定額
残業代という制度は、あらかじめ一定時間・一定額の
残業代(
割増賃金)を支払う
賃金のことを言いますが、現在、説明不要なほど普及しました。
固定残業代などと呼ばれることもあります。
これだけ普及した制度ですが、「定額
残業代の導入のため、
賃金規程を整備したい」というご相談を今でもよく受けます。
そこで、ご相談企業の
賃金規程を拝見すると、既に定額
残業代の条文が存在しているケースがあります。つまり、
賃金規程の上では既に導入済みとなっていて、規程自体は変更する必要がないのです。
しかし、なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?様々なケースをみてまいりましたが、代表的なケースの1つを挙げます。
それは、『今はまだ、定額
残業代を導入するつもりはないけど、将来、導入するかもしれないから条文だけ作成したが、その作成者の方が会社を辞めてしまったため、その意図を知る者がいなくなった』というケースです。
賃金規程の条文のタイトルが「定額
残業代」や「
固定残業代」となっていれば、誤解をする方はいないと思いますが、たいてい「業務手当」「営業手当」等の名称が使用されていて誤解の原因になっています。
この話を聴いた方の中には、「そもそも、将来、導入するかもしれない手当(今、導入するつもりのない制度)を
賃金規程に記載しておくことなど許されるのか?」と疑問に思う方が多いようです。しかし、それ自体は問題ありません。
もちろん、規定の仕方を間違えたら問題ですが、「会社は月○時間を限度として、あらかじめ時間外
割増賃金を支払うことができる」という形で規定しておけば問題にはなりません。実際、
フレックスタイム制などではよくある規定の仕方です。
就業規則(
賃金規程)は法律用語を使っていたりして表現が難しいので、規定を作成した方の意図が伝わらないことは起きがちです。そこで、引継ぎなどをきちんと行って、後任者が内容を把握しておくことが必要になります。
賃金規程は社員の皆さんの大切な
労働条件です。
ただ、担当者が退社した場合、このような細かいところまで口頭で引継ぎをするのは現実的ではないので、運用マニュアルや解説書などを作成して
就業規則と一体化しておくことが有効です。
実際、私が
就業規則の依頼を受けた際には解説書をおつけしています。ワードにコメントを付けるパターンとエクセルにコメントを付けるパターンがありますが、前者は文字数の限界がありますのでエクセルがお勧めです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
執筆者
フェスティナレンテ
社会保険労務士事務所
代表・特定
社会保険労務士 小嶋裕司
執筆者プロフィール
業務の99%超を
就業規則関連で占める
就業規則特化の専門家。その中でも、特に、
残業代の問題に特に精通している。業務の依頼を受けた際に、
賃金を含めた人件費の問題の相談を受けないことはほぼない。定額
残業代、
みなし残業代、未払い
残業代(対策)、残業の削減等、あらゆる相談事例を経験している。エムアンドエー前の
残業代の問題など専門性の高い業務の経験もある。残業・
残業代の問題に関しては、他社にコラム・専門記事を寄稿・
採用された多くの実績がある。
■執筆・メディア掲載実績
https://www.festinalentesroffice.com/media
■事務所ホームページ
https://www.festinalentesroffice.com/
定額残業代という制度は、あらかじめ一定時間・一定額の残業代(割増賃金)を支払う賃金のことを言いますが、現在、説明不要なほど普及しました。固定残業代などと呼ばれることもあります。
これだけ普及した制度ですが、「定額残業代の導入のため、賃金規程を整備したい」というご相談を今でもよく受けます。
そこで、ご相談企業の賃金規程を拝見すると、既に定額残業代の条文が存在しているケースがあります。つまり、賃金規程の上では既に導入済みとなっていて、規程自体は変更する必要がないのです。
しかし、なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?様々なケースをみてまいりましたが、代表的なケースの1つを挙げます。
それは、『今はまだ、定額残業代を導入するつもりはないけど、将来、導入するかもしれないから条文だけ作成したが、その作成者の方が会社を辞めてしまったため、その意図を知る者がいなくなった』というケースです。
賃金規程の条文のタイトルが「定額残業代」や「固定残業代」となっていれば、誤解をする方はいないと思いますが、たいてい「業務手当」「営業手当」等の名称が使用されていて誤解の原因になっています。
この話を聴いた方の中には、「そもそも、将来、導入するかもしれない手当(今、導入するつもりのない制度)を賃金規程に記載しておくことなど許されるのか?」と疑問に思う方が多いようです。しかし、それ自体は問題ありません。
もちろん、規定の仕方を間違えたら問題ですが、「会社は月○時間を限度として、あらかじめ時間外割増賃金を支払うことができる」という形で規定しておけば問題にはなりません。実際、フレックスタイム制などではよくある規定の仕方です。
就業規則(賃金規程)は法律用語を使っていたりして表現が難しいので、規定を作成した方の意図が伝わらないことは起きがちです。そこで、引継ぎなどをきちんと行って、後任者が内容を把握しておくことが必要になります。賃金規程は社員の皆さんの大切な労働条件です。
ただ、担当者が退社した場合、このような細かいところまで口頭で引継ぎをするのは現実的ではないので、運用マニュアルや解説書などを作成して就業規則と一体化しておくことが有効です。
実際、私が就業規則の依頼を受けた際には解説書をおつけしています。ワードにコメントを付けるパターンとエクセルにコメントを付けるパターンがありますが、前者は文字数の限界がありますのでエクセルがお勧めです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
執筆者
フェスティナレンテ社会保険労務士事務所
代表・特定社会保険労務士 小嶋裕司
執筆者プロフィール
業務の99%超を就業規則関連で占める就業規則特化の専門家。その中でも、特に、残業代の問題に特に精通している。業務の依頼を受けた際に、賃金を含めた人件費の問題の相談を受けないことはほぼない。定額残業代、みなし残業代、未払い残業代(対策)、残業の削減等、あらゆる相談事例を経験している。エムアンドエー前の残業代の問題など専門性の高い業務の経験もある。残業・残業代の問題に関しては、他社にコラム・専門記事を寄稿・採用された多くの実績がある。
■執筆・メディア掲載実績
https://www.festinalentesroffice.com/media
■事務所ホームページ
https://www.festinalentesroffice.com/