こんにちは。
社会保険労務士の田中です。
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常時10人以上の
労働者を
雇用している会社は
就業規則の作成及び届け出が義務付けられています。
(
労働基準法 第89条)
そして、この
就業規則を社内に周知する義務があります。
(
労働基準法 第106条)
『
使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、
就業規則(中略)を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、
又は備え付けること(中略)によって、
労働者に周知させなければならない。』
さて、
労働者が10人未満の会社では
就業規則の作成義務はありませんが、
働きやすくトラブルの無い職場とするためには、作成する事が望ましいです。
この場合、
労働基準監督署に届け出ることは任意となります。
それでは、106条にある社内への周知は義務となるでしょうか?
学説は分かれています。
まず、周知義務説(周知は義務である。)
『この義務は、法令の周知義務と並ぶもので、常時10人未満の
労働者を使用する
(
就業規則の作成・届出義務を課されていない)
使用者にも及ぶ。』
( 労働法 第12版 菅野和夫 P.201)
続いて、周知任意説(周知は義務ではなく、任意である。)
『作成した
就業規則を
労働者に周知すること自体は望ましいことではあるが、
同条(田中注106条)が
罰則付きの規定であることを考えると、任意に
就業規則を作成したために
罰則が科されることになる解釈は妥当でなく、
常用
労働者10人未満の
使用者の作成した
就業規則には同条の適用は
ないと解すべきである。』
(詳解労働法 第2版 水町勇一郎 P.175)
罰則の事を視野に入れると、後者の周知任意説を支持します。
☆
労働者10人未満の会社は、実務上はどうするのが良いか? ☆
【
就業規則の作成 】
任意ですが、前述の通り
就業規則は作成することが望ましいです。
【
労働基準監督署への届け出 】
任意ですが、
労働基準監督署へは現時点では届け出る必要はないでしょう。
届け出ない方が、社内で柔軟に
就業規則の変更が可能です。
【 社内への周知 】
作成した以上は周知すべきと考えます。
(周知していなくても106条は適用されないと考える方が妥当でしょう。)
【
労働基準監督署の調査があった場合 】
労働者10人未満の会社が、あえて
就業規則を作成するという事は、
相応の必要性があってのことでしょう。そのような状況であるならば
当然に社内へ周知することも必要となるでしょう。
「周知しない」という106条に抵触する事実がないのであれば、
「周知義務説」「周知任意説」のいずれであっても
当然、106条によって
罰則が科されることはありません。
仮に、
就業規則を作成したが周知していない
労働者10人未満の会社に
労働基準監督署の調査(臨検:労基法101条)があった場合、
周知していないことに是正勧告は出されないと考えます。
(指導票による指導の対象にはなるかも知れません。)
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。(2021.11.12)
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(労働基準法 第106条)
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就業規則(中略)を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、
又は備え付けること(中略)によって、労働者に周知させなければならない。』
さて、労働者が10人未満の会社では就業規則の作成義務はありませんが、
働きやすくトラブルの無い職場とするためには、作成する事が望ましいです。
この場合、労働基準監督署に届け出ることは任意となります。
それでは、106条にある社内への周知は義務となるでしょうか?
学説は分かれています。
まず、周知義務説(周知は義務である。)
『この義務は、法令の周知義務と並ぶもので、常時10人未満の労働者を使用する
(就業規則の作成・届出義務を課されていない)使用者にも及ぶ。』
( 労働法 第12版 菅野和夫 P.201)
続いて、周知任意説(周知は義務ではなく、任意である。)
『作成した就業規則を労働者に周知すること自体は望ましいことではあるが、
同条(田中注106条)が罰則付きの規定であることを考えると、任意に
就業規則を作成したために罰則が科されることになる解釈は妥当でなく、
常用労働者10人未満の使用者の作成した就業規則には同条の適用は
ないと解すべきである。』
(詳解労働法 第2版 水町勇一郎 P.175)
罰則の事を視野に入れると、後者の周知任意説を支持します。
☆ 労働者10人未満の会社は、実務上はどうするのが良いか? ☆
【 就業規則の作成 】
任意ですが、前述の通り就業規則は作成することが望ましいです。
【 労働基準監督署への届け出 】
任意ですが、労働基準監督署へは現時点では届け出る必要はないでしょう。
届け出ない方が、社内で柔軟に就業規則の変更が可能です。
【 社内への周知 】
作成した以上は周知すべきと考えます。
(周知していなくても106条は適用されないと考える方が妥当でしょう。)
【 労働基準監督署の調査があった場合 】
労働者10人未満の会社が、あえて就業規則を作成するという事は、
相応の必要性があってのことでしょう。そのような状況であるならば
当然に社内へ周知することも必要となるでしょう。
「周知しない」という106条に抵触する事実がないのであれば、
「周知義務説」「周知任意説」のいずれであっても
当然、106条によって罰則が科されることはありません。
仮に、就業規則を作成したが周知していない労働者10人未満の会社に
労働基準監督署の調査(臨検:労基法101条)があった場合、
周知していないことに是正勧告は出されないと考えます。
(指導票による指導の対象にはなるかも知れません。)
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