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シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」
<第200回>[(第6話)落ち目の東武ストアを蘇らせた元ダイエー常務の人活経営!]
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワ
ーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「社員と地域を活性化させる豆腐屋三代目の気概!」
1.東武ストアとは?
2.コンサルタントの指導で益々負のスパイラルへ!
3.丸紅との提携、玉置副社長の進軍ラッパ!
4.現場の
モチベーションは見る見るアップ!
5.指導者如何で会社は変わる!
【3】今日のポイント
【4】編集後記
===========================
破綻したマックスバリュー東海(旧ヤオハン)やマイカルがイオン傘下の元で計
画を前倒しして再建が完了しました。
破綻寸前までいった東武ストアも蘇りました。3期連続の赤字からV字回復を果
たしたのです。元ダイエー常務だった玉置副社長の手腕によるところが大でした。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
大事なことはやっぱり、常にお客さんの立場から考えることなんですね。ところ
が、頭では分かっていても実際の場面では売り手の側の立場で物事を考えてしま
う。
鈴木敏文
***********************************************************************
【2】メルマガ本論
[(第6話)落ち目の東武ストアを蘇らせた元ダイエー常務の人活経営!]
1.東武ストアとは?
東武鉄道の子会社で、東京、千葉、埼玉で食品スーパー46店ほどを運営してい
ます。
多くは鉄道の駅に出店するという恵まれた立地条件にありながら1992年2月期か
ら売上げが減り続け、2001年2月期以降の最終損益は3期連続の赤字となりまし
た。
多くのスーパーが売上げ低迷に苦戦しましたが、特に東武ストアの落ち込みは際
立っていたのです。
2003年丸紅、マルエツとの業務提携から一変。2005年2月期の連結
売上高は805
億円、
営業利益は約19億円とV字回復しました。
2.コンサルタントの指導で益々負のスパイラルへ!
駅前立地で集客力があるためでしょうか、品揃えや売り場の工夫などカイゼンと
はおよそ無縁でした。お店としての特徴もなく、近隣にライバルが出店するたび
に底なしの業績悪化に陥りました。進化が止まれば滅びるのです。ダーウィンの
「進化論」は真理です。
2000年、コンサルタントを招き改革に着手しましたが、間違った「コストダウン」
と単なる「
目標管理」を指導した様子です。つまり数字だけを押し付ける格好に
なりました。
例えば人員削減、清掃会社との
契約打ち切り。店は慢性的な人手不足に陥り、切
れた蛍光灯、剥がれた床、故障したままのエレベーターなど顧客サービスのレベ
ルは地に落ちたのです。挙句、名刺や筆記具まで個人負担というから驚きます。
目標管理は大事な管理手法ですが、「何をどうする」という活動が置き去りのま
ま数字だけ追わせても社員の
モチベーションは萎えるばかりです。こうして社員
の心まで荒廃していきました。
商品力と社員の
モチベーション抜きにはカイゼンも改革も進まず、かえって負の
スパイラルにはまり込むのです。コンサルタントの指導はここに問題がありまし
た。
3.丸紅との提携、玉置副社長の進軍ラッパ!
2003年2月、食品スーパーの拡大路線を採る丸紅から業務提携の打診があり、こ
の申し出は東武ストアにとって「渡りに船」でした。
そしてダイエー時代に常務まで上りつめた玉置富貴雄氏を副社長として、さらに
マルエツから野口公一氏を常務として送り込んだのです。
このことを知った社員たちは新たな進駐軍にビビリ、警戒心をあらわにしたとい
うのです。しかし、玉置副社長は店長を集め、対話をし、再建策を理解させ、会
社の
費用で二次会を催しました。会社の
費用で宴会することに店長たちは一様に
驚きました。
ここは玉置副社長の人格
コンピテンシーが初めに発揮された場面です。磨きぬか
れた人格
コンピテンシーは社員との信頼の絆を強くするのです。
真っ先に着手したのが現場の誤ったコスト意識を正すことでした。ダメコンサル
タントが残した負の遺産の払拭からやらなければならなかったのです。
4.現場の
モチベーションは見る見るアップ!
店舗を巡回した玉置社長は唖然としました。店舗は汚く、陳列されないまま賞味
期限の切れた商品が奥にありました。レイアウトが悪いため、店舗とバックヤー
ドの距離が長いのです。そのためスタッフの歩行距離も長くムダだらけでした。
「5S」と「レイアウトのカイゼン」という初歩的なことから指導したのです。
そして名刺や筆記具など店舗運営に必要なものは本部が負担することを宣言しま
した。個人負担などとんでもない考えだからです。
目先の利益に縛られて人員を減らしすぎ、かえって余計なコストが生じていたの
です。
5.指導者如何で会社は変わる!
