━━☆━━━━━━━━━━━━━ 残業隠しと過少申告 ━━━━━━━━━━━━━━━
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┏┏ ◇ 厚生労働省の発表
┏┏ ◇
労働時間の決定
┏┏ ◇ 残業時間の過少申告
┏┏ ◇ もう一つの弊害の可能性
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労働基準法の一部を改正する法律が、平成22年4月1日より施行されることになりました。
この改正で特に注目を集めている超
60時間/月の
時間外労働に対する
割増賃金率の引上げは、
長時間労働抑制と、仕事と生活の調和の取れた社会の実現という狙いを実現するのに、果た
してふさわしいものとなるでしょうか。
また、法改正が効果を発揮するために必要な条件は何か。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
厚生労働省の発表
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
平成19年4月~平成20年3月までの1年間に全国の
労働基準監督署が
割増賃金の支払について労
働基準法違反として是正を指導した事案のうち、一企業あたり100万円以上の
割増賃金が支払
われた企業数は1728企業。前年度比49企業増、集計を開始した平成13年度以降最多。
是正金額は272億4261万円。前年度比45億円増。平成13年度以降最多。
対象
労働者は17万9543人でした。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
労働時間の決定
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
現在企業で、
労働時間を決定しているのは
使用者でしょうか、
労働者でしょうか。
純粋に
使用者のみであると言えるところもありますが、
労働者が決定しているところや、形式
的には
使用者であるが、実質的には
労働者であるところもあり、その逆もあります。
●決定者が
使用者の場合
決定者が
使用者であれば、長時間労働により
労働者の生産性が低下しやすいほど、
労働時間の
法が人数よりも割高になるという理論が成立します。
この理論が当てはまる場合には、来年施行の一部
改正労働基準法の割増率の引き上げが労働時
間を減少させ、改正法の目的が達せられることが期待できるでしょう。
しかしこれは、「
使用者が残業隠しをしない」という前提があってこそです。
●決定者が
労働者の場合
決定者が
労働者であれば、
割増賃金率の引き上げという方法は、長時間労働がつらいと感じて
いる
労働者にとっては、所得が増加するため長時間労働から逃れることができる効果的な方法
であるということになります。
しかし一方、
賃金を少しでも多く得ることを最優先と考える
労働者をさらなる長時間労働へと
向かわせることも懸念されます。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
残業時間の過少申告
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
労働者が
労働時間を決定しているとしても、
労働者が
使用者あるいは会社の経営状況を考え、
自発的に
時間外労働を過少申告する事例が日本の労働市場には見られます。
使用者は
経費削減のため、あらゆる努力を行っているところであり、人件費削減のためのリス
トラも盛んです。
仕事が能率的な者ほど
時間外労働は少ないはずである、と考える経営者の下では、
時間外労働
を正確に申告することが査定に響き、
賞与の減少や昇進の遅れに繋がると恐れる
労働者もいる
はずです。
これらの
労働者が
労働時間を過少申告する可能性が増大するのではないかという懸念を含みま
す。
このような中で改正の狙いを達成するためにはやはり、
時間外労働を正確に把握するよう、行
政の監督がなされることが不可欠です。
●
管理監督者へのしわよせ
同時に懸念されるのは、
割増賃金の支払の必要の無い労基法41条の管理職や、
裁量労働制の下
で働く
労働者にしわよせが行くことです。
管理職の過労死の事例が頻発していますが、非管理職の割増率の引上げが管理職にさらに過酷
な
時間外労働を強いるということになりはしないか。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
もう一つの弊害の可能性
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
改正法はしかし、中小企業の
割増賃金については施行から3年後に改めて検討されることが予
定されています。
現在わが国で1つの生産・販売プロセスに大企業と中小企業の
労働者が混在していることは多
くあります。
これらの
労働者が同じく
時間外労働を行っていても、月
60時間を超えた時点からは大企業の労
働者のみが5割の割増率となります。
「大企業の
割増賃金だけ引き上げると、傘下の下請け・中小の長時間労働を招くのではないか」
まさにこの問題です。
このような実態が明らかになった場合には当然見直しが検討されることとなるでしょう。
