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<第237回>こんな会社で働きたい!

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       シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」<本シリーズ最終回>

       <第237回>[(第43話)こんな会社で働きたい!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワ
ーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「こんな会社で働きたい!」
1.成果主義の反省!
2.多様な社員の価値観の違い!
3.社員のモチベーションが下がるとき!
4.ハーズバークの動機付け衛生理論とは!
5.こんな会社で働きたい!
【3】今日のポイント
【4】編集後記

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シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる」で、42の事例を紹介してきました。
その中で、第10話で採り挙げた呉服販売の竹内グループが倒産したことは衝撃
でした。

無借金経営の会社がなぜ倒産したのか信じられませんでした。高い着物を購入し
た顧客から相次いで訴訟を起こされたことが原因のようです。現場での強引な販
売、一件の訴訟が風評で拡大し、多数の訴訟に発展していったようです。

それ以外の紹介企業は、今なお右肩上がりの業績を維持しています。

今回は本シリーズの最終回として「こんな会社で働きたい!」で締めくくること
にしました。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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企業および企業文明の目的は、優れた人間を作ることである。

      ピーター・F・ドラッカー

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【2】メルマガ本論

[(第43話)こんな会社で働きたい!]


1.成果主義の反省!

バブル崩壊後、1995年ごろから多くの企業が成果主義賃金制度に舵を切りました。

がんばる人とがんばらない人の処遇が同じというのは不公平であるとの正論が幅
を利かせました。

成果主義失敗の企業はノルマ主義、結果主義と位置づけて根拠のない目標を押し
付け、達成できないと賃金カット、職場異動、リストラなどの制裁的扱いが常態
化し、将来性のある人から辞めていき、職場は疲弊しました。

成果主義がうまくいったと言っている企業においても「ぶつぶつ社員」が増えま
した。たまたま上昇気流の部門にいたときは成果主義の恩恵を受けましたが、そ
の部門の事業が停滞したときは逆の立場になり、「にこにこ社員」が「ぶつぶつ
社員」に変わるのです。

第42話で採りあげた京セラは成果主義を導入しない理由を「ぶつぶつ社員」を
生むだけの制度と一蹴しています。


2.多様な社員の価値観の違い!

今や、多くの企業の職場には多様な働き方をする社員で構成されています。

正社員、非正社員です。非正社員は派遣、パート、アルバイト、フリーターなど
に分かれます。このように働き方が多様化したこともあって、同じ職場でさえ人
によって何にモチベーションを感じるかは大きく違っています。

尊敬できる上司の下で働くことに喜びを感じる人もいれば、権限を委譲され自由
裁量の余地を与えられることに働きがいを感じる人もいます。中には時給が少し
でも高ければいいと考える人もいるわけです。

多くの企業は、働き方の違いを問わず、どうすれば社員のモチベーションを上げ
られるかをいろいろ考え、さまざまな制度を試みています。しかし、制度を導入
すればモチベーションが上がるというものではありません。


3.社員のモチベーションが下がるとき!

多くの企業が業績を回復させることに成功しました。その一方で社員満足度(ES)
は低下傾向にあります。将来の幹部候補や将来性ある若手が大量退職してしまっ
た企業も多いという実情があります。

どんなときに社員のモチベーションが下がるのか、その理由を掴むことが大切で
す。

(1)経営トップや上司への信頼喪失
(2)評価に納得がいかなかったとき
(3)職場の人間関係の軋轢
(4)自分の仕事の役割が低く、自由裁量の余地が少ないと感じたとき
(5)残業が多く、自分の時間が取れないと感じたとき
(6)自己成長の機会がないか少ないと感じたとき
(7)仕事の要望や提案が受け入れられないとき
(8)会社の業績低下で将来の希望が持てないと感じたとき


(1)~(8)は社員のモチベーションを阻害する重要要因として理解し、マ
ネジメントに生かすことが大切です。


4.ハーズバークの動機付け衛生理論とは!

経済学のハーズバーグ博士が1968年に興味深い理論を提唱しています。

博士は、経営理念や経営方針の開示、良好な管理監督、良好な上司との関係、労
働条件や賃金面での厚遇、良好な職場の人間関係などは、社員のモチベーション
(動機付け)を阻害しない効果はあるが、モチベーションアップの要因にはなら
ないとして、これらを衛星要因と名づけました。裏を返せば、社員不満足の要因
として注視する必要があるということです。

一方、承認されること、達成感、権限委譲・裁量の余地、昇進、自己成長の体得
などはモチベーションアップの大きな要因になると指摘しています。

この理論がどの程度当てはまるかは、会社によってもあるいはそこに働く社員に
よっても違ってきます。

世間並みの賃金の確保や住宅施設、労働安全や衛生管理を求めている人たちもた
くさんいるわけですから自社の状況をよくサーベイしてみる必要があるというこ
とです。


5.こんな会社で働きたい!

社員から見て「こんな会社で働きたい」という思いは、これまで見てきたように
会社により、あるいは働く人により異なることをまず理解してほしいと思います。

(1)経営理念・企業風土への共感性

経営理念や企業風土に共感が持てて、支持できる会社で働きたいという人は多い
です。

(2)会社の将来性

会社の将来性、事業の将来性があって顧客満足(CS)志向の強い会社で働きた
いという人は多いです。

(3)権限委譲・裁量の余地と責任ある仕事

自分の力量に応じた権限委譲がなされ、責任あるまとまった仕事を任せてくれる
会社で働きたいという人は多いです。

(4)多様な働き方への寛容性

フレックスタイム制度、休暇制度、在宅勤務、育児・介護支援制度、専門スキル
に対する処遇の明確化など、多様な働き方への寛容性を求める人は多いです。

(5)実力本位の処遇・待遇

提案や成果に対して公平な評価をし、処遇に反映してくれる会社で働きたいとい
う人は多いです。

(6)組織と人とのつながり

経営層や管理者層に信頼できる人が多く、できるだけフラットな組織で自由闊達
な風土があり、人間関係に軋轢が生じない会社で働きたいという人は多いです。

個人差はあるものの(1)~(6)項が満たされている会社で働きたいという人
が圧倒的に多いということを理解し、マネジメントに生かすことが大事です。

(今回の参考文献:日経ビジネス2005年11月7日号、他)


【3】今日のまとめ

1.成果主義がうまく機能している会社はあるが、総じて反省点が多いこと。

2.正社員、非正社員が混在していて、多様な社員の価値観の違いに目を向けた
  制度の導入とマネジメントに生かす必要があること。

3.どんなとき社員のモチベーションが下がるかを理解してマネジメント力を磨
  く必要があること。

4.ハーズバーク博士の動機付け衛生理論というのがあり、不満の要因とモチベ
  ーションアップの要因を理解してマネジメントに生かすこと。

5.多くの社員が「こんな会社で働きたい」と考えている項目についてよく理解
  して制度の導入とマネジメントに生かす必要があること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ

⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp

【4】編集後記

「人活経営」は人を生かす経営です。人、つまり人材を人財に育成して活用する
マネジメントを採ることにより、会社のパワーは倍増するのです。

社員の犠牲の上に好業績を挙げている企業は現にあります。しかし、長続きはし
ないでしょう。今すぐ「人活経営」に舵を切ることをお勧めしたいと思います。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回に続く

次回から、シリーズ「マーケティング活動に威力を発揮するコンピテンシー!」
を解説します。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
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