玉置副社長は自ら店舗に立ち、接客をしながら背中で社員たちを教育しました。
東武ストア新柏店では毎週日曜日の朝市が活況を呈しています。朝市開始と同時
に店内になだれ込む顧客、誰よりも大声を張り上げる玉置副社長。思わず社員も
元気が出ます。
24時間営業もシフト製を組むということで社員を説得し、導入にこぎつけまし
た。さらに惣菜と生鮮食品を強化し、コンビにとの差別化戦略を図りました。深
夜でも焼きそばやカツ丼などは注文を受けてから調理するのです。
値段の安さばかりでは利益が薄まります。商品の「金、銀、銅」作戦でカテゴリ
ーを強化しました。例えば国産のブランド牛は金、一般の国産牛は銀、輸入牛は
銅というように分類し、商品のバランスを取ったのです。
こうして売り場作りの基本を再教育していきました。
社員は会社の先行きを前向きに考えるようになり、日ごとに
モチベーションがア
ップしていくから不思議です。
今では近隣の競合店には負けたくないという意識が強くなってきました。このや
る気がボトムアップの改革に結びつき始めました。進駐軍主導の改革から今は現
場の自主的な知恵主導の改革に舵が切られたのです。
(今回の参考文献:日経ビジネス2005年1月17日号)
【3】今日のまとめ
1.立地などに恵まれていても進化が止まれば生きながらえることのできないダ
ーウィンの「進化論」は真理であること。
2.間違ったコストダウンや数字だけ追う中身のない
目標管理は社員の心までを
も荒廃させてしまうこと。
3.社員は納得してその気になれば
モチベーションがアップすること。それは指
導者(リーダー)の手腕によるところが大きいこと。
モチベーションがアッ
プすれば業績が大幅に向上すること。
4.ボトムアップの改革が更なる業績のアップにつながること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
指導者如何で会社は大きく変わります。これは真理です。
会社を潰す経営者がいてそれを立て直す経営者がいます。その違いはどこにある
のでしょうか。
商品力は大事な要素ですが、私は「人」という経営資源を生かすか殺すか、その
違いであるように思います。社員の
モチベーションを高いレベルに維持すること
が全てです。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回予告
次回は、シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」第7話「コンシェルジェ
サービスのルーツ、リッツの人活経営!」を解説します。
***********************************************************************
発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
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(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから
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シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」
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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワ
ーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
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【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「社員と地域を活性化させる豆腐屋三代目の気概!」
1.東武ストアとは?
2.コンサルタントの指導で益々負のスパイラルへ!
3.丸紅との提携、玉置副社長の進軍ラッパ!
4.現場のモチベーションは見る見るアップ!
5.指導者如何で会社は変わる!
【3】今日のポイント
【4】編集後記
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破綻したマックスバリュー東海(旧ヤオハン)やマイカルがイオン傘下の元で計
画を前倒しして再建が完了しました。
破綻寸前までいった東武ストアも蘇りました。3期連続の赤字からV字回復を果
たしたのです。元ダイエー常務だった玉置副社長の手腕によるところが大でした。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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大事なことはやっぱり、常にお客さんの立場から考えることなんですね。ところ
が、頭では分かっていても実際の場面では売り手の側の立場で物事を考えてしま
う。
鈴木敏文
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【2】メルマガ本論
[(第6話)落ち目の東武ストアを蘇らせた元ダイエー常務の人活経営!]
1.東武ストアとは?
東武鉄道の子会社で、東京、千葉、埼玉で食品スーパー46店ほどを運営してい
ます。
多くは鉄道の駅に出店するという恵まれた立地条件にありながら1992年2月期か
ら売上げが減り続け、2001年2月期以降の最終損益は3期連続の赤字となりまし
た。
多くのスーパーが売上げ低迷に苦戦しましたが、特に東武ストアの落ち込みは際
立っていたのです。
2003年丸紅、マルエツとの業務提携から一変。2005年2月期の連結売上高は805
億円、営業利益は約19億円とV字回復しました。
2.コンサルタントの指導で益々負のスパイラルへ!
