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令和3年-労基法問6-A「「出産」

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■□   2021.10.30
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└■ 本日のメニュー
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1 はじめに

2 合格基準

3 血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の
 認定基準(5)

4 過去問データベース

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└■ 1 はじめに
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昨日、令和3年度社会保険労務士試験の合格発表がありました。

令和3年度試験の
受験申込者数 50,433人(前年 49,250人、対前年 2.4%増)
受験者数    37,306人(前年 34,845人、対前年 7.1%増)
でした。
受験申込者数は、ここのところ減少が続いていましたが、11年ぶりに増加し、
5年ぶりに50,000人台となっています。
受験率は74.0%と前年の70.8%より上がっていますが、
例年の77%、78%に比べると低い状況です。
今年もやはり新型コロナウィルスの影響があったのでしょうか。

その中で合格された方は、 2,937人でした。
合格された方、おめでとうございます。

で、合格率は、7.9%(前年 6.4%)です。
昨年度の合格率に比べると高くなっていて、7%以上となったのは9年ぶりです。

合格基準などについては
「2 合格基準」のほうに記しています。

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└■ 2 合格基準
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令和3年度試験の合格基準は、

<選択式試験>
総得点24点以上 かつ 各科目3点以上 です。
ただし、「労務管理その他の労働に関する一般常識」は1点以上
国民年金法」は2点以上です。

<択一式試験>
総得点45点以上 かつ 各科目4点以上 です。

選択式の基準点、
労務管理その他の労働に関する一般常識」で科目別の基準点が1点に
引き下げられるなど厳しい空欄があったことなどから、
トータルで見た場合、
平均点が0.9点下がり、これにより、基準点が1点引き下げられました。

科目別の基準点は、
労務管理その他労働に関する一般常識」は、平均点が1.5点とかなり低く、
3点にとどかなかった受験者の割合は82.7%でした。
さらに、50.7%の受験者が1点以下でした。
そのため、当然、基準点の引下げの基準を満たし、引き下げられました。
国民年金法」は3点に満たない受験者の割合が56.2%と5割を超えていました。
このほか、「雇用保険法」、「社会保険に関する一般常識」「厚生年金保険法」も
3点に満たない受験者の割合が多かったですが、40%台で5割以下だったので、
基準点の引下げが行われませんでした。

択一式の基準点については、
平成23年度から25年度まで3年連続の46点、平成26年度と平成27年度は45点、
平成28年度は42点、平成29年度と平成30年度は45点、令和元年度は43点、
令和2年度は44点と、ここのところ、おおむね45点前後で推移していましたが、
令和3年度もこの範囲で45点でした。
令和2年度との比較では1点高くなっています。
ただ、令和2年度は全員正解の問題が1問あったので、実質的には2点上がったと
言えなくもないです。

問題の内容や基準点との関係で合格率を見ると、
ここ5、6年は、合格基準点が高いわけではないにもかかわらず、
合格率が低いという感じでしたが、令和3年度は、バランスがとれているように
思われます。

そうは言っても、残念な結果となってしまった方が大半であるといいう事実があります。
このような方の多くは、基本がしっかりとできていないことにより、
正解すべきレベルの問題で正解することができなかったからではないでしょうか。
また、基本がしっかりできていないので、応用的な問題に対応することができ
ないというところもあるのではないでしょうか。

ですので、令和3年度試験では、残念な結果になった方、
来年度試験の合格を目指すのであれば、
まず、当然、基本を確固たるものとして、「正確な知識」を身に付けて、
得点できる問題を確実に得点できるようにしていきましょう。
それに加えて、ここのところは、事例などの応用問題がかなり出ているので、
そのような問題に対応することができる応用力を養うようにしましょう。

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└■ 3 血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患
    等の認定基準(5)
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2 長期間の過重業務
(1)疲労の蓄積の考え方
 恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合には、「疲労
の蓄積」が生じ、これが血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させ、
その結果、脳・心臓疾患を発症させることがある。
このことから、発症との関連性において、業務の過重性を評価するに当たっ
ては、発症前の一定期間の就労実態等を考察し、発症時における疲労の蓄積が
どの程度であったかという観点から判断することとする。

(2)特に過重な業務
 特に過重な業務とは、日常業務に比較して特に過重な身体的、精神的負荷を
生じさせたと客観的に認められる業務をいうものであり、日常業務に就労する
上で受ける負荷の影響は、血管病変等の自然経過の範囲にとどまるものである。
ここでいう日常業務とは、通常の所定労働時間内の所定業務内容をいう。

(3)評価期間
 発症前の長期間とは、発症前おおむね6か月間をいう。
なお、発症前おおむね6か月より前の業務については、疲労の蓄積に係る業
務の過重性を評価するに当たり、付加的要因として考慮すること。

(4)過重負荷の有無の判断
ア 著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか
 否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同種労働者にと
 っても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められる業務であるか否かとい
 う観点から、客観的かつ総合的に判断すること。
 ここでいう同種労働者とは、当該労働者と職種、職場における立場や職責、
 年齢、経験等が類似する者をいい、基礎疾患を有していたとしても日常業務
 を支障なく遂行できるものを含む。

──コメント──
(1)から(3)について変更はありません。
(4)に関しては、過重負荷の有無の判断に当たって評価の基準となる労働者
ついて、明確化等の観点から、「同僚等」とあったのを「同種労働者」と表記を
改めるとともにその定義が一部修正されました。

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└■ 4 過去問データベース
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今回は、令和3年-労基法問6-A「「出産」の範囲」です。

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労働基準法第65条の「出産」の範囲は、妊娠4か月以上の分娩をいうが、1か月
は28日として計算するので、4か月以上というのは、85日以上ということになる。

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「「出産」の範囲」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H25-4-イ 】
使用者は、妊娠100日目の女性が流産した場合については、労働基準法第65条
に規定する産後休業を与える必要はない。

【 H18─3-B 】
産前産後休業に関する労働基準法第65条でいう「出産」とは、妊娠4か月以上
(1か月は、28日として計算する。)の分娩(生産のみならず死産をも含む。)を
いうとされているところから、使用者は、妊娠100日目の女性が分娩した場合に
ついては、同条に規定する産後休業を与えなければならない。

☆☆======================================================☆☆

「「出産」の範囲」に関する問題です。

労働基準法第65条」というのは、「産前産後」の規定で、第1項において
使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定
の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない」
と規定しています。
ここに掲げた問題は、この規定の「出産」の範囲を論点としています。

この規定は、女性労働者の母性保護上重要な産前産後の休業期間を定めたもので、
産前についていえば、医学的にみると妊娠末期には胎児の成長が著しく、そのため
母体の負担が大きく、また後期妊娠中毒症のような疾病を起こしやすく、早産の
危険性も高くなるため、出産前の一定期間は休養をとる必要があることから設け
られたものです。

このような趣旨から、産前産後休業の対象となる出産とは、妊娠4か月以上の出産
をいい、ここでいう「1か月」は、「28日」として計算するので、日数でいうと、
「85日(28日×3+1日)」以上の出産ということです。

ですので、【 R3-6-A 】は正しいです。

【 H25-4-イ 】と【 H18─3-B 】は、
具体的に「100日目」とした出題ですが、これは85日以上なので、産後休業を与え
なければなりません。
したがって、【 H25-4-イ 】は誤りで、【 H18─3-B 】は正しいです。

ちなみに、健康保険法に規定する「出産」も同様に、妊娠4か月(85日)以上の
出産をいうので、併せて押さえておきましょう。

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              加藤 光大
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