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会社法のポイント(16)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第72号/2006/1/15>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(16)」
 4.編集後記
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 1.はじめに
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 皆様、こんにちは。行政書士の津留信康です。
 2006/1/4の日本経済新聞によると、
「法務省は、省内に設置する“民法改正委員会”において、
民法債権法の抜本的な見直しに着手し、2009年の改正法案提出を目指す」
とのことですが、今月20日に召集される第164回通常国会でも、
様々な重要法案が提出されるようですので、注目しておきたいですね。
 それでは、今回も、どうぞ最後までお付き合いください。

★本号に限らず、当メルマガに対するご意見・ご感想・ご要望等がございましたら、
 今後の誌面作りの参考とさせていただきますので、
 ブログ「徒然なるままに・・・」(※)に、コメントをお寄せください!!
  ※) http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/72115_b86b.html
★当事務所への「業務のご相談・ご依頼」は、
 事務所HP( http://www.n-tsuru.com )のメールリンクから、お願い致します。

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 2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(16)」
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★本号では、『会社法(全8編/全979条)―「第2編 株式会社」』から、
 「第1章 設立―募集設立」のポイントについて、ご紹介いたします。
 ■募集設立(第25条第1項第2号)
  □発起人が、設立時発行株式(※)を引き受けるほか、
   設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法です。
    ※=株式会社の設立に際して発行する株式
  □第1章(全9節)のうち、下記の規定が該当します。
    1.第2節 定款の作成(第26条~第31条)
    2.第3節 出資(第32条~第37条)
    3.第4節 設立時役員等の選任および解任(※第39条のみ)
    4.第6節 設立時代表取締役等の選定等(第47条~第48条)
    5.第7節 株式会社の成立(第49条~第51条)
    6.第8節 発起人等の責任(第52条~第56条)
    7.第9節 募集による設立(第57条~第103条)
     1)第1款 設立時発行株式を引き受ける者の募集
     2)第2款 創立総会等
     3)第3款 設立に関する事項の報告
     4)第4款 設立時取締役等の選任および解任
     5)第5款 設立時取締役等による調査
     6)第6款 定款の変更
     7)第7款 設立手続き等の特則等
  □「募集設立」の大まかな流れ(検査役の選任・調査が不要な場合)
   1.会社のアウトラインの検討
       ▼ 
   2.定款の作成・認証⇒公証役場
       ▼
   3.発起人による株式の引受と払込⇒金融機関
       ▼
   4.設立時発行株式引受人の募集・申込み・割当て・払込み
       ▼
   5.創立総会
       ▼
   6.設立時取締役等の調査・報告
       ▼
   7.設立登記⇒法務局
  ☆各ステップの詳細に関しては、
   「高千穂神話鉄道株式会社」の設立手続きの流れに沿って、
   ブログ「徒然なるままに・・・」(※1)の中で、随時ご紹介していきたいと思います。
    なお、同社は、昨年末、第3セクターとしての経営存続を断念した、
   「TR高千穂鉄道」(※2)の受け皿会社として、
   地元の経済団体が発起人(※3)となって、今年春の設立を目指しています。
    ※1) http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/post_2057.html
    ※2) http://www.t-railway.co.jp/
    ※3)走れトロッコ列車準備室
       http://www.takachiho-kanko.jp/cgi/imgboard.cgi

会社法関連情報
 ■法務省では、会社法において、類似商号規制が撤廃されたことを受け、
  従来、目的の記載において必要とされていた「具体性」の要件を不要とする旨
  の検討が進められています。
  それらに伴い、同省民事局(※)では、2006/1/5(木)~2/3(金)の間、
  商号登記申請時の「“会社の目的”の審査の在り方」に関して、
  パブリックコメントを募集しています。詳しくは、下記HPをご覧ください。
   ※) http://www.moj.go.jp/PUBLIC/MINJI65/pub_minji65.html

★「LLP(有限責任事業組合)」関連情報
 ■経済産業省HPより
  □4.First 100 LLPs ~最初の100件のLLP~(※)
    2006/8/1のLLP法施行~9/末までに設立された、
   100件のLLPに関して、登記情報を元にした分析が行われています。
    ※) http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/llp_seido.html
  □5.LLPに対する金融支援策(※)
    政府系金融機関(国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、
   商工組合中央金庫、日本政策投資銀行)による、
   「LLPに対する金融支援策」の概要が。紹介されています。
    ※) http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/llp_shien.html

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 3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法の基礎”(特別編2)」
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★本号では、第74号(2006/2/15発行予定)から連載する、
 「ビジネスに役立つ“民法の基礎”」の特別編として、
 「過去問で確認する“民法相続編)”」をお送りします。
 ☆スペースの関係上、行政書士宅地建物取引主任者の過去問の一部を、
  ○×式で抜粋してあります。両試験とも、比較的平易な出題が多いため、
  類題も含め、基本事項を確認してみてください。
 
