
られる場合には、当該業務による強い心理的負荷、本人の個体側要因(悪化前
の精神障害の状況)と業務以外の心理的負荷、悪化の態様やこれに至る経緯
(悪化後の症状やその程度、出来事と悪化との近接性、発病から悪化までの
期間など)等を十分に検討し、業務による強い心理的負荷によって精神障害が
自然経過を超えて著しく悪化したものと精神医学的に判断されるときには、
悪化した部分について
業務起因性を認める。
なお、既存の精神障害が悪化したといえるか否かについては、個別事案ごと
に医学専門家による判断が必要である。
──コメント──
旧認定基準の内容を変更し、特別な出来事に該当する出来事がなくとも、悪化の前
に業務による強い心理的負荷が認められる事案について、十分な検討の上で、業務
起因性を認める場合があることが示されました。
その際、
業務起因性が認められない精神障害について、その悪化の前に強い心理的
負荷となる業務による出来事が認められても、直ちにそれが当該悪化の原因である
と判断することはできないとする考え方は旧認定基準と同様であり、悪化の前に
業務による強い心理的負荷が認められる場合には、業務による強い心理的負荷に
よって精神障害が自然経過を超えて著しく悪化したものと精神医学的に判断される
か否かについて、認定基準に記載された考慮要素を踏まえ、十分に検討することが
必要であるとされています。
なお、認定基準第5の1にいう「治療が必要な状態」とは、実際に治療が行われて
いるものに限らず、医学的にその状態にあると判断されるものを含むものである
とされています。
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└■ 4 過去問データベース
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今回は、令和5年-徴収法〔雇保〕・問8-D「
延納」です。
☆☆======================================================☆☆
令和4年4月1日に
労働保険の保険関係が成立して以降金融業を継続して
営んでおり、
労働保険事務組合に
労働保険事務の処理を委託している事業主
は、令和5年度の保険年度の納付すべき概算
保険料の額が10万円であるとき、
その
延納の申請を行うことはできない。
☆☆======================================================☆☆
「
延納」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 H14-労災9-C 】
有期事業であって、納付すべき概算
保険料の額が75万円以上のもの又は当該
事業に係る
労働保険事務の処理が
労働保険事務組合に委託されているもの
(事業の全期間が6月以内のものを除く。)についての事業主は、概算
保険料
申告書を提出する際に
延納の申請をした場合には、その概算
保険料を、その
事業の全期間を通じて、所定の各期に分けて納付することができる。
【 H17-雇保10-A 】
事業の全期間が6か月を超える
有期事業については、納付すべき概算
保険料の
額が75万円以上でなければ
労働保険料を
延納することができないが、労働
保険事務の処理を事務組合に委託している場合には、概算
保険料の額のいかん
にかわらず
延納することができる。
【 H13-雇保8-A 】
労災保険及び
雇用保険の保険関係が保険年度当初に共に成立している継続事業
については、納付すべき概算
保険料の額が40万円以上でなければ、
延納をする
ことができないが、
労働保険事務の処理を事務組合に委託している場合には、
概算
保険料の額の如何にかかわらず
延納することができる。
【 H19-労災8-A 】
労災保険に係る
労働保険の保険関係及び
雇用保険に係る
労働保険の保険関係
が保険年度の当初に共に成立している継続事業であって、納付すべき概算保険
料の額が40万円以上のもの又は当該事業に係る
労働保険事務の処理が労働
保険事務組合に委託されているものについての事業主は、概算
保険料の
延納
の申請をした場合には、その概算
保険料を所定の各期に分けて納付すること
ができる。
【 H29-労災10-オ 】
労働保険事務の処理が
労働保険事務組合に委託されている事業についての
事業主は、納付すべき概算
保険料の額が20万円(
労災保険に係る保険関係
又は
雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、10万円)
以上(当該保険年度において10月1日以降に保険関係が成立したものを
除く。)となる場合であれば、
労働保険徴収法に定める申請をすることに
より、その概算
保険料を
延納することができる。
☆☆======================================================☆☆
延納ができるか否か、その要件に関する問題です。
概算
保険料の額、これが少なければ、事業主に大きな負担がかかるわけでは
ないので、わざわざ分割した納付を認める必要はありません。
そのため、概算
保険料の額が少額の場合、
延納はできないというのが基本的な
考え方です。
ただし、そのような場合でも、
労働保険事務組合に
労働保険事務の処理を委託
しているときは、話は別。
延納が可能になります。
これは継続事業であっても、
有期事業であっても同じ考え方です。
具体的には、
(1) 継続事業の場合、概算
保険料の額が40万円(
労災保険に係る保険関係又は
雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、20万円)以上
であること、
有期事業の場合、概算
保険料の額が75万円以上であること
(2) 当該事業に係る
労働保険事務の処理が
労働保険事務組合に委託されている
こと
いずれかに該当することが
延納の要件となります。
ということで、
【 H14-労災9-C 】、【 H17-雇保10-A 】、【 H13-雇保8-A 】、
【 H19-労災8-A 】は、いずれも正しいですが、【 H29-労災10-オ 】
と【 R5-雇保8-D 】は誤りです。
労働保険事務の処理が
労働保険事務組合に委託されている事業についての
事業主は、納付すべき概算
保険料の額にかかわらず、その他の要件を満たし
ていれば、その概算
保険料を
延納することができます。
委託の有無による違い、継続事業と
有期事業との違い、これらは今後も論点と
