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退職の意思表示は慎重に

━━☆━━━━━━━━━━━━━ 退職意思表示は慎重に ━━━━━━━━━━━━━━
         
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┏┏    ◇ 退職願いを出してしまったとき
┏┏    ◇ 合意解約の承認前 
┏┏    ◇ 使用者からの合意解約の申込に対する承諾の場合    
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               退職願いを出してしまったとき
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労働者の一方的解約としての退職意思表示は、使用者に到達した時点で効力が発生しますの
で、原則として使用者の同意がない限り、撤回することはできないとされています。
しかし、使用者による精神的、肉体的な強要、脅迫などがあれば、民法第96条第1項(詐欺
脅迫による意思表示の場合)により取消すことができます。

具体例としては、
(1)懲戒解雇に該当しないにもかかわらず、その可能性を告げ、退職願いを提出させた。
(2)病気回復後出社した者を、長時間にわたり自主退職を強要し、提出させた。
(3)会社が親等に依頼し、親族に迷惑をかけるとして提出させた。
などです。

一度出してしまった退職届を撤回するのは、困難なことが多いのですが、法的に可能な場合も
あるので、検討してみましょう。

【損保保険リサーチ事件 旭川地裁 (H6.5.10)】
権利濫用にあたる配転に従わなければ、懲戒解雇になる旨を告げられた労働者が、いったん退
職し嘱託になることを承諾した意思表示を行ったが、これが脅迫によるものであったとした。
労働者による取り消しの意思表示により、当初の退職意思表示が無効であるとされた。

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                  合意解約の承認前 
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退職届などに対する使用者からの承諾が手続き上必要な場合、その承諾前→撤回できる。
承諾については、その権限のある者が退職願を受領していることが必要です(大隅鉄工所事件
 最高裁 S62.9.18)。
さらに内部手続きを要する場合は、その手続きにより本人に通知されることが必要です(東邦
大学事件 東京地裁 S44.11.11)。
承諾の意志表示をするのに辞令の交付等を要することが就業規則等に規定されている場合は、
その交付が行われるまでは、承諾があったと認められません。
     ………………………………………………………………………………

 ●合意解約の申込の場合
労働者が提出した退職願が合意解約の申込の場合、会社がこれを承認し、これを労働者に通知
したとき(例えば、人事部長の承認の連絡があったとき)に、退職の効力が発生すると考えら
れます。
したがって、会社から承認の意思表示である通知(口頭通知でもよいが、辞令等を交付するこ
とが就業規則に規定されている場合はその交付まで)を受けるまで、原則として退職願の撤回
ができることになります。

●「退職願」と「退職届」
退職願」と「退職届」は異なります。
簡単に言うと、「退職願」は辞めさせてくれとの申し入れで、「退職届」は辞めるという意思
表示です。(後者のほうが決定意思の要素が強いです。)会社側の承諾を要するか否かで違い
が生じます。
ただ、いずれにしても、労働者の方から会社に対し、「労働契約を終了させたい。」との意思
表示をしたということになります。

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           使用者からの合意解約の申込に対する承諾の場合 
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使用者が合意解約を申込み、これに対して労働者退職届を提出して承諾の意思表示をした場
合には合意解約が成立しますので、退職届(承諾の意思表示)の撤回はできません。

しかしこれらの場合も、意思表示瑕疵(心裡留保、通謀虚偽表示、錯誤詐欺、脅迫)によ
る無効または取消の主張を行うことは可能です。
この場合には、意思表示瑕疵を裏付ける証拠の収集が重要となります。


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名無し

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