相談の広場
こんにちは。
4月から産休明けで働いている社員がいます。
こどもが1歳になる8月までは、1日30分×2回の育児時間を取得して働いていましたが、9月から短時間勤務を求めてきました。
弊社にそのような規定がなかったので断ると、厚生労働省のホームページを持ってきて法律で決まっているので取得させてほしいと主張してきました。
法律で決まっているならと社内の規程を整備し、10月から取得できるよう社内でも規程や細則の整備に取り組みました。
そう説明するとその社員は10月まで待つと回答しました。
ところが社内でもいろいろ忙しく、規程の整備が遅れ、先日やっと社内規程がまとまり、取得が11月からになると件の社員に伝えると、
「話が違う」「どうしても10月1日から取得させてほしい」
と言ってきました。
しかし社内規程がまとまったのが10月7日なので、10月1日にさかのぼっての取得はできません。
社員は第三者(労基署など)を間に入れて話をしたいと言っているようですが、社内規程が定まっていないのに短時間勤務を取得させることはほかの社員の手前もあり、「社内規程がなくても希望を出せば通る」などの考え方につながりそううです。
会社としては11月1日からとしたいのですが、やはり社員の主張通り10月から取得とするしかないのでしょうか?
ちなみに、まだ社内規程は社長の決裁をとってないので社内では無効です。
よろしくお願いします。
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御社の事業規模はいかほどでしょうか?
http://tanjikan.mhlw.go.jp/manual/doc/attention.pdf
御社の事業規模が、全社でパートも含む100人未満であれば、規定がそろうまで待ってもらい、それでも休む(遅早退)場合は、通常の遅早退と同様に処理すればよろしいでしょう。
しかし法改正のH22.6時点、上の事業規模があった場合、なくても到達した場合は、規定があった(規定を作らねばならなかった)はず(強制適用)ですから、遅延は理由になりません。
> しかし、社内規程にない制度を一部の社員に利用させることは問題にならないのでしょうか?
発想が逆です。強制法です。「うちの就業規則に年次有給休暇の規定がないから、年休を認めない」と、いっているようなものです。対応してこなかった責めは不作為の企業が負うのであって、従業員に不利益をこうむらせるのは筋違いです。
> (当該社員は8月の時点で短時間勤務を求めていました)
直接の規定はありませんが、休業申し出とリンクさせて、申請した日からどんなに遅くとも1か月後(翌月の応当日)から開始です。
> 労基署などに相談を持ち込まれたら、何か罰則があるのでしょうか?
> 是正を求められるだけでしょうか?
罰則はない※ですが、不利益禁止ですので、民事裁判で争えば全面的に負けです。減給もできません。8時間勤務に対し6時間勤務なら、不労時間に応じて6/8までです。賞与、昇給、退職金に至るまでです。
※今回の一件で、労働局から説明を求められた時、応答しなかったり虚偽の報告に対しては罰則があります。
最後に300人規模なら、次世代対応、障害者雇用等々、いろんな役所から次々に案内が舞い込んできたでしょうに、社内のコンプライアンス(法令を守ろう・企業の社会的存在に対する責務に応じること)、内部統制(法令をまもらせる体制)の見直しがいささか必要でしょう。
まず、国と事業主の間にある「公法上の義務」と、労働者と事業主にある「私法上の義務」は別個の話です。
この点、厚生労働省の通達「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について」(平成21年12月28日 職発第1228第4号、雇児発第1228第2号)でも下記のように書かれています。
「本項に関する労働者の権利は、事業主が所定労働時間の短縮措置を講じ、当該措置が労働契約の内容となってはじめて発生するものであり、本項から直接発生するものでないこと」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/dl/tp0701-1l.pdf
※上記PDFの紙に印刷されている頁だと97頁、ファイルそのもの頁だと104頁
よって、「労基署などに相談を持ち込まれたら、何か罰則があるのでしょうか?」というのは、(公法上の義務を遅れながらも果たそうと)会社として是正に向けた対応を採っている以上、労働局側から事情聴取の際に誠実に対応していればそれ以上のことは起こらないものと考えます。
早く社長の決裁を採り、規定の周知をはかることが肝要です。
また、労働者が利用できるのも「当該措置が労働契約の内容となっ」たときなので、会社として制度の施行させる日以降になるという理解でよいと考えます。
最後に、法律論を離れた意見です。
会社は人によって動くものなので、信頼関係を壊さないために何らかの配慮をしてもよいとは感じます。
今回は「10月から取得できるよう社内でも規程や細則の整備に取り組みました」と会社側が整備する期限をいっている点も気になります。
HTA-zero-quick さん、フォローありがとうございます。
> 「本項に関する労働者の権利は、事業主が所定労働時間の短縮措置を講じ、当該措置が労働契約の内容となってはじめて発生するものであり、本項から直接発生するものでないこと」
膨大な通達の中に、はっきり書かれているのですね。たしかに、他の休業諸元(手順)は手取り足取り定めてあるのに、この時短は何も書かれてないのに等しく、制度設計を事業主側にゆだねたわけですか。だからといって、義務化のH22.6.30に対応させなくてもいい言い訳につかわれては、弱者は浮かばれますまい。
不作為の責めは事業主が負うべきであるとのくだりは、私見として載せておきます。
元 監督署職員です。
短時間制度を導入していないそのものが
行政指導の対象となります。
管轄は労働局雇用均等室になりますが
助言に従わなければ、
都道府県労働局長名の文書による指導を受けることになります。
なお、100名以上の企業では、
次世代育成法による一般事業主行動計画の提出義務があります。
措置を講じていないことによる民事上の損害賠償請求も
理論上は可能ですので、軽く考えないほうがいいですよ。
※経歴等は作成しているブログで確認ください
http://acchandd.blog.bbiq.jp
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