されるので、間違えないようにその違いを整理しておきましょう。
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1 はじめに
2 令和5年労働組合基礎調査の概況
3 心理的負荷による精神障害の認定基準12
4 過去問データベース
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今年、残り8日です。
ということは、もうすぐ、年末年始です。
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└■ 2 令和5年労働組合基礎調査の概況
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先日、厚生労働省が「令和5年労働組合基礎調査の概況」を公表しました。
令和5年6月30日現在における
● 推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は16.3%
(前年より0.2ポイント低下)
● 女性の推定組織率は12.4%(前年より0.1ポイント低下)
● パートタイム労働者の推定組織率は8.4%(前年より0.1ポイント低下)
となっています。
この調査に基づく「推定組織率」、これは何度も試験に出題されています。
☆☆==========================================☆☆
【 H20-1-B 】
基礎調査結果によれば、平成19年6月30日現在における労働組合の推定
組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は、18.1%と初めて20%を
下回った。一方、単位労働組合のパートタイム労働者の労働組合員数は、
対前年比で14.2%増と増加する傾向にあるが、その推定組織率(パート
タイム労働者の労働組合員数を短時間雇用者数で除して得られた数値)は
4.8%と低下する傾向にある。
【 H18-3-E 】
基礎調査によると、平成17年6月30日現在の労働組合数や労働組合員数は
ともに前年に比べて減少し、推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の
割合)は低下したものの20%にとどまった。
【 H15-3-E 】
厚生労働省「平成14年労働組合基礎調査」によると、労働組合数も労働組合員
数も前年に比べ減少し、労働組合の推定組織率は20.2%と前年に比べてわずか
に低下し、推定組織率の低下傾向が続いている。なお、こうした中で、パート
タイム労働者の組合員数は前年より増加しているが、パートタイム労働者に
かかる推定組織率は3%を下回る状況である。
☆☆==========================================☆☆
いずれも推定組織率を論点としています。
推定組織率は、
平成15年には20%を下回って19.6%となり、
その後も
平成16年:19.2%、平成17年:18.7%、平成18年:18.2%、平成19年:18.1%
と低下が続きました。
ただ、平成20年以降は、いったん下げ止まりの状態となり、
平成20年は18.1%と前年と同じ、
平成21年は、18.5%と、久々に上昇しました。
で、平成22年は、前年と同じ18.5%でしたが、
その後は、また低下傾向を示し、令和元年には初めて17%を下回りました。
令和2年は11年ぶりに上昇し、17%台に戻りましたが、
令和3年は、再び17%を下回り、令和4年は16.5%、令和5年は16.3%と
2年連続で過去最低となっています。
ここでは、
【 H20-1-B 】、【 H18-3-E 】、【 H15-3-E 】
と3問だけ挙げていますが、これら以外にも出題はあります。
労働経済の数値、ピンポイントですべてを押さえるってことになると、
大変なことになりますが、
この推定組織率は、ピンポイントで押さえておいてもよいところです。
少なくとも、20%は下回っているってことは、知っておく必要があります。
前述の問題の答えですが、
【 H20-1-B 】は、
「平成19年に初めて20%を下回った」としているので、誤りです。
【 H18-3-E 】は、
「低下したものの20%にとどまった」としているので、やはり、誤りです。
すでに20%を下回っていましたから。
【 H15-3-E 】は、正しい内容として出題されたものです。
「令和5年労働組合基礎調査の概況」の詳細は↓
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/23/index.html
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└■ 3 心理的負荷による精神障害の認定基準12
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第5 精神障害の悪化と症状安定後の新たな発病
1 精神障害の悪化とその業務起因性
精神障害を発病して治療が必要な状態にある者は、一般に、病的状態に起因
した思考から自責的・自罰的になり、ささいな心理的負荷に過大に反応する
ため、悪化の原因は必ずしも大きな心理的負荷によるものとは限らないこと、
また、自然経過によって悪化する過程においてたまたま業務による心理的
負荷が重なっていたにすぎない場合もあることから、業務起因性が認められ
ない精神障害の悪化の前に強い心理的負荷となる業務による出来事が認めら
れても、直ちにそれが当該悪化の原因であると判断することはできない。
ただし、別表1の特別な出来事があり、その後おおむね6か月以内に対象疾病
が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合には、当該特別
な出来事による心理的負荷が悪化の原因であると推認し、悪化した部分につい
て業務起因性を認める。
また、特別な出来事がなくとも、悪化の前に業務による強い心理的負荷が認め
られる場合には、当該業務による強い心理的負荷、本人の個体側要因(悪化前
の精神障害の状況)と業務以外の心理的負荷、悪化の態様やこれに至る経緯
(悪化後の症状やその程度、出来事と悪化との近接性、発病から悪化までの
期間など)等を十分に検討し、業務による強い心理的負荷によって精神障害が
自然経過を超えて著しく悪化したものと精神医学的に判断されるときには、
悪化した部分について業務起因性を認める。
なお、既存の精神障害が悪化したといえるか否かについては、個別事案ごと
