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解雇予告中の退職

◆事例:解雇予告中の退職

 成績の悪い従業員に30日前の解雇予告をしたところ、数日後に「自分から
辞めるので残りの期間の予告手当が欲しい」と言ってきました。退職は認めま
すが、予告手当を支払う必要があるのでしょうか。

◇回答----------------------------------------------------------------
 解雇予告中に本人からの申し出で退職を認めることは差し支えありません。
雇用関係はこの時点で終了しますので、残りの期間の予告手当を支払う必要は
ありません。

■解説----------------------------------------------------------------
 勤務成績が悪い等、一定の条件の下で、かつ就業規則に定めがあれば予告を
して解雇できることとされています。この場合の解雇予告は少なくとも30日
以上前にすることとなっていますが、30日前に予告しない場合は、これに対
応する予告手当を支払うこととなっています。

 解雇予告を行った場合であっても、その満了までの期間は労働関係が継続し
ているので、会社は通常の勤務を命ずることができます。その間、日給者等で
欠勤が発生した場合は賃金カットしても問題ありません。とは言うものの、実
際には労働者側で有給を行使して休んでしまう例が多いようですが。

 予告期間をおく理由は労働者の保護にあるので、会社が予告期間を一方的に
変更したり取り消すことはできません。しかし労働者から退職の申し出をする
ことは自由です。この場合、会社が即刻退職を認めれば、その時点で労働関係
は終了することとなります。

 従って設問の場合、退職を申し出て承認された時点で雇用関係が終了するこ
ととなり、それ以降の期間についてはなんらの権利義務はないこととなります。
当然、予告手当を支払う必要もありません。

 よく勘違いしやすいのが、予告期間と予告手当の関係です。例えば、10日
分の予告手当を払えば予告は20日前でいいことになっていますが、あくまで
も当初の予告時点での話です。会社がいったん30日前に予告した以上は、労
働者が合意しない限り、その内容を変更することはできません。逆に、労働者
から予告期間と予告手当の振替を要求することはできません。解雇予告は会社
側だけが行使できる権利だからです。

 意外と多いのが、予告期間中に他社へ就職してしまうケース。これは自己都
退職の申し出があったものとして取り扱って差し支えありません。(S25.9.21
基収2824号)
 なお、30日分の予告手当を支払って即時解雇した場合は、それ以降は予告
期間も労働関係も存在しないので、たとえ翌日から他社へ就職しても返還請求
はできません。


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