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コラムの泉

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退職給付で変わる財規

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇vol.141-2012.07.10
      
    ☆☆☆ Weekly Accounting Journal ☆☆☆

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こんにちは、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人の紺野です。日本
会計基準は、今、IFRSで揺れ動いています。一方で税制も改正されており、
上場会社及び上場準備会社の決算・経理実務は今後も引き続き、目まぐるしく
変化していきます。これらのエッセンスを、上場会社及び上場準備会社の経理
担当者の皆さん向けに、出来る限り分かりやすくお伝えします。仕事の合間に
軽くどうぞ!

文中意見にわたる部分は僕の私見にもとづきます。このメールマガジンの情報
をもとに実務に適用される場合には、監査法人さんや顧問税理士さん等にご確
認ください。もちろん、エキスパーツリンク/エキスパーツ税理士法人でもま
ずは無料で検討させていただきます。

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◆◇今週のCONTENTS◆◇
1.[最新J-GAAP]退職給付で変わる財規
2.[監査]あずさ、新日本業務改善命令
3.[IFRS]新日本IFRS連結財務諸表記載例
4.[IFRS]松下金融大臣記者会見時のコメント
5.[最新J-GAAP]問題52
6.[編集後記]

===================================
1.[最新J-GAAP]退職給付で変わる財規
===================================
退職給付関係で財務諸表等規則の改正案が出ました。

http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20120706-8.html

内容は、
**********************************************************************
(1)退職給付に係る科目の表示規定の整備及び様式の改正

退職給付会計基準等において、確定給付制度の退職給付制度を採用している場
合に退職給付債務年金資産の差額を、連結貸借対照表上、「退職給付に係る
負債」及び「退職給付に係る資産」等の適切な科目で「固定負債」及び「固定
資産」に表示することとされました。

また、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用等(以下「未認識数理
計算上の差異等」という。)については、連結貸借対照表上、「退職給付に係
る調整累計額」等の適切な科目で「その他の包括利益累計額」の項目に表示し、
数理計算上の差異及び過去勤務費用等については、当期の発生額と組替調整額
(未認識数理計算上の差異等のうち、当期に費用処理された額に対応する額)
の合計額を、連結包括利益計算書(又は連結損益及び包括利益計算書)上、
退職給付に係る調整額」等の適切な科目で「その他の包括利益」の項目に表
示することとされました。
**********************************************************************
ということです。

以前書いたものを修正して再々掲しておきます。3月決算前提です。税効果は
復興税率とか考えると複雑になりますのでとりあえず37%としておきます。

平成26年3月末の退職給付引当金の金額とその内訳が以下のとおりであったと
します。

   退職給付債務            (10,000)
年金資産               8,000
積立状況を示す額          ( 2,000)
未認識数理計算上の差異          1,000
未認識過去勤務費用           300
会計基準変更時差異の未処理額 200
退職給付引当金           (500)

(未認識項目の一括負債計上)
平成26年3月末の仕訳は、
   退職給付引当金 500 / 退職給付に係る負債 2,000
退職給付に係る調整累計額 1,500(*1)
(その他の包括利益累計額)
繰延税金資産 555 / 退職給付に係る調整累計額 555(*2)
             (その他の包括利益累計額)
(*1)1,400+300-200=1,500
(*2)1,500*37%=555

となります。この場合の「退職給付に係る調整額」はBS科目(その他の包括利
益累計額)です。なお、「繰延税金資産」は当然回収可能性の判断が必要です。

平成26年4月1日時点での新会計基準に従った退職給付債務が9,000であると
すると、

(退職給付債務及び勤務費用の計算方法の変更)
平成26年4月1日の仕訳は、
   退職給付に係る負債 1,000 / 利益剰余金 1,000
利益剰余金 370 / 繰延税金資産 370

となります。

それで、平成27年3月期の費用につき、


勤務費用  100
利息費用 40
 計          140

数理計算上の差異償却  100
過去勤務費用償却    50
会計基準変更時差異償却 100
 計          250
とします。

そうすると、

退職給付費用 140 / 退職給付に係る負債 140

退職給付費用250 / 退職給付に係る調整額 250
退職給付に係る調整額 92 / 法人税等調整額 92(*3)