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┛┃┏━┳━┛ ̄ ̄ ̄ ┃ 社労・暁(あかつき) ┃
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┏┏ ◇ 厚生労働省の発表
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┏┏ ◇ 残業時間の過少申告
┏┏ ◇ もう一つの弊害の可能性
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労働基準法の一部を改正する法律が、平成22年4月1日より施行されることになりました。
この改正で特に注目を集めている超60時間/月の時間外労働に対する割増賃金率の引上げは、
長時間労働抑制と、仕事と生活の調和の取れた社会の実現という狙いを実現するのに、果た
してふさわしいものとなるでしょうか。
また、法改正が効果を発揮するために必要な条件は何か。
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厚生労働省の発表
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
平成19年4月~平成20年3月までの1年間に全国の労働基準監督署が割増賃金の支払について労
働基準法違反として是正を指導した事案のうち、一企業あたり100万円以上の割増賃金が支払
われた企業数は1728企業。前年度比49企業増、集計を開始した平成13年度以降最多。
是正金額は272億4261万円。前年度比45億円増。平成13年度以降最多。
対象労働者は17万9543人でした。
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労働時間の決定
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現在企業で、労働時間を決定しているのは使用者でしょうか、労働者でしょうか。
純粋に使用者のみであると言えるところもありますが、労働者が決定しているところや、形式
的には使用者であるが、実質的には労働者であるところもあり、その逆もあります。
●決定者が使用者の場合
決定者が使用者であれば、長時間労働により労働者の生産性が低下しやすいほど、労働時間の
法が人数よりも割高になるという理論が成立します。
この理論が当てはまる場合には、来年施行の一部改正労働基準法の割増率の引き上げが労働時
間を減少させ、改正法の目的が達せられることが期待できるでしょう。
しかしこれは、「使用者が残業隠しをしない」という前提があってこそです。
●決定者が労働者の場合
決定者が労働者であれば、割増賃金率の引き上げという方法は、長時間労働がつらいと感じて
いる労働者にとっては、所得が増加するため長時間労働から逃れることができる効果的な方法
であるということになります。
しかし一方、賃金を少しでも多く得ることを最優先と考える労働者をさらなる長時間労働へと
向かわせることも懸念されます。
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残業時間の過少申告
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
労働者が労働時間を決定しているとしても、労働者が使用者あるいは会社の経営状況を考え、
自発的に時間外労働を過少申告する事例が日本の労働市場には見られます。
使用者は経費削減のため、あらゆる努力を行っているところであり、人件費削減のためのリス
トラも盛んです。
仕事が能率的な者ほど時間外労働は少ないはずである、と考える経営者の下では、時間外労働
を正確に申告することが査定に響き、賞与の減少や昇進の遅れに繋がると恐れる労働者もいる
はずです。
これらの労働者が労働時間を過少申告する可能性が増大するのではないかという懸念を含みま
す。
このような中で改正の狙いを達成するためにはやはり、時間外労働を正確に把握するよう、行
政の監督がなされることが不可欠です。
●管理監督者へのしわよせ
同時に懸念されるのは、割増賃金の支払の必要の無い労基法41条の管理職や、裁量労働制の下
で働く労働者にしわよせが行くことです。
管理職の過労死の事例が頻発していますが、非管理職の割増率の引上げが管理職にさらに過酷
な時間外労働を強いるということになりはしないか。
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もう一つの弊害の可能性
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
改正法はしかし、中小企業の割増賃金については施行から3年後に改めて検討されることが予
定されています。
現在わが国で1つの生産・販売プロセスに大企業と中小企業の労働者が混在していることは多
くあります。
これらの労働者が同じく時間外労働を行っていても、月60時間を超えた時点からは大企業の労
働者のみが5割の割増率となります。
「大企業の割増賃金だけ引き上げると、傘下の下請け・中小の長時間労働を招くのではないか」
まさにこの問題です。
このような実態が明らかになった場合には当然見直しが検討されることとなるでしょう。
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