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“会社法”等のポイント(33)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第89号/2006/10/1>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(33)」
 3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(16)」
 4.編集後記
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 1.はじめに
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 皆様、こんにちは。行政書士の津留信康です。

 いよいよ明日(10/2)から、
「法テラス(※日本司法支援センター)」の業務がスタートします。
「法的トラブル解決の総合案内役」として、
どのような舵取りをしていただけるのか、大いに期待したいですね。
 ※)IEN/index.html" target="_blank">http://www.moj.go.jp/SHIHOUSHIEN/index.html

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

★「平成18年度行政書士試験(※1)」まで、残り約40日です。
 11/12(日)実施予定の同試験のラストスパート(直前総まとめ)には、
 「2006年度版これでいける!行政書士Vol.4(※2)」をご活用ください!!
  ※1)財団法人行政書士試験研究センター
     http://gyosei-shiken.or.jp/
  ※2)TAC出版(CyberBookStore)
     http://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/1933/
     TAC出版・CBS以外にも、「アマゾン」でご購入できます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4813219330/249-0878941-4611568?v=glance&n=465392&s=books
     なお、私は、「行政法科目のすべて」の執筆を担当しています。
 ☆当事務所では、「行政書士の受験・業務」に関連する内容について、
  原稿執筆のご依頼を承っておりますので、
  専用アドレス(n-tsuru@mbr.nifty.com)にて、お気軽にご相談ください。
   なお、「当事務所の原稿執筆実績(2002/12~2006/7)」については、
  こちら(※)をご覧ください!!
   ※)http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_ccb6.html

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 2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(33)」
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★本号より、「平成18年度司法書士試験(2006/7/2)問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただきます。
 ※1)同試験では、午前の部で、「会社法等が8問(No.28~35)」、
   午後の部で、「商業登記法等が8問(No.28~35)」、出題されています。
 ※2)実際の問題は、すべて組み合わせ問題ですが、
   便宜上、単純な正誤問題に変更してありますので、ご了承ください。

株式会社の設立(午前の部・第32問/発起設立と募集設立の異同)>
株式会社の設立に関する次の1~5の記述のうち、
 「発起設立には当てはまるが、募集設立には当てはまらないもの」はどれか。
 1.すべての発起人は、それぞれ、
   設立時発行株式を、1株以上引き受けなければならない。
  □正解 ×(発起設立・募集設立のいずれにも当てはまる)
  □解説
   「会社法第25条第2項」の内容に沿った記述です。
 2.「会社が発行することができる株式の総数(発行可能株式総数)」
   を定款で定めていないときは、会社の設立の時までに、
   発起人全員の同意によって、定款を変更して、
   これを定めなければならない。
  □正解 ○(発起設立には当てはまるが、募集設立には当てはまらない)
  □解説
   発起設立において、
   定款で、「発行可能株式総数」を定めていない場合には、
   株式会社の設立の時までに、発起人全員の同意によって、定款を変更して、
   これを定めなければなりません(会社法第37条第1項)。
    一方、募集設立において、
   設立時発行株式を引き受ける者を募集する(同法第57条第1項)際に、
   定款で、「発行可能株式総数」を定めていない場合には、
   株式会社の設立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して、
   これを定めなければなりません(同法第98条)。
 3.「成立後の会社の資本および資本準備金の額に関する事項」について、
   定款で定めていないときは、発起人全員の同意によって、
   これを定めなければならない。
  □正解 ×(発起設立・募集設立のいずれにも当てはまる)
  □解説
   「会社法第32条第1項第3号」の内容に沿った記述です。
 4.設立時発行株式についての出資に係る金銭の払込みは、
   発起人が定めた銀行その他の払込みの取扱いの場所
   においてする必要はない。
  □正解 ×(発起設立・募集設立のいずれにも当てはまらない)
  □解説
   発起人による設立時発行株式についての出資に係る金銭の払込みは、
   発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、
   しなければならず(会社法第34条第2項)、これは、
   設立時募集株式の引受人の場合も、同様です(同法第63条第1項)。
 5.設立時取締役は、その調査により、現物出資財産について、
   定款に記載された価額が相当でないと認めたときは、
   発起人にその旨を通知しなければならない。
  □正解 ○(発起設立には当てはまるが、募集設立には当てはまらない)
  □解説
   発起設立における設立時取締役は、
   その選任後遅滞なく、設立に関する一定の事項を調査した上で、
   法令もしくは定款に違反し、または、不当な事項があると認めるときは、
   発起人に通知しなければなりません(会社法第46条第1項・第2項)。
    一方、募集設立における設立時取締役は、その調査結果を、
   創立総会に報告しなければなりません(同法第93条第1項・第2項)。

