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(第13話)その3「新規見込み客との交渉」

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シリーズ「営業力とコンピテンシー!」

<第157回>[(第13話)交渉力アップとコンピテンシー! ]

       == その3「新規見込み顧客との交渉」 ==

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「営業力とコンピテ
ンシー!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介していきます。
きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当
者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
【3】編集後記

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既存顧客を一社も失わず、かつ売上げを伸ばさなければなりません。さらには新
規見込み顧客と上手に交渉し、取引契約締結にこぎつけなければならないのです。

営業マンにこそ最も交渉力なるコンピテンシーが求められるのです。

【1】心に刻んでおきたい言葉

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相対する関係ではなく、共に手を携える関係であることを相手に認識させるため
には、そのことを率直に採り挙げればいい。

       フィッシャー&ユーリー

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【2】メルマガ本論

[(第13話)交渉力とコンピテンシー!]

== その3「新規見込み顧客との交渉」 ==

既存顧客との交渉は顧客をロックインできるようにすることです。一回限りの取
引ではLTVが確保できないからです。LTVとは、Life Time Valueのことで顧
客生涯価値ということになります。つまり、顧客が離反するまでの間に当社に落
としてくれる売上げ・利益のことです。だからこそ初回の取引で商品を引き渡し
たときが顧客との関係のスタートポイントということになるのです。

見込み顧客との交渉は、商談・交渉を経て取引契約の締結にこぎつけることです。
恐らくコンペティターが何社かあることでしょう。ステージセットを取り、企画
書を提出して商談を何度か繰り返し、見積書を提出し、交渉を重ねてやっと取引
契約の締結に至るのです。初回から大きな取引は困難ですが実績を積み重ねるこ
とにより、売上げも徐々に増えていくことが期待できます。

ここでは見込み顧客との交渉に軸足を置いて解説したいと思います。

1.交渉の戦略

交渉戦略は、方向性を決めることと情報の収集・分析の二要素で検討してはどう
でしょうか。

(1)交渉の方向性を決める

*目的・・・何のために交渉するのか。(例えば、新規優良顧客の開拓)

*目標・・・交渉の結果にどんなことを期待するのか。(例えば、わが社の知名
      度アップ)

*方針・・・守るべき交渉条件と力のいれどころの明確化。(例えば、原価すれ
すれまで譲歩可とし、わが社の理念と商品のベネフィットおよびエッセンスを特
に強調する)

一流の新規顧客を開拓することは、売上げ・利益もさることながらさまざまなメ
リットがあります。あんな一流企業と取引しているとなるとわが社の知名度もア
ップできるでしょう。

まずは取引契約の締結が戦略的に優先されるのなら、商品
価格の譲歩の限界は原価すれすれまで可とし、さらにこの商品の顧客にとっての
ベネフィット(顧客にとっての“いいコト”、“いいモノ”)やこの商品のエッ
センス(本質的な特徴)のPRに特に力を入れてはどうでしょうか。

(2)情報収集と分析

まず可能な限り交渉相手の人物評価の情報を収集して分析することです。経歴、
性格、趣味・趣向、持っている価値観なども有力な情報です。

相手企業の情報分析内容としては、相手企業のその業界でのポジショニングと強
み・弱み、こちら(わが社)の強み・弱みもマトリクス表にまとめることです。

例えば相手は、コンペティターともコンタクトを取っているのか取っていないの
か、品質・機能を優先に考えるのか価格を優先に考えるのか、有名企業からの購
入を考えているのかこだわっていないのかなどは重要です。それに対して当方は
何で優位に立てるか、逆にどんな劣位があるのかもまとめて、交渉の戦略に加え
ておくとよいでしょう。

2.予備交渉戦術と反応確認

予備交渉のステップでの骨子は、予備交渉戦術、条件提示、相手の反応確認の三
要素で検討してはどうでしょうか。

(1)交渉戦術

交渉を最終的に成功に導くためには、分析した情報から交渉戦術とこちらの優位
性をどう持続させるかがポイントになります。そしてどんな条件を提示するのか、
相手の予測される反応にどうこちらが反応するのか、相手の弱みをどう攻めるか、
代替案として何を用意するのか、譲歩の限界をどうするか、上司にヘルプを要請
するタイミングをいつにするかなどをしっかり検討しておくことです。

(2)条件提示

予備交渉では、最終条件ではないことの含みを持たせて条件を提示することにな
りますが、こちらのプレゼンテーションに対する相手の反応から提示するタイミ
ングを計ります。

さらには「第一印象度」や「親蜜性」なるコンピテンシーを発揮しながら、いま
だというタイミングに条件を提示します。

(3)反応確認

当然のことながらこちらの利益ばかりを追求すれば失敗に終わります。相手にも
いろいろと都合があるわけですから・・・。

相手のニーズ、何を考えどう出てくるのか、それを知ることが成功の条件になり
ます。

短気な相手か、のんきそうな相手か、論理思考の相手か、それらを瞬時に読み取
りながら交渉を進めていきます。ここでの反応から本交渉での戦術が見えてきま
すから・・・。

3.本交渉

双方数日間の検討期間を置いて、いよいよ本交渉ということになります。説得と
反論、代替案と譲歩、成約条件の確認、成約交渉の四要素で検討してはどうでし
ょうか

(1)説得と反論

相手は、こちらが示したベネフィットやエッセンスを理解できれば興味を示しま
す。しかし興味を示さなければ交渉は暗礁に乗り上げます。その場合、あらかじ
め検討しておいた反論のトークを開始するわけですが、どうすれば相手を説得で
きるかの瞬時の対応が必要になります。ここが一番の難所で「誠意」を示す場面
でもあるのです。

(2)代替案と譲歩

双方が歩みよりを示し、合意点を見出さなければなりません。合意点が見つから
ない場合は、あらかじめ用意してある譲歩の限界を持ち出さなければなりません。
主張すべきは「顧客にとっての商品の持つベネフィット」と「新たに追加するベ
ネフィット」でしょう。そこにわが社の理念を再度おりまぜ、説得を試みるので
す。

(3)成約条件の確認

合意したなら双方が合意事項を確認します。念のため合意事項を復唱し、議事録
か覚書に記載し取り交わせば完璧でしょう。

4.成約交渉

あとは、契約書の作成と調印という手続きですが、詳細の解説はいらないでしょ
う。

不幸にして交渉が失敗し、成約に至らないケースも多いことと思います。その場
合といえどもサンキューレターを発信しておく気遣いは重要です。なぜならば、
次回のチャンスの時に、よい印象は必ず相手の記憶に残っていて、あとで効いて
きますから・・・。

【3】編集後記

経験談を思い返しながら原稿を作成しました。交渉は、双方にとってスリルがあ
ります。自分のプレゼンテーションに対してどんなリアクションが返ってくるの
かをいち早く察知して次のプレゼンテーショントークを準備することの繰り返し
ですから・・・。

これらの交渉の場面をたくさん経験しながら交渉力は身についていきます。手順
やコツの伝授を受けただけでは進歩しません。なぜならば、相手がどう反応する
かによってこちらの出方を変えなければならないからです。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


次回予告
次回は、第14話[交渉力とコンピテンシー! その4「交渉力コンピテンシー
を磨く」]を解説します。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/
(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから http://www.ss-net.com

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