 ■第1章~第3章「総則・相続人・相続の効力」(第882条~第914条)
  □宅H11(下記1~4)、類題:行H15・H11、宅H16・H13
   1.相続開始の時において相続人が数人あるとき、
     遺産としての不動産は、相続人全員の共有に属する。
      正解:○ 第898条参照
   2.遺産の分割について共同相続人間の協議が調わないとき、
     各共同相続人は、その分割を、
     相続開始地の地方裁判所に請求することができる。
      正解:× 家事事件の管轄は、家庭裁判所です(第907条第2項)。
   3.被相続人は、遺言で、遺産の分割方法を定めることができ、
     また、相続開始の時から5年を超えない範囲内で、
     遺産の分割を禁ずることもできる。
      正解:○ 第908条参照
   4.相続開始の時から3年以上経過した後に遺産の分割をしたときでも、
     その効力は、第三者の権利を害しない範囲で、
     相続開始の時に遡って生ずる。
      正解:○ 第909条参照  
 ■第4章「相続の承認及び放棄」(第915条~第940条)
  □宅H14(下記1~4)、類題:宅H10
   1.相続人が、自己のために相続の開始があったことを知った時から
     3ヶ月以内に、限定承認または放棄をしなかったときは、
     単純承認をしたものとみなされる。
      正解:○ 第915条第1項・第921条第2号参照
   2.相続人が数人あるときは、限定承認は、
     共同相続人の全員が共同してのみ、これをすることができる。
      正解:○ 第923条参照
   3.相続の放棄をする場合、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
      正解:○ 第938条参照
   4.被相続人の子が、相続開始後に相続放棄をした場合、
     その者の子が、これを代襲して相続人となる。
      正解:× 相続放棄をした者は、その相続に関して、
            初めから相続人とならなっかたものとみなされる(第939条)ため、
            その者の子は、
            代襲相続人(第887条第2項・第3項)にはなれません。
 ■第7章「遺言」(第960条~第1027条)
  □行H13(下記1・2)、宅H17(下記3~5)、類題:宅H12
   1.未成年者が遺言をするには、法定代理人の同意が必要である。
      正解:× 未成年者でも、15歳に達した者は、
            単独で、有効に遺言をすることができます(第961条)。
   2.夫婦が遺言をする場合、同一の証書ですることができる。
      正解:× 遺言は、2人以上の者が、
            同一の証書ですることはできません(第975条)。
   3.自筆証書による遺言をする場合、証人2人以上の立会いが必要である。
      正解:× 証人2人以上の立会いが必要なのは、
            公正証書遺言の場合であり(第969条第1号)、
            自筆証書遺言の場合には、不要です(第968条第1項)。
   4.自筆証書による遺言書を保管している者が、相続開始後、
     これを家庭裁判所に提出してその検認を経ることを怠り、
     そのままその遺言が執行された場合、その遺言書の効力は失われる。
      正解:× 遺言書の検認(第1004条第1項)を経なくても、
            遺言書の効力に影響はありません(T4、T7、S3判例等)。
   5.適法な遺言をした者が、その後更に適法な遺言をした場合、
     前の遺言のうち、後の遺言と抵触する部分は、
     後の遺言により撤回したものとみなされる。
      正解:○ 第1023条第1項
 ■第8章「遺留分」(第1028条~第1044条)
  □宅H17(下記1)、宅H9(下記2~4)、類題:行H17
   1.法定相続人が配偶者Aと子Bだけである場合、
     Aに全財産を相続させるとの適法な遺言がなされたときは、
     Bは遺留分権利者とはならない。
      正解:× 遺言自体は有効ですが、
            Bには、遺産の4分の1(2分の1×2分の1)の遺留分
            が認められます(第1028条第2号)。
   2.被相続人Aの配偶者BとAの弟Cのみが相続人であり、
     Aが他人Dに遺産全部を遺贈したとき、
     Bの遺留分は遺産の8分の3、Cの遺留分は遺産の8分の1である。
      正解:× 兄弟姉妹に遺留分はありません(第1028条本文)ので、
            Bのみ、遺産の8分の3(4分の3×2分の1)の遺留分
            が認められます(第900条第3号、第1028条第2号)。
   3.遺留分減殺請求は、訴えを提起しなくても、
     内容証明郵便による意思表示だけでもすることができる。
      正解:○ 遺留分減殺請求(第1031条)は、必ずしも、
            裁判上の請求による必要はありません(S41判例)。
   4.相続が開始して9年6ヶ月経過する日に、はじめて相続の開始
     遺留分を害する遺贈のあったことを知った遺留分権利者は、
     6ヶ月以内であれば、遺留分の減殺請求をすることができる。
      正解:○ 第1042条参照
 ☆第5章・第6章「財産分離・相続人の不存在」(第941条~第959条)は、
  省略します。

★次号(第73号/2/1発行予定)では、
 「過去問で確認する“民法(親族編)”」をお送りする予定です。

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 4.編集後記
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■第72号は、いかがでしたか?
  ところで、内閣官房行政改革推進事務局(※)では、
 「公益法人制度改革に関する法律案」を次期通常国会に提出すべく、
 具体的な検討が進められています。今月20日(金)まで、
 それらに伴う「パブリックコメントの募集」が行われていますので、
 詳しくは、下記HPをご覧ください。
  ※) http://www.gyoukaku.go.jp/pub/pub.html
■次号(第73号)の発行予定⇒2006/2/1
■編集責任者:行政書士 津留信康 http://www.n-tsuru.com
■発行システムは、「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用しています。
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