に医学専門家による判断が必要である。
──コメント──
旧認定基準の内容を変更し、特別な出来事に該当する出来事がなくとも、悪化の前
に業務による強い心理的負荷が認められる事案について、十分な検討の上で、業務
起因性を認める場合があることが示されました。
その際、業務起因性が認められない精神障害について、その悪化の前に強い心理的
負荷となる業務による出来事が認められても、直ちにそれが当該悪化の原因である
と判断することはできないとする考え方は旧認定基準と同様であり、悪化の前に
業務による強い心理的負荷が認められる場合には、業務による強い心理的負荷に
よって精神障害が自然経過を超えて著しく悪化したものと精神医学的に判断される
か否かについて、認定基準に記載された考慮要素を踏まえ、十分に検討することが
必要であるとされています。
なお、認定基準第5の1にいう「治療が必要な状態」とは、実際に治療が行われて
いるものに限らず、医学的にその状態にあると判断されるものを含むものである
とされています。
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└■ 4 過去問データベース
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今回は、令和5年-徴収法〔雇保〕・問8-D「延納」です。
☆☆======================================================☆☆
令和4年4月1日に労働保険の保険関係が成立して以降金融業を継続して
営んでおり、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業主
は、令和5年度の保険年度の納付すべき概算保険料の額が10万円であるとき、
その延納の申請を行うことはできない。
☆☆======================================================☆☆
「延納」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 H14-労災9-C 】
有期事業であって、納付すべき概算保険料の額が75万円以上のもの又は当該
事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているもの
(事業の全期間が6月以内のものを除く。)についての事業主は、概算保険料
申告書を提出する際に延納の申請をした場合には、その概算保険料を、その
事業の全期間を通じて、所定の各期に分けて納付することができる。
【 H17-雇保10-A 】
事業の全期間が6か月を超える有期事業については、納付すべき概算保険料の
額が75万円以上でなければ労働保険料を延納することができないが、労働
保険事務の処理を事務組合に委託している場合には、概算保険料の額のいかん
にかわらず延納することができる。
【 H13-雇保8-A 】
労災保険及び雇用保険の保険関係が保険年度当初に共に成立している継続事業
については、納付すべき概算保険料の額が40万円以上でなければ、延納をする
ことができないが、労働保険事務の処理を事務組合に委託している場合には、
概算保険料の額の如何にかかわらず延納することができる。
【 H19-労災8-A 】
労災保険に係る労働保険の保険関係及び雇用保険に係る労働保険の保険関係
が保険年度の当初に共に成立している継続事業であって、納付すべき概算保険
料の額が40万円以上のもの又は当該事業に係る労働保険事務の処理が労働
保険事務組合に委託されているものについての事業主は、概算保険料の延納
の申請をした場合には、その概算保険料を所定の各期に分けて納付すること
ができる。
【 H29-労災10-オ 】
労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されている事業についての
事業主は、納付すべき概算保険料の額が20万円(労災保険に係る保険関係
又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、10万円)
以上(当該保険年度において10月1日以降に保険関係が成立したものを
除く。)となる場合であれば、労働保険徴収法に定める申請をすることに
より、その概算保険料を延納することができる。
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延納ができるか否か、その要件に関する問題です。
概算保険料の額、これが少なければ、事業主に大きな負担がかかるわけでは
ないので、わざわざ分割した納付を認める必要はありません。
そのため、概算保険料の額が少額の場合、延納はできないというのが基本的な
考え方です。
ただし、そのような場合でも、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託
しているときは、話は別。延納が可能になります。
これは継続事業であっても、有期事業であっても同じ考え方です。
具体的には、
(1) 継続事業の場合、概算保険料の額が40万円(労災保険に係る保険関係又は
雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、20万円)以上
であること、有期事業の場合、概算保険料の額が75万円以上であること
(2) 当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されている
こと
いずれかに該当することが延納の要件となります。
ということで、
【 H14-労災9-C 】、【 H17-雇保10-A 】、【 H13-雇保8-A 】、
【 H19-労災8-A 】は、いずれも正しいですが、【 H29-労災10-オ 】
と【 R5-雇保8-D 】は誤りです。
労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されている事業についての
事業主は、納付すべき概算保険料の額にかかわらず、その他の要件を満たし
ていれば、その概算保険料を延納することができます。
委託の有無による違い、継続事業と有期事業との違い、これらは今後も論点と
されるので、間違えないようにその違いを整理しておきましょう。
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加藤 光大
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