2010年5月31日号 (no. 604)
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本日のテーマ【「あらかじめ」という
境界線。】
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■あらかじめの有無で
振替休日と
代休が分かれる。
振替休日と
代休を分けるキモは、「事前に勤務日と
法定休日を入れ替えたかどうか」という点にあります。
休日出勤する前にあらかじめ勤務日と
法定休日を入れ替えると
振替休日として処理され、一方、
休日出勤した後に事後的に
休日を設けると
代休として処理される。
ここで、
休日出勤する前と後でキチンと処理を分けることが可能なのかどうかという点に疑問を抱く方がいらっしゃるかと思います。
人によっては、「事後的に
休日を設けるという点では
振替休日も
代休も同じなのだから、両者を厳密に分けることはできないんじゃないの?」と思うかもしれない。
確かに、そう思うのは尤もです。あらかじめ手続きを実施すれば
振替休日になり、事後的に手続きを実施すると
代休になるという点で両者は分けられているが、「あらかじめ」か、それとも「事後的か」をキチンと分けるのは簡単ではないだろうと思うのでしょうね。
そこで、「あらかじめ」とは、時間的にどれくらい「あらかじめ」であれば、「あらかじめ」と言えるのかが問題となります。
どれくらい時間的に前に処理すれば
振替休日として扱われ、どの時点から
代休として扱うのか。
■どの時点までがあらかじめなのか。
予めという言葉の意味を辞書で調べると、「物事の始まる前に、ある事をしておくさま。前もって」と定義されている。何かが始まる以前が「あらかじめ」であり、その時点以降は「あらかじめ」ではないということです。
では、
振替休日として
休日勤務を処理するときの「あらかじめ」という言葉の意味はどのように解釈すべきでしょうか。
休日勤務の1週間前に振り替える旨を伝えれば
振替休日として扱えるだろうか。おそらく、これは大丈夫そうですよね。1週間も前に勤務日と
法定休日を振り替えると伝えるのですから、これは
振替休日と考えて差支えはなさそうです。
では、3日前もしくは2日前に振り替える旨を伝えたらどうでしょうか。これもおそらく
振替休日と考えて大丈夫ではないでしょうか。
おそらく、問題になるのは、1日前から
休日勤務が始まるその時までの間です。
休日勤務が始まる24時間前以降に勤務日と
法定休日を振り替える旨を伝えたときに問題が起こるはず。
辞書の定義に素直に従えば、
休日勤務が始まるまでに振り替える旨を伝えれば「あらかじめ」と考えてよさそうです。ならば、17時間前でも12時間前でもOKだし、4時間前でも1時間前でもOKでしょう。さらには、それこそ直前の30分前とか5分前でもあらかじめ振り替える旨を伝えることも可能と言える。
上記の例は極端な例かもしれないが、「あらかじめ」という言葉の定義に基づけば、上記のような振替処理も可能なのですね。「実際に
休日勤務が始まるまでならば
振替休日にすることは可能なのだ」と言えてしまうわけです。
しかし、あまりにも直前に振替の連絡をされても困りますよね。例えば、日曜日の
休日勤務(日曜日が
法定休日として設定されていると仮定)が10時から始まるとして、9時30分頃に電話で「今日出勤してくれる?」と伝えればどうか。これは
振替休日か、それとも
代休でしょうか。
「
休日勤務日である日曜日に連絡しているので、もはや
代休として扱うべき」と判断するのか。それとも、「いや、10時から仕事が始まるのだから、9時30分に
休日振替の連絡すれば
振替休日として処理することが可能だ」と判断するのか。
どちらの判断も正解として成立することが可能ですので、どちらが確実に正しいとは言い切れません。
振替休日制度と
代休制度の最大の問題は、両者の区別が曖昧だという点にあります。
両者を「あらかじめ」という基準で分けているため、あらかじめという言葉の定義がキチンと定まっていないと、どのような場合に
振替休日として扱い、どのような場合に
代休として扱うのかが判断できなくなるのです。
意図的に曖昧さを残し、企業と社員間で裁量的に調整できる余地を残すのが
労務管理の良さなのかもしれませんが、場合によってはその利点が欠点に変わることもあるのですね。
振替と
代休をキチンと区別する方法を考えるならば、「振替手続きに期限を設ける」と良いと思います。
「
休日と勤務日を振り替える場合は、
休日勤務の3日前までに伝える」という類のルールを
就業規則で決めます。そうすれば、あらかじめという言葉の定義で物議を醸すこともなくなるでしょう。
振替処理に期限を設定しないと、いつでも振り替えていいのだと解釈されてしまうので、いつまでも振替と
代休の区別が曖昧なままになります。
代休と考えるべき時に
振替休日として処理している企業も実際にあると思う。
もちろん、振り替え手続きに期限を設けるのは義務ではないので、実際にルールを設けるかどうかは企業の任意で判断できます。
さらに踏み込んで考えれば、後日に
休日を取得できるならば、
振替休日に一本化するのが分かりやすいと思う。
振替と
代休を「あらかじめ」という基準で分ける意味はあるのか。また、後で
休日を取得できるならば、あえて似たような仕組みである
振替休日と
代休の2つを用意する必要はないのではないか。
割増手当の有無で両者が異なるのは分かりますが、振替と
代休を振替だけに一本化した方が運用は簡単でしょう。後日に
休日をキチンと取得できるならば、
休日割増も不要ではないかと思います。
代休と
休日割増手当をなくして、
休日と勤務日を入れ替えたときは全て
振替休日にするのが妥当ではないでしょうか。
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メールマガジン【本では読めない
労務管理の"ミソ"】のご紹介
内容の一例・・・
『定額
残業代で
残業代は減らせるのか』
『15分未満の
勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の
変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
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『日曜日=
法定休日と思い込んではいけない』
『
半日有給休暇と
半日欠勤の組み合わせはダメ?』
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賃金or贈り物?』
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本に書いていそうなんだけど、書いていない。
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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。
タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで
勤務時間を集計しないといけない。
しかも、給与の締め日から支給日までの短期間で集計作業をしないといけないので、
作業する人にとっては
勤務時間の集計は悩みのタネですよね。
そんな悩みをどうやって解決するか。
そこで、電子タイムカードの Clockperiod が登場です。
Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
打刻機を用意しなくても
勤務時間を記録できますし、給与計算のためにカードを
集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
書いてカードストッカーに入れることもなくなります。
始業や終業、
時間外勤務や
休日勤務の出勤時間を自動的に集計できれば勤怠集計
の作業は随分とラクになるはず。
Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
や
出勤簿で
勤務時間を管理している企業にオススメです。
さらに、タイムカードのコピーをメールで送信して社員ごとに保存することができ
ますので、個人別に毎月の勤務記録を取り置くことができます。
また、勤務記録の改ざんや不正な打刻を把握できるログ機能もあります。
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残業で悩んでいませんか?
