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休業手当の支払い義務

「お一人で住んでいる独居老人」(私もその一人です)が増えているそうですが、その内、年間所得
120万円未満の65歳以上の一人暮らしが3割を占め、ゆとりある老後とはとても言えないのが現状のようです。
最近は、恐ろしいコロナウィルス感染を防止するため、出来るだけ外出を避け、家に閉じこもることが
推奨されています。でも、コロナウィルス騒ぎのずっと前から多くの独居老人は、肉体的にも足腰の老化
によって歩行が辛くなって、家に閉じこもりがちになっていました。
そして、独居老人(特に男性)の多くは隣近所に知り合いや話し相手もなく社会参加をしないまま
閉じこもっている人が多いのです。これら高齢者に対しての生活支援は、国の重大な福祉施策上の課題と
なっていますが、現実は中々行き届いていないようです。
然し乍ら大昔のお年寄り、つまり食料・医療事情など現状からみると格段に貧弱で国の福祉厚生行政など
無いに等しかった時代のお年寄りは、果たしてどのように生活していたのでしょうか?
 子供の頃、「♪村の渡しの船頭さんは今年60のお爺さん,歳はとってもお舟を漕ぐときは・・・・」という
童謡を何の不思議もなく歌っていたことを思い出しますが、いざ自分が60歳になったときは“何で60歳が爺さんだ!
100歳を超えた人も珍しくないというのにふざけるな!俺なら櫓を漕ぐのは、ギッチラ・ギッチラじゃなくて
シャッシャカ・シャッシャカだ”と憤慨していましたが、残念ながらその後年月が経るにつれ、私も身の衰えを
自覚するようになってしまいました。今では、“ギッチラ・ギッチラでも、櫓を漕ぐのは無理かな”と思っています。
ところで日本の昔話には山里に二人きりで住んでいる「おじいさん・おばあさん」の話が沢山出てきますが、
その殆どが主役級の活躍をしています。
大昔に絵本で見た「桃太郎」の話に出てくるお爺さんとお婆さんは、どう見ても、今でいう後期高齢者で、
腰が曲がった骨粗鬆症やO脚の変形性膝関節症を患っているようなのですが、お爺さんは山に柴刈りに行き、
背負子に体半分ほどもある薪や柴を背負って山道を元気そうに(?)歩き、お婆さんは沢山の洗濯物を抱えて川に
洗濯に行きます。この老夫婦には、桃太郎の登場までは、養ってくれる子供が居たわけでもないようですし、
昔々ですから年金もありません。
だから、生活はきっと自分らで自給自足をしていたのでしょう。
その生活力には感心させられます。
「何時までもあると思うな親と金」という諺があります(?)が、益々高齢化が進む我が国では、やがて
「何時までもあると思うな年金・福祉」という事になるのかもしれません。
だから、これからの高齢者は、国の福祉に頼らず、(コマーシャルで効果抜群と言われている)健康食品を
取っているから栄養十分とは決して思わず、テレビで無駄な時間を過ごすこともなく、出来る限り、体を動かし
質素な生活をして、桃太郎時代の爺さん婆さんのように鬼退治にでも行こうかとの気概を持って生活して
行かなければならないのでしょうか!
でも、私はもうとっくに高齢者になってしまっているので、年金(と仕事)をたよりに、今のまま特に
節約もせず、コロナにも負けず、だらだらと無駄な時間を過ごしながら、生きられるだけ生きてやろうかと
思っています………。

前回の「身元保証書の留意点」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「休業手当の支払い義務」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「休業手当の支払い義務」
───────────────────────────────
緊急事態宣言の下での休業における休業手当の支払の要否について、厚労省の2020年4月10日更新
「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」の「問7」で、取り上げられています。
(Q):新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や要請・指示を受けて事業を
休止する場合、労働基準法休業手当の取扱はどうなるでしょうか。
(A):「労働基準法第26条では、使用者責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、
休業期間中の休業手当平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
不可抗力による休業の場合は、使用者休業手当の支払義務はありませんが、不可抗力による休業と
言えるためには、
(1)その原因が事業の外部より発生した事故であること。
(2)事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしても尚避けることができない事故であること。
という要素をいずれも満たす必要があります。(1)に該当するものとしては、今回の新型インフルエンザ等
対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や要請などのように、事業の外部において発生した、事業運営を
困難にする要因が挙げられます。(2)に該当するには、使用者として休業を回避するための具体的努力を
最大限尽くしていると言える必要があります。具体的な努力を尽くしたと言えるか否かは、例えば、
・自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分に検討
しているか
労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないか
といった事情から判断されます。従って、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や、
要請や指示を受けて事業を休止し、労働者を休業させる場合であっても、一律に労働基準法に基づく
休業手当の支払義務がなくなるものではありません」。

上記のように本件は非常に分かりにくい内容となっています。基本的な考え方は上記の(1)の外部性と
(2)の回避困難性から個別の状況を判断するということになります。今回の新型コロナウイルスによる
緊急事態宣言や自粛要請という状況を勘案すれば、(1)の外部性についてはほぼ満たされていると見ることが
できますが、(2)の回避困難性については、在宅勤務や配置転換など、休業を回避するための努力をどこまで
したのかが論点になると思われます。
現状、この休業手当の支払義務有り無しについては学者の間でも両論があり(やや支払義務無しとする意見
が多い)、今後ケースごとに裁判所が判断して行くことになろうかと思われます。
とはいえ、休業手当なしでの休業では従業員はその生活を維持することはできません。企業としては、
仮に休業手当の支払が不要という場合であったとしても、財務的に許される範囲での手当支給を行い、
雇用調整助成金の支給を受けて乗り越えるべきでしょう。
ここで従業員の大量離職が発生するとすれば、今後状況が好転したとしても事業の再開が危ぶまれるという
事態になることは避けられません。
短期的な視点、中長期的な視点から非常に難しい点もありますが、自社にベストの判断をすることが
求められるでしょう。

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