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【レジュメ編】 行政法(その14〔個人情報保護法〔2〕)

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     ★★★ 新・行政書士試験 一発合格! Vol. ’06-36 ★★★
           【レジュメ編】 行政法(その14〔個人情報保護法〔2〕)

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■■■ 個人情報保護法 ■■■
■■■ お願い ■■■
■■■ 編集後記 ■■■

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■■■ 個人情報保護法 ■■■
■■■ 第四章 個人情報取扱事業者の義務等
■■ 第一節 個人情報取扱事業者の義務

■ 勧告及び命令
第三十四条 主務大臣は、個人情報取扱事業者が第十六条から第十八条まで、第二十条
から第二十七条まで又は第三十条第二項の規定に違反した場合において個人の権利利益
を保護するため必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反
行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができ
る。
2 主務大臣は、前項の規定による勧告を受けた個人情報取扱事業者が正当な理由がな
くてその勧告に係る措置をとらなかった場合において個人の重大な権利利益の侵害が切
迫していると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、その勧告に係る措置をと
るべきことを命ずることができる。
3 主務大臣は、前二項の規定にかかわらず、個人情報取扱事業者が第十六条、第十七
条、第二十条から第二十二条まで又は第二十三条第一項の規定に違反した場合において
個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めると
きは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するため
に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

【1】1項
(1)ここで列挙された条文は、いずれも個人情報取扱事業者の義務を定めたものであ
   り、努力義務を定めた条文(19条、28条、31条)は対象になっていない。
   なお、15条が定める義務は、利用目的を内部的に特定したり変更したりする内
   部的行為であり、この点で問題がある場合にも16条の利用目的による制限に関
   する勧告の中で対応することが可能であるため、本条1項の勧告の対象とされて
   いない。
(2)勧告は行政指導であり、行政手続法4章の規定の適用を受ける(行政手続法35
   条参照)。

【2】2項
(1)本条1項の勧告が法的拘束力がないのに対して、2項の命令は法的拘束力を有す
   るので、「個人の重大な権利利益の侵害が切迫していると認めるとき」というよ
   り厳格な要件が必要となる。
(2)勧告を命令に前置させる原則をとっているので、命令の対象となる措置は「その
   勧告に係る措置」であり、勧告で全く触れられていない措置を命ずることはでき
   ず、勧告で命じられた措置をより強化するような内容の命令も許されない。

【3】3項
(1)利用目的により制限(17条)、安全管理(20条)、従業者の監督(21
   条)、委託先の監督(22条)、第三者提供の制限(23条1項)の規定に違反し
   た場合に限っては、勧告前置主義の例外を認めている。この場合には、「個人の
   重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めると
   き」という更に厳格な要件が課されている。

■ 主務大臣の権限の行使の制限
第三十五条 主務大臣は、前三条の規定により個人情報取扱事業者に対し報告の徴収、
助言、勧告又は命令を行うに当たっては、表現の自由、学問の自由、信教の自由及び政
治活動の自由を妨げてはならない(例えば、宗教団体ではなく、個人情報取扱事業者
該当する個人が行う宗教活動に対する信教の自由の担保)。
2 前項の規定の趣旨に照らし、主務大臣は、個人情報取扱事業者が第五十条第一項各
号に掲げる者(それぞれ当該各号に定める目的で個人情報を取り扱う場合に限る。)に
対して個人情報を提供する行為については、その権限を行使しないものとする。

(1)本法50条1項の規定の適用除外となる各主体以外の者が行う活動であって、
   「表現の自由、学問の自由、信教の自由及び政治活動の自由」と関わるものにつ
   いて、それを阻害しないようにする必要がある旨を規定している。
(2)2項:主務大臣の関与による表現の自由等に対する萎縮効果への懸念を払拭する
   ために設けられたものであり、個人情報取扱事業者としての義務等に係る規定自
   体の適用を除外しているわけではない。

■ 主務大臣
第三十六条 この節の規定における主務大臣は、次のとおりとする。ただし、内閣総理
大臣は、この節の規定の円滑な実施のため必要があると認める場合は、個人情報取扱事
業者が行う個人情報の取扱いのうち特定のものについて、特定の大臣又は国家公安委員
会(以下「大臣等」という。)を主務大臣に指定することができる。
一 個人情報取扱事業者が行う個人情報の取扱いのうち雇用管理に関するものについて
は、厚生労働大臣(船員の雇用管理に関するものについては、国土交通大臣)及び当該
個人情報取扱事業者が行う事業を所管する大臣等
二 個人情報取扱事業者が行う個人情報の取扱いのうち前号に掲げるもの以外のものに
ついては、当該個人情報取扱事業者が行う事業を所管する大臣等
2 内閣総理大臣は、前項ただし書の規定により主務大臣を指定したときは、その旨を
公示しなければならない。
3 各主務大臣は、この節の規定の施行に当たっては、相互に緊密に連絡し、及び協力
しなければならない。

(1)1項但書:本条1項1号、2号により主務大臣が明らかな場合に、内閣総理大臣
   が主務大臣を指定する必要はなく、主務大臣が明らかでない場合であって、行政
   上の監督が必要であると認められる事態が発生した場合のみ、内閣総理大臣によ
   る主務大臣の指定が行われる。
(2)1項1号:雇用管理に関するものとは、従業者の採用賃金人事評価・健康診
   断等に関する個人情報である。
(3)原則として、事業所管大臣を主務大臣としている。具体的には、各府省庁の設置
   法に定められている所掌事務により、主任の大臣を判別することになる。    

