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コンピテンシーでコスト意識旺盛な社員作り!

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      シリーズ「コンピテンシーをレビューする!」

 <第357回>[(第15話)「コンピテンシーでコスト意識旺盛な社員作り!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「コンピテンシー
をレビューする!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介していきま
す。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいた
だきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.お金になる稼働時間は何パーセントか!
2.疑問力を養うために「疑うことから始めなさい」!
3.コスト意識旺盛な社員を作る!
【3】今日のまとめ

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高度成長時代から多くの製造業ではQCサークル活動と称して「小集団活動」が
盛んだった。バブルが崩壊して以降、製造業でもアルバイトやフリーターと言わ
れる人を多く採用するようになった。外国人労働者を多く採用している企業もあ
る。さらに近年は製造業でも派遣社員を受け入れることが可能となり、職場のチ
ームワークも併せて崩壊していった。

同じ職場でほとんど同じ仕事をしているにもかかわらず正規社員と非正規社員が
混在する状況になり、管理職もマネジメントしづらくなったことは否めない。正
規社員の雇用条件は一般にはよいわけだが、非正規社員の雇用条件は厳しい。例
えば有給休暇もなく賞与もなく、年収は正規社員の半分以下という例も多い。し
かも景気が悪くなれば真っ先にリストラされる運命にあるわけだ。

仮に職場単位、グループ単位で小集団活動を行おうとしても非正規社員は身が入
らない。QC手法や改善技法などの勉強会をして身に付けさせようとしてもいつ
まで働いてくれるのか分からない人たちだから教えるほうも教わるほうもモチベ
ーションがイマイチだ。

賃金の安い労働力を活用して目先のコストは確かに下がった。だが、競争に打ち
勝っていくためには日々の改善活動が欠かせない。にもかかわらず、非正規社員
に改善活動を求めるのは無理とまでは言わないが困難が付きまとう。

改善活動の重要さは製造業に限った話ではない。業界を問わず重要なテーマなの
だ。非正規社員を使って目先のコストを抑えるか、希望者全員を正規社員にして、
高いモチベーションで常に改善を促進しながら働いてもらい会社全体のパフォー
マンスを上げるかは、経営トップの決断次第なのである。

そこで今回は「コンピテンシーでコスト意識旺盛な社員作り!」と題して、「コ
スト意識旺盛で日々改善に取り組む」ための行動特性改革の方法について解説す
る。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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企業の成長も産業振興も付加価値を生み出すことでしか望めない。

                          御手洗冨士夫

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【2】メルマガ本論

[(第15話)コンピテンシーでコスト意識旺盛な社員作り!]

1.お金になる稼働時間は何パーセントか!

会社にいれば仕事をした。事務所にいれば仕事をしたと考えている人は結構多い。

例えば勤務時間9時間の会社を想定しよう。休憩時間が1時間として実働時間は
8時間だ。この実働時間8時間は稼働時間と不稼働時間に分けられる。だが、
「不稼動時間」という概念を持たない会社が多いのだ。会社にいれば仕事をした
と思っている会社だ。

私の定義では不稼働時間とは、もの探し、歩行、運搬、おしゃべり、トイレなど
だ。

稼働時間はさらにお金になる稼働時間とお金にならない稼働時間に分けられる。
私の定義ではお金にならない稼働時間とは選別、手直し、再加工、不良品の回収、
再納入、原因追求、対策実施、対策書作成、顧客へのお詫び行脚などに要する時
間だ。

こうしてみるとお金になる稼働時間は一体何パーセント確保できているか、それ
が問題だ。

「不稼動時間+お金にならない稼働時間」は付加価値を生んでいないことになる。

事務の仕事も営業・販売の仕事も付加価値を生んでいないところに目を付けて改
善の対象にしなければならないのは当然だ。


2.疑問力を養うために「疑うことから始めなさい」!

会社では日々問題が発生する。だが、上司に業務報告をするとき「特に問題ござ
いません」と報告する人は多い。すると上司は「ご苦労さん」と応じる。特に問
題がないということは、問題意識を持って物事を見ていない証拠だから、改善な
ど進むわけがない。つまり、何の「ご苦労」もしていない。にもかかわらず部下
に労をねぎらうかのように「ご苦労さん」はないのではないのか。

トヨタでは「なぜ」を五回繰り返せと教育している。「疑問力」なるコンピテン
シーを磨かせているわけだ。

日立では検査の行動指針の先頭に「疑うことから始めよ」とある。漫然と検査し
ていても不良は見つかるわけがない。不良は必ずあると疑って検査に当たれと戒
めている。もっとも日立が言う検査の仕事は単に不良を見つけるだけではなく、
設計のまずさ、仕様書やその他のドキュメントのまずさも不良の対象として扱う
から技術レベルも相当高くなければ務まらない。

「疑問力」なるコンピテンシーを磨けば、改善点が見えてくる。しかもどこをど
う改善すべきかと言う提案にまで 発展できる。


3.コスト意識旺盛な社員を作る!

仕事のできる人はコスト意識の高い人だ。稼働時間を高めるためにどうするかを
いつも考えている。もの探しをなくすにはどうすればいいかを考えて提案し、実
行に移す。歩行を少なくするにはどうすればいいかを考えて提案し、実行に移す。
運搬を少なくするにはどうすればいいかを考えて提案し、実行に移す。

お金にならない稼働時間をなくすにはどうすればいいかをいつも考えている。早
い話、不良を出さないことを考えればいい。

仕事のやり方を改善した上でマニュアルを改訂を申請する。設備や治工具を工夫
して提案する。もし不良が出てしまったら動機的原因を重視した原因を採り挙げ
て容赦のない対策を講じて再発を防ぐ。

「疑問力」なるコンピテンシーを高め、コスト意識を醸成し、会社全体のパフォ
ーマンスを向上させるためには人事のシステムにメスを入れることが重要になる。
例えば、数年前ロフトでは希望するパートを全員を正規社員にする英断を下した。
年間の人件費が数億円アップしたが余りある業績向上につながった。

ユニクロも同様の英断を下したところロフトと同様の成果を得たと報道された。

「鶏が先か、卵が先か」という議論に時間を浪費するのは得策ではないだろう。
東京電力の社員ほどの厚遇でなくていい。世間並み、つまり結婚できて暖かい家
庭が持てて、家族団らんのある生活。これが社員の「疑問力」なるコンピテンシ
ーを高め、コスト意識旺盛な社員を作ることにつながるのだ。

明日のわが身が風前の灯の中で、コストを下げろ、改善しろと言われても「正規
社員がやればいい」と冷ややかな反応しか返せないのではないか。



【3】今日のまとめ

1.自社の場合、各部署ごとに「お金になる稼働時間」は何パーセント確保でき
  ているのかを把握してみること

2.「疑問力」なるコンピテンシーを養うために「疑うことから始めなさい」
  を奨励すること。

3.雇用システムや賃金のシステムを改革することでコスト意識旺盛な社員を作
  ることにつながること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



【4】編集後記

仕事のできる人はコスト意識が優れている。常に考えながら仕事をしている。
「考えながら」とは常に疑問を抱きながら仕事をしているということだ。

何の疑問も感じず、ただ言われたことを言われた通りにしている人はロボットと
同じだ。このようなロボット人間にしてしまったのは会社であり、会社のシステ
ムなのである。

目先のコストに惑わされずに将来の経営の姿をシミュレーションして、モチベー
ションの高い社員を生み出してほしいと願う。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


次回に続く。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/

(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから http://www.ss-net.com

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