相談の広場
4月に新卒で入社したばかりでの新人です。
就業規則を見たところ1年の繰越で最大保有日数が合計で20日となっていました。
客先常駐型のIT企業なのでメールでやりとりをしているのですが、先輩の有給が10日残っているのに今年度分の20日を加えて合計で20日になっているのは確認済みです。
繰越後の合計で40日では?と思い社長に確認しましたが会社の規則だと一蹴されました。
規則等は外部の労務士さんに相談をしているそうなのですが、それでこれは納得がいきません。
こういうことは普通にあるのでしょうか?
まだ有給休暇はないですし新人が有給休暇とは何事かというお叱りはなしでお願いします。
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おはようございます。
新卒社員には、ちょっと難しい話になります。
一般企業の総務担当者でも、ここまで理解している人は稀だと思います。
労基法では、「有給休暇」と称されていますが、民法上では、労働者にとっては「債権」、使用者側としては「債務」に分類されます。
そして、その債権である「有給休暇の時効は2年」とされています。
労働者はその債権をもっているわけですが、それを2年間行使しないと消滅してしまうことになります。(行使とは有給休暇使用の申請をして使うことです)
有給休暇は、毎年付与されるわけですから、普通に考えれば、本年、前年の分が合算されて残ることになり、それ以前のものは消滅していくことになります。
ところが、下記の民法に債務の弁済の指定という考え方があります。
前述したように、使用者側にとって有給休暇使用を認めることは、「債務の弁済」にあたるわけですね。
そして、条文を利用すると、前年付与した有給休暇ではなく本年付与した有給休暇から使用したことになっているようです。
(債務者である使用者側が、「新しい有給休暇をもって債務の弁済に充当したい」と主張していることになります。)
要は、「有給休暇を貯めこまないで消化しないさい」といっているわけですが、その使用を認めない、使用できない環境を許す企業にとっては悪意があるということになりますね。
>「民法第488条(弁済の充当の指定)
債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。
弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。
前二項の場合における弁済の充当の指定は、相手方に対する意思表示によってする。」
>「民法第489条(法定充当)
弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも前条の規定による弁済の充当の指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。
一 債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する。
二 すべての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。
三 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。
四 前二号に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。」
> 4月に新卒で入社したばかりでの新人です。
>
> 就業規則を見たところ1年の繰越で最大保有日数が合計で20日となっていました。
> 客先常駐型のIT企業なのでメールでやりとりをしているのですが、先輩の有給が10日残っているのに今年度分の20日を加えて合計で20日になっているのは確認済みです。
> 繰越後の合計で40日では?と思い社長に確認しましたが会社の規則だと一蹴されました。
> 規則等は外部の労務士さんに相談をしているそうなのですが、それでこれは納得がいきません。
>
> こういうことは普通にあるのでしょうか?
