こんにちは。特定社会保険労務士の田中です。
就業規則の規定ひとつで、会社が損害を受けることもあります。
この「就業規則の勘所」では、良く見られる「就業規則の落とし穴」をご紹介します。
ぜひ、自社の就業規則をご確認ください。
【 トラブル発生! 】
従業員Xは、昼休みに会社のPCで業務に関係の無いネットサーフィンをしていたので、
上司Aが注意した所、「昼休みなのにいけないのですか?」と反論してきた。
上司Aは「業務に関係の無いサイトに接続していて悪質なウイルスに感染する可能性もあるからいけない。」とその理由を伝えた所、ネットサーフィンを止めた。
しかし、しばらくすると、ロッカーから自分の携帯電話を持ち出し、自席でネット閲覧を始めた。
従業員Xは、「昼休みに自分のケータイを使っているのだから問題ないですよね。」と、
上司Aに対して、不満げに主張した。
同社の就業規則は、執務スペースへの携帯電話・スマートフォンの持ち込みを禁止している。
上司Aは「携帯電話などを持ち込むのは、会社のデータをコピーする恐れもあるので禁止されている。」と再度、注意した所、Xは不機嫌そうな態度を示したものの、渋々従った。
【 ポイント 】
PCが仕事に欠かせなくなっている昨今では、仕事の振りをして、
会社のPCで業務に関係の無いネットサーフィンをする、私用メールを受発信する、
ブログの更新をする、ツイッター・フェイスブックに書き込みをする、FX取引をする、
等々の問題が発生しています。
これらの行為は、勤務時間中であれば、「職務専念義務」違反となります。
また、休憩時間中であっても、会社にはPCの施設管理権があるので、
会社が禁止していれば、従業員は私用では使えません。
また、これらの私用での利用は、企業機密や顧客個人情報の持ち出しなどの不正に
つながることもあり、対外的には大きな問題になってしまいます。
(機密漏洩については、次回にお伝えする予定です。)
【 アクション 】
就業規則に次の規定を明記しましょう。服務規律のうちの一つとして規定するか、
強調したいのであれば、独立した1条として規定して下さい。
同時に、何が機密情報であるかを明確にして、「機密」であることにふさわしい的確な
情報管理を行う必要もあります。
(書類であれば施錠したキャビネットに保管する、データであればパスワードを付けたり、アクセス制限するなど、限られた特定の社員しかアクセスできないようにする 等々)
・業務に関係無く、インターネットの利用をしない。
・私用での電話、電子メールの受発信をしない。
・携帯電話、スマートフォンなどの私用の情報端末を自席に持ち込まない。
・就業時間、休憩時間にかかわらず会社のPCを私用で使わない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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☆☆ 兵は猶火の如し ☆☆
便利な道具も使い方を間違えると、大きな問題を招きます。
また、問題は小さなうちに解決していきましょう。
貴社の就業規則のリスク診断をします!
http://www.tanakajimusho.biz/pc/contents19.html
社会保険労務士 田中事務所 田中理文
自らが、従業員を雇用する創業経営者だから出来るアドバイスをしています。
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☆☆☆☆☆ 『就業規則の勘所』 ☆☆☆☆☆
その1 『パートタイマーや契約社員用の就業規則も作りましょう』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-153786/
その2 『身元保証には期限が有ります。必要に応じて更新しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154137/
その3 『試用期間について、免除・短縮・延長の規定を検討しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154342/
その4 『柔軟な人員配置ができるように、配置転換を規定しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154622/
その5 『服務規律は、時流に合わせて、常に見直しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154902/
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