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年次有給休暇の事後請求は、いかなる時も認めるべきか?

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          労働法で 生き残る!!


       労働法令を軽視できる時代は過ぎ去りました。

   知る者こそが自分を守れる。もはやそんな時代に突入しています。

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       発行元 :  たなか社会保険労務士事務所


       特定社会保険労務士/キャリア・コンサルタント

       
       田中 雅也

       
       e-mail  info@syarousi-tanaka.com


       ご相談・お問い合わせは
       http://www.syarousi-tanaka.com/contact.html
       
       
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   Vol. 85  ≪ 目次 ≫


◎   年次有給休暇の事後請求は、いかなる時も認めるべきか?


◎   編集後記
   
    

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★  年次有給休暇の事後請求は、いかなる時も認めるべきか?


   お早うございます。兵庫県小野市の社労士たなか、です。  ^^
   
   
   今回のテーマは労基法第39条「年次有給休暇」についてです。
   
   
   
   労基法39条(年次有給休暇
   1) 使用者は、その雇い入れの日から起算して6カ月間継続勤務し
     全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分
     割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
     
     (…略…)
     
   5) 使用者は、前各項の規定による有給休暇労働者の請求する時
     季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休
     暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、
     他の時季にこれを与えることができる。
     
     (…略…)
     
     
   有給休暇は法定されている要件をクリアすれば、労働者に権利として
   付与されます。
   
   そして、それをいつ(時季指定)、どんな理由で使用するかは原則と
   して労働者の自由です。
   
   
   ---------------------------------------------------------------
   
   ◆ 補足
   
   ~※判例上、例外とされた事件として国鉄郡山工場事件(最判昭48.3.2)
     があります。
   『自己が就労する事業場におけるストライキ等の争議行為の為の年休
    利用は認められない』
    
   → この場合、当日は欠勤扱いとし、賃金も発生しないことになり
     ます。 
   
   ===============================================================   
   
   たとえば、何らかの検査の為病院に行くから、という事由で有給休暇
   を取得したものの、そんな検査など当初から予定はなく、当日恋人と
   デートしていたとします。
   
   そのデート現場を、たまたま会社関係者に見かけられてしまい、その
   嘘が発覚しても、当該日の有給休暇を取り消すことはできません。
   
   
   類似事項が判明した経営者の方が、以後有給休暇制度を廃止した、なん
   て声高に叫ばれるのを聞いたことがありますが、気持ちはわからなく
   もないですけど、明らかな違法行為ですので止めてくださいね。
   
   
   ^^;
   
   
   で、この時季指定権ですが、当日の始業時刻直前にあった場合(体調
   不良の場合、そうせざるを得ないってことってありますよね?)、や
   はりそれは時季指定になるのでしょうか?
   
   
   原則として、有給休暇は事前に申請し、暦日単位で付与することにな
   ります。この暦日とは0時~24時までのことです。
   
   
   ですから始業時刻が9時の場合に、8時50分頃に本人から
   「風邪をひいたので本日は休みたい。有給休暇として処理してほしい」
   との申し出があっても、これは「事後請求」なので、それを受諾する
   か否かは会社の判断で出来ます。
   
   
   参考裁判例
   
   東京貯金事務センター事件(東京地裁平5.3.4、東京高裁平6.3.24)
     
   「…年次有給休暇の事後請求と呼ばれる事があるが、右申し出に応じた
    処理をするか否かは、使用者の裁量に委ねられているものというべき
    であり、この申し出によって当然に休暇取得の法的効力を生ずるもの
    と解すべき法的根拠はない。」
    
    
   但し、「事前に書面にて請求できなかったことにやむを得ない事情があ
   り、当該事情がやんだ後に速やかに書面でされた時季指定に対しては、
   使用者はこれを有効なものとして取り扱うように配慮すべき」という裁
   判例も存在(東京中央郵便局事件:東京地裁 平5.1.27)しますし、病
   気欠勤等はやむを得ないものと判断して柔軟な対応を取る方が、労働者
   与えるのモティベーション等を考慮しても、会社にとってはプラスになる
   のではないか、と考えます。
  
   



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◇   編集後記


    福島県のゴルフ場が東京電力に対しセシウム等の除染を求めた
    裁判で、除染義務がないとする東電側の言い分の根拠。
    「放射性物質は無主物であるから除染義務などそもそもない」
    
    
    原告も新聞記事も批判してましたが、まったくその通りでしょう。
    
    無主物=所有者のないもの
    
    そもそも何故現在のような状況になっているのか?
    被告側が本当にわかり、少なくともわかろうとしている、とは言い
    難い。
    
    さらに、
    「元々無主物であり、しかも現在原告のゴルフ場に付着しているの
     ならば、それはもはや原告の土地の一部である」
    みたいな答弁は何なのさ?
    
    
    
    原発事故関連の番組を見ていてさらにさらに驚いたのは、土壌汚染対策法
    
    第2条
    この法律において「特定有害物質」とは、鉛、砒素、トリクロロエチ
    レンその他の物質(放射性物質を除く。)であって、それが土壌に含
    まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるもの
    として政令で定めるものをいう。

    
    どうです? 放射性物質は、同法上特定有害物質には含まれない
    そうです。
    
    水質汚濁防止法でも同じく放射性物質に関する規制はないとか…
    
    
    怖すぎだす。
    
    
    やはり自己防衛しかないようです。しかし、それには当然限度があり
    ます。
    
    真摯に述べさせてもらうなら、
    「情報を全て公開し、民の意思を問うべきではないか?」
    
    これが多くの国民の思いだと考えます。
    
    
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       田中 雅也
       
       
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