> まだ有給休暇はないですし新人が有給休暇とは何事かというお叱りはなしでお願いします。
こんにちは シリアナード・レイさん
ご質問のケースですが、考えられることは二点あります。
1 違法行為
2 有給の計算方法の考え方の違い
です。先輩社員が何年目かということと、有給の付与方式が不明ですので、法令通りで行くと、
0.6年目 10日付与
1.6年目 11日付与
~
4.6年目 16日付与(1)
5.6年目 18日付与(2)
6.6年目 20日付与(3)
ですが、4.6年目の16日 5.6年目の18日 で先輩社員が有給を2年間で24日以上取得し場合、ご質問の通り、20日の加算のみでも理屈が通ります。
会社側が、有給の使用優先を上記の例だと、(1)の分から使おうか、(2)から使うかは会社の裁量次第、となります。有給は2年間のみ有効ですので、新しい付与日数から使おうが古いものから使おうが自由です。
10日残っていた、というのは、(1)の10日だと考えれば、今年付与された日数だけになっても問題は無いですね。
もし全く使っていなければ違法行為、です。でもなんかブラックな印象は受けますけどね。
ご参考になれば
時効が先に到来するほうから使うべきという考え方もあるようです。
https://www.ohno-jimusho.co.jp/news/pdf/news20120606_1.pdf
私もそうあるべきだと思います。
新しいほうから使っても問題ないのは、帯広の「六花亭」ぐらいでしょう。
毎年全部使うように会社が奨励して、達成しているそうです。
逆に、毎年使いきることができないのであれば、「新しいほうから」はするべきではないと思います。時効は2年といいながら、会社から与えられた権利を、労働者の希望する日に、十分に行使することができなくなってしまうから。
スーパーで並んでいる牛乳を、奥のほうにある新しいほうから取ってカゴにいれたら、「何だあの人は」と思いますよね。同じことではないですか。
年休の時効は2年なので、昨年4月に付与された年休が今年4月に切り捨てられたとしたらそれは違反です。なので先輩さんは今年付与した直後は30日でないといけません。
ここから、「これから1年に年休を全く取らなかったら来年4月にはどうなるか」と考えて、次に「たとえば3日とったら何日残るか」などと考えたときに、先入後出法だと、年休を取ったら、全く取らない人と比べて、減り方が激しくなります(他の方のご意見にある通りですが)。今までのもろもろの取り扱いが説明できなくなってしまうので、わざと「有効期間は1年だけです」っていうことにしているのかなと思いました。ひどい。。。
労働者が、年休を取得する時に、古いほうから使ってください、と言えば、有効になるのでしょうか。変な話ですが。
客先常駐だからなかなかとれない、といっても、会社のルールとしてやっぱり正しくないですね。
会社にちゃんと説明してもらうべきと思います。(たぶんボロがでる。。。)
パンフレット
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/jikanka/20120307shikkarimasuta_yuukyuukyuuka.pdf
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/notice/chowasuisin/pdf/leaflet20081028.pdf
> 御回答ありがとうございます。
>
> 前年20日付与(10日消費して残り10日)の場合、今年付与されるのが20日なので残りの10日は切り捨てられてしまいます。
> 就業規則にも年休は1年持ち越すことが可能。ただし繰越後との合計を最大20日とする。と記載してありました。
とのことで、やはり違法かと。
http://www.soumunomori.com/forum/thread/trd-99821
上記では有休の上限を最大30日にしたい、という相談でしたが、取得させて減らすならともかく労基法を下回る規則は違法で無効ですよーとの回答がありました。
御社の会社の規模や顧問の社労士さんが就業規則にどの程度関わったかが不明なので判断しかねますが、就業規則に社労士の代行印(社労士が会社の代わりに手続きします、という証明印)と労基署の受理印はありますでしょうか。
代行印があったら就業規則の作成に社労士さんが関わっています。ただ、作成の際に相談に乗っただけで作成・提出は会社がやった、となると印はありません。
何が言いたいかと言うと、相談に乗ってもらっただけで会社が就業規則を作成していたとすると、社労士さんの発言を曲解・拡大解釈などして会社の都合のよいように作成し、社労士さんはこの違法に気付いていない可能性もあるということです。(印があったら容認してますね。)
よくあるかどうかは…すみません、わかりません。
また、労基署の受理印は労基署に提出している就業規則であるかの確認です。
ただ、押印してあるからといって労基法に違反している規則を認めているわけではありません。単に受理しましたよ、という印です。最近は「労基法に違反している規則は労基法の基準が適用されます」という印も一緒に押されて返ってきます。
(うっかり受理印についても説明しましたが、こちらは蛇足ですね。)
http://www.soumunomori.com/forum/thread/trd-180522
こちらの質問で暇人36様が「もし、就業規則の内容に疑問がある、もしくは、違法の疑いがある、などがありましたら、お近くの監督署に匿名で電話確認されても大丈夫ですよ。詳しく説明してくれますよ。」と就業規則の効力についても含めてご案内されています。
ご確認ください。
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