株式会社の設立(午後の部・第30問/設立登記申請書の添付書面)>
株式会社の設立の登記の申請書の添付書面に関する次の1~5の記述のうち、
 正しいものはどれか。
 1.会社が発起人となって株式会社を設立する場合には、
   「当該発起人である会社の定款」を添付することは要しない。
  □正解 ○
  □解説
   会社が発起人となっている株式会社の設立登記の申請がなされた場合、
   添付書類により、会社が他の会社の発起人となることが、
   明らかに会社の目的外であると認められない限り、当該申請は受理され、
   その際、「発起人である会社の定款」の添付は不要です(先例)。
 2.定款に、現物出資や財産引受けの記載があるか否かにかかわらず、
   「設立時取締役および設立時監査役の調査報告を記載した書面、
   ならびに、その附属書類」を添付しなければならない。
  □正解 ×
  □解説
   設問の書面の添付が必要な場合は、定款に、
   変態設立事項(現物出資や財産引受け等/会社法第28条)に関する規定
   があるときだけです(商業登記法第47条第2項第3号イ)。
 3.発起設立の場合には、「設立時取締役の選任につき、
   発起人の議決権の過半数の一致があったことを証する書面」
   を添付しなければならない。
  □正解 ○
  □解説
   設問の記述は、「会社法第38条第1項・第40条、商業登記法第47条第3項」
   の内容に沿ったものです。
    ただし、定款で設立時取締役を定めた場合(同法第38条第3項)には、
   その添付は不要です。
 4.現物出資の目的たる財産について、
   定款に記載された価額の総額が資本金の額の5分の1を超えない場合には、
   「検査役の調査報告を記載した書面およびその附属書類」
   を添付することは要しない。
  □正解 ×
  □解説
   定款に、現物出資(会社法第28条第1号)に関する定めがあるときには、
   「一定の場合(同法第33条第10項第1号~第3号)」を除き、
   検査役の調査を受けなければなりません(同法第33条第1項~第9項)が、
   設問の記述は、「一定の場合」には該当しませんので、
   「検査役の調査報告を記載した書面およびその附属書類」
   を添付することが必要です(商業登記法第47条第2項第3号イ)。
 5.創立総会において、商号に関する定款の定めを変更した場合には、
   当該変更について、
   「公証人による認証を受けた定款」を添付しなければならない。
  □正解 ×
  □解説
   公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、一定の場合を除き、
   変更することができません(会社法第30条第2項・第95条)。
    しかし、募集設立の場合には、第30条第2項の規定にかかわらず、
   創立総会の決議による定款の変更が可能であり(同法第96条)、
   その際、変更された定款につき、
   再度、公証人の認証を受ける必要はありません(先例)。

★「個人事業者法人成り」や「会社員の脱サラ・起業」等における会社設立は、
 「発起設立」による場合がほとんどですので、
 「発起設立」に関する会社法等の規定に、目を通しておきましょう。
 ☆発起設立手続きの流れ
  http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_f451.html
 ☆申請様式等(法務省Webサイト)
  1.会社法施行に伴う商業登記申請書様式等について
    http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI109/minji109.html
  2.商業・法人登記申請
    MERCE/11-1.html" target="_blank">http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/11-1.html

★次号(2006/10/15発行予定の第90号)は、「特例有限会社」に関する問題です。

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 3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(16)」
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★本号では、「民法(全5編/全1044条)」のうち、
 「第2編 物権―第9章 質権」の概要について、ご紹介します。

質権
<総則(第1節/第342条~第351条)>
 □質権とは、
  「債権者が、その債権担保として、債務者または第三者から受け取った物を、
  債務弁済があるまで占有して、債務弁済を間接的に強制すると共に、
  債務弁済が無い場合には、その物につき優先的に弁済を受けること
  を内容とする担保物権」のことです(第342条)。
   なお、質権の被担保債権の範囲については、第346条をご覧ください。
 □約定担保物権である質権は、法定担保物権である留置権先取特権と異なり、
  「当事者(債権者=質権者・債務者=質権設定者)間の質権設定契約
  によって成立し、目的物の引渡しにより、効力が生じます(第344条)。
   なお、質権設定者は、債務者以外の第三者(物上保証人)でも構いません。
 □質権者による「転質(第348条)」は可能ですが、
  「流質契約(第349条)」は、認められていません。
 □質権の目的物は譲り渡すことができなければならず(第343条)、
  その種類により、「動産質、不動産質、権利質」の3種類に分類できます。

<動産質(第2節/第352条~第355条)>
 □動産質の第三者対抗要件は、占有であり(第352条)、
  動産質権者が、質物の占有を奪われたときは、
  占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復できます(第353条)。

不動産質(第3節/第356条~第361条)>
 □不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、
  その使用および収益をすることができます(第356条)が、
  その存続期間は、10年を超えることはできません(第360条)。
 □不動産質権の第三者対抗要件は、登記です(第177条)。
 □不動産質権については、「第356条~第361条」の規定以外に、
  その性質に反しない限り、「抵当権」の規定が準用されます。

<権利質(第4節/第362条~第366条)>
 □権利質は、「財産権(債権、株式、特許権、著作権)」
  を目的とする質権です(第362条第1項)。
 □「債権であって、その譲渡に証書の交付を要するもの」
  を質権の目的とするときは、
  質権の設定は、その交付によって効力が生じます(第363条)。
 □指名債権と指図債権の場合では、
  第三者対抗要件(前者は第364条、後者は第3635条)が異なります。

★次号(2006/10/15発行予定の第90号)では、
 「民法第2編 物権―第10章 抵当権(第1節~第3節)」の概要について、
 ご紹介する予定です。

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 4.編集後記
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■「行政書士・津留信康の法務サポートblog」の最近の記事より
 □「NPO法人制度の見直し」に向けて
  http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/npo_a9a6.html
 □「改正・住民基本台帳法」が、2006/11/1に施行されます!!
  http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/2006111_59f3.html
■第89号は、いかがでしたか?
 次号(第90号)は、2006/10/15発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □行政書士・津留信康の法務サポートblog http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/
 □ご連絡専用アドレス n-tsuru@mbr.nifty.com
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