駅前立地で集客力があるためでしょうか、品揃えや売り場の工夫などカイゼンと
はおよそ無縁でした。お店としての特徴もなく、近隣にライバルが出店するたび
に底なしの業績悪化に陥りました。進化が止まれば滅びるのです。ダーウィンの
「進化論」は真理です。
2000年、コンサルタントを招き改革に着手しましたが、間違った「コストダウン」
と単なる「目標管理」を指導した様子です。つまり数字だけを押し付ける格好に
なりました。
例えば人員削減、清掃会社との契約打ち切り。店は慢性的な人手不足に陥り、切
れた蛍光灯、剥がれた床、故障したままのエレベーターなど顧客サービスのレベ
ルは地に落ちたのです。挙句、名刺や筆記具まで個人負担というから驚きます。
目標管理は大事な管理手法ですが、「何をどうする」という活動が置き去りのま
ま数字だけ追わせても社員のモチベーションは萎えるばかりです。こうして社員
の心まで荒廃していきました。
商品力と社員のモチベーション抜きにはカイゼンも改革も進まず、かえって負の
スパイラルにはまり込むのです。コンサルタントの指導はここに問題がありまし
た。
3.丸紅との提携、玉置副社長の進軍ラッパ!
2003年2月、食品スーパーの拡大路線を採る丸紅から業務提携の打診があり、こ
の申し出は東武ストアにとって「渡りに船」でした。
そしてダイエー時代に常務まで上りつめた玉置富貴雄氏を副社長として、さらに
マルエツから野口公一氏を常務として送り込んだのです。
このことを知った社員たちは新たな進駐軍にビビリ、警戒心をあらわにしたとい
うのです。しかし、玉置副社長は店長を集め、対話をし、再建策を理解させ、会
社の費用で二次会を催しました。会社の費用で宴会することに店長たちは一様に
驚きました。
ここは玉置副社長の人格コンピテンシーが初めに発揮された場面です。磨きぬか
れた人格コンピテンシーは社員との信頼の絆を強くするのです。
真っ先に着手したのが現場の誤ったコスト意識を正すことでした。ダメコンサル
タントが残した負の遺産の払拭からやらなければならなかったのです。
4.現場のモチベーションは見る見るアップ!
店舗を巡回した玉置社長は唖然としました。店舗は汚く、陳列されないまま賞味
期限の切れた商品が奥にありました。レイアウトが悪いため、店舗とバックヤー
ドの距離が長いのです。そのためスタッフの歩行距離も長くムダだらけでした。
「5S」と「レイアウトのカイゼン」という初歩的なことから指導したのです。
そして名刺や筆記具など店舗運営に必要なものは本部が負担することを宣言しま
した。個人負担などとんでもない考えだからです。
目先の利益に縛られて人員を減らしすぎ、かえって余計なコストが生じていたの
です。
5.指導者如何で会社は変わる!
玉置副社長は自ら店舗に立ち、接客をしながら背中で社員たちを教育しました。
東武ストア新柏店では毎週日曜日の朝市が活況を呈しています。朝市開始と同時
に店内になだれ込む顧客、誰よりも大声を張り上げる玉置副社長。思わず社員も
元気が出ます。
24時間営業もシフト製を組むということで社員を説得し、導入にこぎつけまし
た。さらに惣菜と生鮮食品を強化し、コンビにとの差別化戦略を図りました。深
夜でも焼きそばやカツ丼などは注文を受けてから調理するのです。
値段の安さばかりでは利益が薄まります。商品の「金、銀、銅」作戦でカテゴリ
ーを強化しました。例えば国産のブランド牛は金、一般の国産牛は銀、輸入牛は
銅というように分類し、商品のバランスを取ったのです。
こうして売り場作りの基本を再教育していきました。
社員は会社の先行きを前向きに考えるようになり、日ごとにモチベーションがア
ップしていくから不思議です。
今では近隣の競合店には負けたくないという意識が強くなってきました。このや
る気がボトムアップの改革に結びつき始めました。進駐軍主導の改革から今は現
場の自主的な知恵主導の改革に舵が切られたのです。
(今回の参考文献:日経ビジネス2005年1月17日号)
【3】今日のまとめ
1.立地などに恵まれていても進化が止まれば生きながらえることのできないダ
ーウィンの「進化論」は真理であること。
2.間違ったコストダウンや数字だけ追う中身のない目標管理は社員の心までを
も荒廃させてしまうこと。
3.社員は納得してその気になればモチベーションがアップすること。それは指
導者(リーダー)の手腕によるところが大きいこと。モチベーションがアッ
プすれば業績が大幅に向上すること。
4.ボトムアップの改革が更なる業績のアップにつながること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
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【4】編集後記
指導者如何で会社は大きく変わります。これは真理です。
会社を潰す経営者がいてそれを立て直す経営者がいます。その違いはどこにある
のでしょうか。
商品力は大事な要素ですが、私は「人」という経営資源を生かすか殺すか、その
違いであるように思います。社員のモチベーションを高いレベルに維持すること
が全てです。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回予告
次回は、シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」第7話「コンシェルジェ
サービスのルーツ、リッツの人活経営!」を解説します。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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