「長時間の残業が続いている」
「
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」
こういう悩み、よくありますよね。
ニュースでも未払い
残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。
法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、
割増賃金が必要になります。
とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?
毎日8時間の時間制限があると、柔軟に
勤務時間を配分できませんよね。
例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は
勤務時間を短く、ある日は
勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。
「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。
『残業管理のアメと罠』
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本日のテーマ【「あらかじめ」という境界線。】
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■あらかじめの有無で振替休日と代休が分かれる。
振替休日と代休を分けるキモは、「事前に勤務日と法定休日を入れ替えたかどうか」という点にあります。
休日出勤する前にあらかじめ勤務日と法定休日を入れ替えると振替休日として処理され、一方、休日出勤した後に事後的に休日を設けると代休として処理される。
ここで、休日出勤する前と後でキチンと処理を分けることが可能なのかどうかという点に疑問を抱く方がいらっしゃるかと思います。
人によっては、「事後的に休日を設けるという点では振替休日も代休も同じなのだから、両者を厳密に分けることはできないんじゃないの?」と思うかもしれない。
確かに、そう思うのは尤もです。あらかじめ手続きを実施すれば振替休日になり、事後的に手続きを実施すると代休になるという点で両者は分けられているが、「あらかじめ」か、それとも「事後的か」をキチンと分けるのは簡単ではないだろうと思うのでしょうね。
そこで、「あらかじめ」とは、時間的にどれくらい「あらかじめ」であれば、「あらかじめ」と言えるのかが問題となります。
どれくらい時間的に前に処理すれば振替休日として扱われ、どの時点から代休として扱うのか。
■どの時点までがあらかじめなのか。
予めという言葉の意味を辞書で調べると、「物事の始まる前に、ある事をしておくさま。前もって」と定義されている。何かが始まる以前が「あらかじめ」であり、その時点以降は「あらかじめ」ではないということです。
では、振替休日として休日勤務を処理するときの「あらかじめ」という言葉の意味はどのように解釈すべきでしょうか。
休日勤務の1週間前に振り替える旨を伝えれば振替休日として扱えるだろうか。おそらく、これは大丈夫そうですよね。1週間も前に勤務日と法定休日を振り替えると伝えるのですから、これは振替休日と考えて差支えはなさそうです。
では、3日前もしくは2日前に振り替える旨を伝えたらどうでしょうか。これもおそらく振替休日と考えて大丈夫ではないでしょうか。
おそらく、問題になるのは、1日前から休日勤務が始まるその時までの間です。休日勤務が始まる24時間前以降に勤務日と法定休日を振り替える旨を伝えたときに問題が起こるはず。
辞書の定義に素直に従えば、休日勤務が始まるまでに振り替える旨を伝えれば「あらかじめ」と考えてよさそうです。ならば、17時間前でも12時間前でもOKだし、4時間前でも1時間前でもOKでしょう。さらには、それこそ直前の30分前とか5分前でもあらかじめ振り替える旨を伝えることも可能と言える。
上記の例は極端な例かもしれないが、「あらかじめ」という言葉の定義に基づけば、上記のような振替処理も可能なのですね。「実際に休日勤務が始まるまでならば振替休日にすることは可能なのだ」と言えてしまうわけです。
しかし、あまりにも直前に振替の連絡をされても困りますよね。例えば、日曜日の休日勤務(日曜日が法定休日として設定されていると仮定)が10時から始まるとして、9時30分頃に電話で「今日出勤してくれる?」と伝えればどうか。これは振替休日か、それとも代休でしょうか。
「休日勤務日である日曜日に連絡しているので、もはや代休として扱うべき」と判断するのか。それとも、「いや、10時から仕事が始まるのだから、9時30分に休日振替の連絡すれば振替休日として処理することが可能だ」と判断するのか。
どちらの判断も正解として成立することが可能ですので、どちらが確実に正しいとは言い切れません。
振替休日制度と代休制度の最大の問題は、両者の区別が曖昧だという点にあります。
両者を「あらかじめ」という基準で分けているため、あらかじめという言葉の定義がキチンと定まっていないと、どのような場合に振替休日として扱い、どのような場合に代休として扱うのかが判断できなくなるのです。
意図的に曖昧さを残し、企業と社員間で裁量的に調整できる余地を残すのが労務管理の良さなのかもしれませんが、場合によってはその利点が欠点に変わることもあるのですね。
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