• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

“会社法”等のポイント(75)

**********************************************************************
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第131号/2008/9/1>■
 1.はじめに
    ~「平成20年度版・ラストスパート行政書士直前予想問題集」のご案内
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(75)」
 3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(58)」
 4.編集後記
**********************************************************************
**********************************************************************
 1.はじめに
**********************************************************************
 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 4年に一度のスポーツの祭典・オリンピックも、あっという間に閉幕しました。
様々な苦難を乗り越え、見事に期待に応えた選手の皆さんは、賞賛に値しますが、
特に印象的だったのは、競技後のインタビューの中で、
一様に、「自らを支え、応援してくれた人への感謝」を口にしていたこと・・・。
ひと頃、「自分さえ楽しめれば・・・」と言い放つ選手が多く、
何となく違和感を感じていただけに、とてもホッとしました。
スポーツに限らず、仕事においても、自分一人で完結することは少なく、
周りの方々のサポートがあってこそ成り立つものですからね・・・。

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

★「平成20年度行政書士試験」受験申込みの締切りが、
 目前に迫っています(インターネット:9/2(火)まで、郵送:9/5(金)まで)。
 お申込みがお済みでない方は、どうぞお早めに!!
 また、2008/11/9(日)の本番に向けての総仕上げには、
 私も執筆に参加した、
 「平成20年度版・ラストスパート行政書士直前予想問題集(TAC出版)」
 が最適ですので、どうぞご活用ください!!
 本試験型の模擬試験全3回から構成された同問題集は、
 重要論点を網羅し、解説も充実しています。
※1)平成20年度行政書士試験の概要等
   http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_246a_1.html
※2)平成20年度版・ラストスパート行政書士直前予想問題集のご購入は、
   こちらが便利ですので、どうぞご利用ください。
   http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/20_ad8d.html

**********************************************************************
 2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(75)」
**********************************************************************
★本稿では、「平成20年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第1回は、「募集設立」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

■募集設立に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 なお、問題文に明記されている場合を除き、
 定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする(午前―第28問)。
1.募集設立における設立時取締役は、
  その選任後、会社の設立の手続を調査した結果、
  その手続が法令または定款に違反していないものと認める場合であっても、
  その調査結果を創立総会に報告しなければならない。
 □正解: ○
 □解説
  本肢は、会社法第93条第1項・第2項の規定に沿った内容です。
2.募集設立における発起人は、
  会社の成立の時における現物出資財産等の価額が、
  定款に記載された価額に著しく不足する場合であっても、
  当該発起人が、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば、
  不足額を支払うことを免れる。
 □正解: ×
 □解説
  本肢のような場合であっても、発起人(および設立時取締役)は、
  当該不足額の支払いを免れることはできません(会社法第52条第1項・第2項、
  第103条第1項)。
  一方、発起設立における発起人(および設立時取締役)は、
  本肢と同様の場合には、
  当該不足額の支払義務を負わない(会社法第52条第1項・第2項第2号)
  という点に注意を要します。
3.募集設立における発起人は、創立総会終了後において、
  定款に発行可能株式総数の定めが設けられていない場合には、
  会社の成立の時までに、その全員の同意によって、
  定款を変更して、その定めを設けなければならない。
 □正解: ×
 □解説
  本肢のような場合、
  募集設立における発起人は、その全員の同意によって、
  定款を変更をすることはできず(会社法第37条第1項・第95条)、
  創立総会の決議によって、定款を変更して、
  発行可能株式総数の定めを設けなければなりません(同法第98条)。
4.募集設立により設立しようとする会社が、
  その発行する全部の株式の内容として、
  譲渡による当該株式の取得について当該会社の承認を要する旨の定款の定め
  を設ける定款の変更を行うには、
  設立時株主全員の同意を得なければならない。
 □正解: ×
 □解説
  本肢のような場合には、設立時株主全員の同意ではなく、
  創立総会の決議が必要となります(会社法第73条第2項)。
  なお、当該決議要件は、通常の決議(同法同条第1項)と異なり、
  「当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上
  であって、当該設立時株主議決権の3分の2以上に当たる多数」
  であることに、注意を要します。
5.募集設立における発起人のうち、
  出資の履行をしていない者がある場合において、
  当該発起人に対し、期日を定め、
  当該期日までに出資の履行をしなければならない旨の通知がされたときは、
  当該期日までに出資の履行をしなかった発起人は、株主となる権利を失う。
 □正解: ○
 □解説
  本肢は、会社法第34条第1項本文・第36条第1項~第3項の規定
  に沿った内容です。