■■ 第二節 民間団体による個人情報の保護の推進
■ 認定
第三十七条 個人情報取扱事業者個人情報の適正な取扱いの確保を目的として次に掲
げる業務を行おうとする法人法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを
含む。次条第三号ロにおいて同じ。)は、主務大臣の認定を受けることができる。
一 業務の対象となる個人情報取扱事業者(以下「対象事業者」という。)の個人情報
の取扱いに関する第四十二条の規定による苦情の処理
二 個人情報の適正な取扱いの確保に寄与する事項についての対象事業者に対する情報
の提供
三 前二号に掲げるもののほか、対象事業者個人情報の適正な取扱いの確保に関し必
要な業務
2 前項の認定を受けようとする者は、政令で定めるところにより、主務大臣に申請し
なければならない。
3 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、その旨を公示しなければならない。

(1)個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に
   努めなければならないが(31条)、個人情報取扱事業者が紛争の直接の当事者と
   なった場合には、解決が困難な場合も少なくないと考えられることから、民間の
   団体による自主的な苦情処理第三者的立場から行われることを期待して、認定個
   人情報保護団体制度が設けられた(1項)。
(2)申請:行政手続法2条3号の「申請」に該当する。そのため、主務大臣は審査基
   準を定め、これを公にしなければならない(5条)。また、標準処理期間を定め
   る努力義務を負い、これを定めたときは、公にしなければならない(6条)。そ
   して、拒否処分をする場合には、理由を提示しなければならない(8条1項)。

■■■ 第五章 雑則
■ 適用除外
第五十条 個人情報取扱事業者のうち次の各号に掲げる者については、その個人情報
取り扱う目的の全部又は一部がそれぞれ当該各号に規定する目的であるときは、前章の
規定は、適用しない。
一 放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む。)
 報道の用に供する目的
二 著述を業として行う者 著述の用に供する目的
三 大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者 学術
研究の用に供する目的
四 宗教団体 宗教活動(これに付随する活動を含む。)の用に供する目的
五 政治団体 政治活動(これに付随する活動を含む。)の用に供する目的
2 前項第一号に規定する「報道」とは、不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事
実として知らせること(これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。)をいう。
3 第一項各号に掲げる個人情報取扱事業者は、個人データの安全管理のために必要か
つ適切な措置、個人情報の取扱いに関する苦情の処理その他の個人情報の適正な取扱い
を確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めな
ければならない。

(1)「当該各号に規定する目的」以外の目的での使用:「第4章個人情報取扱事業者
   の義務等」の規定は適用される(例:新聞社の営むカルチャースクールに係る個
   人情報データベース)。
(2)報道を業としない個人が行う報道::「第4章個人情報取扱事業者の義務等」の
   規定は適用される。ただし、その個人が個人情報取扱事業者である場合、主務大
   臣は、監督権限の行使に当たって表現の自由を妨げてはならない(35条1項)。
(3)著述を業として行う者:個人で執筆活動を行う者も含まれる。表現方法は、書物
   に限られない。出版でも、データの羅列に過ぎないものは「著述の用に供する目
   的」に含まれない(例:地図)。
(4)大学:国公立の大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体は除かれる
   (2条3項1号~4号)。
(5)宗教団体、政治団体:団体なので、個人は対象外。ただし、個人が行う宗教活
   動、政治活動についても、主務大臣は、監督権限の行使に当たって信教の自由及
   び政治活動の自由を妨げてはならない(35条1項)。

■ 地方公共団体が処理する事務
第五十一条 この法律に規定する主務大臣の権限に属する事務は、政令で定めるところ
により、地方公共団体の長その他の執行機関が行うこととすることができる。

■ 施行の状況の公表
第五十三条 内閣総理大臣は、関係する行政機関(法律の規定に基づき内閣に置かれる
機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関、内閣府、宮内庁、内閣府
設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関並び
に国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関をい
う。次条において同じ。)の長に対し、この法律の施行の状況について報告を求めるこ
とができる。
2  内閣総理大臣は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、その概要を公表するものと
する。

★ 1年前のものになりますが、平成16年度行政機関個人情報保護法施行状況調査結果
  報告書については、つぎのURLをご覧ください。
 http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050603_6.html


■■■ お願い ■■■ 
継続して発刊するためには読者の皆様のご支援が何よりの活力になります。ご意見、ア
ドバイス、ご批判その他何でも結構です。内容、頻度、対象の追加や変更等について
も、どうぞ何なりと e-mail@ohta-shoshi.com までお寄せください。

質問は、このメールマガジンの趣旨の範囲内のものであれば、大歓迎です。ただし、多
少時間を要する場合があります。


■■■ 編集後記 ■■■
今回は個人情報保護法です。昨年4月に全面施行されてから、まだ1年余りが経過した
だけですから、比較的やさしい出題になりそうです。情報公開法等と同様に、絶対に満
点を期すべき科目です。これで行政法を終わり、次回から地方自治法の予定です(4回
程度を予定しています。)。

私の方は、6月下旬に始まった日本行政書士会連合会が開講した専修大学大学院におけ
る平成18年度司法研修「法律学応用特論―家事審判法・民法の親族・相続」が7月22日
に終了し、ホッと一息ついたところです。1コマ90分の講義が毎回3コマ(2時限から
4時限まで)、計5回ありましたので、結構体力的にも疲れました。最終日の3コマ目
(4時限)には筆記試験があり、これも結構大変でした。

いよいよ8月に入りました。読者の皆様にとって、暑い燃える夏であることを祈念して
います。


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 マガジンタイトル:新・行政書士試験 一発合格!
 発行者:行政書士 太田誠   東京都行政書士会所属(府中支部)
 発行者Web:http://www.ohta-shoshi.com
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