(*3)250*37%≒92

となります。包括利益計算書科目は「退職給付に係る調整額」、貸借対照表
科目は「退職給付に係る調整累計額」ということになります。

ところで、未認識関係、ちょっと混乱しませんか?僕なりにもう一度振り返
ってみます。

(未認識部分のイメージ)
未認識部分についてオンバランスするのですが、オンバランス時は、

退職給付に係る調整額 / 退職給付に係る負債
繰延税金資産 / 退職給付に係る調整額

ということになり、

償却時は、

退職給付費用 / 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額 / 法人税等調整額

ということになります。

償却時の仕訳、注意してください。
オンバランス時にすでに「退職給付に係る負債」と「繰延税金資産」は計上
されていますよね。ですから、未認識項目の償却という処理は、包括利益
目からPL項目に振り替えるという意味であり、BS項目(資産負債)は動かない
んですよね。このため、償却時の仕訳には、「退職給付に係る負債」と「繰
延税金資産」がありませんよね。


**********************************************************************
(2)注記の規定の整備
退職給付会計基準等において、確定給付制度に基づく退職給付に関する注記に
ついて、退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表及び年金資産の期首残高
と期末残高の調整表等が求められるなど、注記事項の拡充が行われました。
**********************************************************************
ということです。

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===================================
2.[監査] あずさ、新日本業務改善命令
===================================
もうみなさんご承知かと思いますが、リンクつけておきます。

あずさ監査法人業務改善命令
http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20120706-6.html

あずさ監査法人リリース
http://www.azsa.or.jp/news/news20120706.html

新日本有限責任監査法人業務改善命令
http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20120706-7.html

新日本有限責任監査法人リリース
http://www.shinnihon.or.jp/about-us/news-releases/2012/2012-07-06.html


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===================================
3.[IFRS] 新日本IFRS連結財務諸表記載例
===================================
こちら従来からご紹介しておけばよかったかもしれませんね。2011年版です。

http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-others/consolidated-financial-statements-2011.html

かなり有用なのではないでしょうか。

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4.[IFRS] 松下金融大臣記者会見時のコメント
===================================
「松下金融相は会見で、金融庁の次のアクションとして「適切に、(米国や欧
州に)後れを取ることがないように対応をしていきたい」と述べた。」とのこ
とですよ。

http://www.atmarkit.co.jp/news/201207/03/fsa.html

この()のなかはこれでいいのか、確認できませんでしたが。金融庁ホームペ
ージでの紹介では以下のように()はありません。

http://www.fsa.go.jp/common/conference/minister/2012b/20120703-1.html

基本的には前大臣の路線を踏襲しているとのことのようですが、どうなんでし
ょうか。まだよくわかりませんね。

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5.[最新J-GAAP]問題52
===================================
[問52]
資産除去債務の見積を変更しなければならない事象が発生しました。会計上ど
のように処理すればいいでしょうか?

a.プロスペクティブ・アプローチ
 →資産除去債務に係る負債及び関連する有形固定資産の帳簿価額に加減して、
 減価償却を通じて残存耐用年数にわたり費用配分を行う 
b.キャッチ・アップ・アプローチ
 →資産除去債務に係る負債及び有形固定資産の残高の調整を行い、その調整
 の効果を一時の損益とする
c.レトロスペクティブ・アプローチ
 →資産除去債務に係る負債及び有形固定資産の残高を過年度に遡及して修正
 する

[答]
a.→ http://clap.mag2.com/hesouwraga?a
b.→ http://clap.mag2.com/hesouwraga?b
c.→ http://clap.mag2.com/hesouwraga?c

[前回の解答]
前回の正答はcです。

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6.[編集後記]
===================================
アップルの全世界実効税率はなんと9.8%!

「Double Irish with Dutch sandwich」。

これがアップルのタックス・ストラテジーだそうです。2012年度のアップル
の所得は約3.6兆円にも及ぶそうで、このような巨額の所得をどう節税するの
か、これはCFOの腕のみせどころでしょうねえ。これにはいくつものからく
りがあります。カタチ的には、アイルランドに2つの法人をつくり、片方は
BVIに管理支配機能をおき、無形資産の権利をもたせ、もう片方に使用させま
すが、間にオランダの法人をかませる。こんな感じのようです。もちろんこれ
だけお伝えしても何もわからないとは思いますが、このようにして多額のキャ
ッシュを蓄積させ、タックス・ホリデーを待つ、ということのようです。面白
いですねえ。財務戦略。この場合は税務ですね。貴社ではどのような財務戦略
をお持ちですか?

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*発行人: エキスパーツリンク
 公認会計士税理士・公認内部監査人(CIA) 紺野良一
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