★会社の設立方法には、
 本問の「募集設立」と「発起設立」の2種類がありますが、
 我々行政書士が関与する「会社設立」の場合は、
 その多くが、個人事業者法人成りや脱サラ開業などであるため、
 後者のケースである場合がほとんどのようです。
<ご参考になれば・・・>
 ☆発起設立の流れ
  http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_d2fa.html

★次号(2008/9/15発行予定の第132号)では、
 「株式会社の設立の登記」について、ご紹介する予定です。

**********************************************************************
 3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(58)」
**********************************************************************
★本稿では、「平成20年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 民法各編についての理解を深めていただいておりますが、
 第1回目は「自筆証書遺言の方式」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

自筆証書遺言の方式に関する次の記述のうち、
 判例の趣旨に照らし、誤っているものはどれか(午前―第23問)。
1.遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができないとされているが、
  2人の遺言が同じ紙に書かれていても、
  両者が全く独立の遺言で、切り離せば2通の遺言書になるような場合は、
  遺言は有効である。
 □正解: ○
 □解説
  本肢前段は、民法975条の規定(共同遺言の禁止)に沿った内容です。
  また、本肢後段は、判例(最判平成5年10月19日)の趣旨に沿った内容です。
2.自筆証書遺言には、日付が記載されていることが必要であるが、
  「長野オリンピック開会式当日」という記載がされている場合は、
  遺言は有効である。
 □正解: ○
 □解説
  自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付および氏名を自書し、
  これに印を押さなければなりません(民法第968条第1項)が、
  この場合の日付は、暦上の特定の日付が表示されていることが必要です。
  本肢のような記載は、
  当該日付(平成10年2月7日)を客観的に特定することができるため、
  その要件を満たしていると解されます。
<参考判例・※最判昭和54年5月31日>
  「○○年○○月吉日」と記載された遺言は、無効です。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=26493&hanreiKbn=01
3.自筆証書遺言の作成過程における加除その他の変更は、
  遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれを署名し、
  かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じないが、
  証書の記載自体からみて、明らかな誤記の訂正については、
  訂正の方式に違背が合っても、遺言は有効である。
 □正解: ○
 □解説
  本肢前段は、民法968条第2項の規定に沿った内容です。
  また、本肢後段は、判例(※最判昭和56年12月18日)の趣旨に沿った内容です。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=26327&hanreiKbn=01
4.自筆証書遺言には、押印することが必要であるから、
  いわゆる指印がされた場合には、遺言は無効である。
 □正解: ×
 □解説
  本肢前段は、民法第968条第1項の規定に沿った内容です。
  しかし、判例(※最判平成元年2月16日)は、
  「自筆証書遺言の押印は、いわゆる指印で足りる」としており、
  本肢後段のような場合であっても、遺言は有効です。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=25921&hanreiKbn=01
5.自筆証書遺言は、自書することが必要であるから、
  カーボン複写の方法によって遺言書が作成された場合は、遺言は無効である。
 □正解: ×
 □解説
  本肢前段は、民法第968条第1項の規定に沿った内容です。
  しかし、判例(最判平成5年10月19日)は、
  「カーボン複写の方法も、自書の方法として許されないものではない」
  としており、本肢後段のような場合であっても、遺言は有効です。

遺言には、いくつかの種類がありますが、一般的には、本問の「自筆証書遺言」、
 または、「公正証書遺言」が活用されています。
 両タイプには、それぞれ一長一短がありますが、
 いずれにせよ、ご自身の置かれた状況を十分把握した上で、
 慎重な取扱いをすることが、望まれます。
<ご参考になれば・・・>
 1.遺言書がある場合の相続手続の流れ
   http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_2906_1.html
 2.遺言書作成が、特に必要なケース
   http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_1eb6.html

★次号(2008/9/15発行予定の第132号)では、
 「遺留分」について、ご紹介する予定です。

**********************************************************************
 4.編集後記
**********************************************************************
★今日から、9月。宮崎でも、先月23日の処暑の前後から、猛暑もどうにか一段落。
 朝晩は、大分過ごしやすくなりましたが、日中は、まだまだ真夏日の日も多く、
 ハンドタオル&ミネラルウォーターの手放せない毎日です。
■第131号は、いかがでしたか?
 次号(第132号)は、2008/9/15発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □当事務所へのご連絡は、
  上記Webサイト・トップページのメールリンクをご利用ください。
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(http://www.mag2.com/)」を利用しており、
 購読の解除は、「http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。

絞り込み検索!

現在22,386コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP