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【社員健康管理】「正論で会社は動いていない!」との指摘あり

こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業、電力会社、小売企業等で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。多くの企業様に労働衛生法、従業員の健康、会社の利益を守るお手伝いが出来ればと、新ブランド産業医EX(エキスパート)を立ち上げさせて頂きました。
https://www.sangyouiexpert.com/
 さらに、文末のように令和元日(5月1日)に、「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」を出版し、今まで高価であった産業医が持つ情報を、お手頃な価格にすることができました。
 今回は、「【社員健康管理】「正論で会社は動いていない!」との指摘あり」について作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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【社員健康管理】「正論で会社は動いていない!」との指摘あり
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 社会的新型コロナウイルス禍の影響で、働く人の健康管理に関して、仕事ができない担当者や事業者が見える化されてしまった結果、弊社においては、健康経営やテレワークに関する需要が急増しております。その一環で、弊社のコラムも多くの方にご覧頂いているところです。しかし、その内容について、「正論で世の中(会社)は動いていない!」と強い口調でご指摘を受けることが多々あり、整理する良いきっかけを頂けました。
 弊社が情報発信している内容については、「正論で世の中(会社)は動いていない」を前提として、科学的・法学的・客観的事実の整理の必要性に基づき作成しております。今回は、その理由等について事例をもとに解説していきます。

◎正論に関して、働く人の健康管理での事例
 産業医活動をする中で、科学的・法学的・客観的事実に基づき、業務を進めていると、とある人事部担当者から、正論で世の中(会社)は動いていないとの指摘を受けました。その際は、業務の進め方について理由を説明しましたが、その時は反論ないものの、その後に同様の指摘を受けるといったことが繰り返されました。
 しばらくして、複数回休職復職を繰り返していた休職者の復職準備が始まりましたが、その休職者は、次の様な対応でした。
・生活記録表等の書類作成はほとんど記載なし
・主治医から『復職可』の診断が出ているから、復職させて欲しいとの訴え
・元職場は嫌である。自分に合った仕事をさせて欲しいとの訴え
 ここで、先の人事部担当者が、書類作成もほとんどしていない状態で、復職させることはできない。さらに、疾病を抱えても、働くには一定の健康が必要であり、引き続き休職した方が良い旨を説明しました。
 すると、休職者からは、以前復職した時より、今は良い状態である。それなのに、今になってその様な正論を言うのはどういうことかとの訴えがありました。人事部担当者の方は、その訴えに対して返す答えを用意されていませんでした。
 その後は、私が引き受け、本人と企業が納得する形で納めましたが、日頃から正論で世の中(会社)は動かないと主張していた方が、自らが否定している正論を主張して負けるのを、繰り返し見てきました。

◎『人』対『人』なら正論で戦える
 人対人であれば、次の様々な方法で落としどころを定めることができます。
・法律通りきっちり整理する
・金品や利益の授受をする
・ディベート等の説得力を駆使する
・集団で詰め寄る
・泣き落とす 等
 その中で、人には人格があるので、正論により人の心を動かすという方法は、大きな力を発揮します。ですが、正論は、ツールの1つであり、正論が世の中や会社を動かすことがあっても、正論で世の中や会社は動いていません。

◎働く人の健康管理は『人』対『疾病・不健康』
 人は、正論で動くことがあっても、疾病や不健康に人格は無いので、いくら正論を説いても効果が出るわけはありません。
 従って、働く人の健康管理の議論において、『正論』で何かが改善するということは決してありません。

※救急やがん診療といった臨床現場の中で、もし、疾病や不健康を相手に、「人を不幸にしているから、消えて下さい」と正論を説いて改善してくれたら、どれだけ良いかと思ったことは何度もあります。疾病や不健康に人格の存在を信じ、正論を説いて排除しようとする信仰もあるでしょうが、先日の最高裁判例で、結果が悪ければ未必の故意に該当することになりました。
 https://www.soumunomori.com/column/article/atc-174910/
 
 弊社が情報発信している内容については、そもそも『正論』を前提としていません。正論が通じない『疾病・不健康』という敵を倒すために、科学的・法学的・客観的事実に基づいた適切な対応を行うようにしてください。

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令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/

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