相談の広場
我が社の就業規則には、「業務の形態により実働時間の把握しがたい場合、特別の指示または承認がない限り通常の時間勤務したこととみなす。」という一文があります。
しかし、組合側とはいわゆる「みなし労働」の取り決めはしておらず、みなし労働の届けを労基局にも届け出ていません。
営業部や技術系の部署では社外で仕事をすることも多く、帰社時刻が定時を過ぎることも少なくありません。しかし上記の一文があるというだけで、社外での時間外労働を認めてくれません。この運用方法は法的に問題ないでしょうか?
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事業場外労働に関するみなし労働時間制の対象となるのは、
「事業場外で業務に従事し、かつ、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難な業務な場合」ですから、
事業場外で業務に従事する場合であっても、
使用者の具体的な指揮監督が及んでいる場合については、
労働時間の算定が可能であるので、みなし労働時間制は適用されません。
具体的には、
●何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
●事業場外で業務に従事するが、無線やポケットベル、携帯電話等によっていつでも連絡がとれる状態にあり、随時使用者の指示を受けながら労働している場合
●事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場にもどる場合
というようなケースでは、事業場外労働に関するみなし労働時間制には当たらないことになっています。
以下のリーフレットのQ&A(8ページ)や判例(10ページ)にも具体的な例が載っていますので参考にしてみてください。
【参考】
東京労働局発行「事業場外労働に関するみなし労働時間制の適正な運用のために」
http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou/jikan/pamphlet/jigyoujyou.pdf
したがって、単に就業規則にそのような一文があるから、というだけの理由で、
“一律に”時間外労働を認めないというのは、運用方法として問題があるかと思います。
みなし労働時間制の適用範囲に該当するのかどうか検討したうえで、該当しないと思われるのであれば、
労働基準監督署に相談してみるのもアリかと思います。
ちなみに、事業場外労働に関するみなし労働時間制の労使協定については、
みなし労働時間が法定労働時間を超えない場合は締結&届出の義務はありません。
できる限り労使協定が締結されることが望ましいとされてはいますが・・・。
(みなし労働時間が法定労働時間を超える場合は届出が必要)
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