1.
就業規則は「生き物」
就業規則はいったん定めた後も変更を繰り返します。法令変更への対応もありますし、そもそも、
就業規則とは会社の
人事制度や
人事ポリシーが具体的な文書となったものなのですから、こうしたものが変われば、当然
就業規則も変更になります。
2.
就業規則の変更が
従業員にとって不利益なことも
就業規則の変更が、
従業員にとって有利なものであれば、何の問題も起こりませんが(大盤振る舞いし過ぎて経営が苦しくなったという類のことは別ですが)、
従業員にとって不利な変更だった場合が問題です。
この問題はこれまでも繰り返し裁判などで争われてきました。数えたことはありませんが、判例の数も相当なものでしょう。
就業規則は、個別に
労働契約を交わしている場合は別として、会社と
従業員の
労働契約の内容を規定します。その点に着目して、「
就業規則の変更は
労働契約によるか又は
労働契約の相手方たる
労働者との合意によるものでない限り許されない」とする判断もあります。
しかし、個々の
従業員の同意がないと変更が許されないとなると、経営の柔軟性が全くなくなり、企業規模がある程度以上になると、
労働条件の不利益変更は事実上不可能となります。そうなると、赤字
決算が続いてもリストラ策は一切許されなくなり、倒産するまで何もできないということになります。これだと元も子もありません。
もちろん、これは極論ですし、そもそも、そこまで会社を傾かせた経営者の責任も当然問われます。
そういう事態でなくても、今後の会社の成長戦略を考えていく中で、
人事・
賃金制度を変えることもあります。会社として当然の経営戦略です。
さらに言えば、こうしたことを常に考えていくのが「
人事戦略」ですし、
人事戦略のない会社に、明るい未来があるとも思えません。
しかし、
人事制度改革の結果、待遇が下がる
従業員も出ます。
(こういう場合、一定の
経過措置を取ることが多いのですが)。
これも、「
就業規則の
不利益変更」。
こういう場合の法的有効性はどうなのでしょうか?
もしこれが、一切許されないとしたら、会社は何もできないということになってしまいますが…
3.
不利益変更はどういう場合に可能か?
この問題について、昭和43年、最高裁大法廷が判決を出しました。この判例が、
就業規則不利益変更を考える上での判断基準となっているので、一部を引用します。
「新たな
就業規則の作成または変更によって、既得の権利を奪い、
労働者に不利益な
労働条件を一方的に課すことは、原則として許されないが、
労働条件の集合的処理、とくにその統一的かつ画一的な決定を建前とする
就業規則の性質からいって、当該
就業規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の
労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されない」
つまり、
就業規則の変更は、それが不利益なものであっても、合理的な変更であれば可能だということです。
4.合理的とは?
そうなると、また別の問題が生じます。
今度は
従業員の立場に立ってみます。
ここでいう「合理的」とはどのようなものか、それを誰がどう判断するのか、合理的であれば何でもありか・・・。
もし、
就業規則が、合理的な変更であるということを理由に、好き勝手に
不利益変更されてしまうと、先行き不安なことこの上なしです。
従業員の
モラール、
モチベーションへの悪影響も大きいでしょう。
この問題、もう少し考えていきましょう。
http://www.hrm-solution.jp
1.就業規則は「生き物」
就業規則はいったん定めた後も変更を繰り返します。法令変更への対応もありますし、そもそも、就業規則とは会社の人事制度や人事ポリシーが具体的な文書となったものなのですから、こうしたものが変われば、当然就業規則も変更になります。
2.就業規則の変更が従業員にとって不利益なことも
就業規則の変更が、従業員にとって有利なものであれば、何の問題も起こりませんが(大盤振る舞いし過ぎて経営が苦しくなったという類のことは別ですが)、従業員にとって不利な変更だった場合が問題です。
この問題はこれまでも繰り返し裁判などで争われてきました。数えたことはありませんが、判例の数も相当なものでしょう。
就業規則は、個別に労働契約を交わしている場合は別として、会社と従業員の労働契約の内容を規定します。その点に着目して、「就業規則の変更は労働契約によるか又は労働契約の相手方たる労働者との合意によるものでない限り許されない」とする判断もあります。
しかし、個々の従業員の同意がないと変更が許されないとなると、経営の柔軟性が全くなくなり、企業規模がある程度以上になると、労働条件の不利益変更は事実上不可能となります。そうなると、赤字決算が続いてもリストラ策は一切許されなくなり、倒産するまで何もできないということになります。これだと元も子もありません。
もちろん、これは極論ですし、そもそも、そこまで会社を傾かせた経営者の責任も当然問われます。
そういう事態でなくても、今後の会社の成長戦略を考えていく中で、人事・賃金制度を変えることもあります。会社として当然の経営戦略です。
さらに言えば、こうしたことを常に考えていくのが「人事戦略」ですし、人事戦略のない会社に、明るい未来があるとも思えません。
しかし、人事制度改革の結果、待遇が下がる従業員も出ます。
(こういう場合、一定の経過措置を取ることが多いのですが)。
これも、「就業規則の不利益変更」。
こういう場合の法的有効性はどうなのでしょうか?
もしこれが、一切許されないとしたら、会社は何もできないということになってしまいますが…
3.不利益変更はどういう場合に可能か?
この問題について、昭和43年、最高裁大法廷が判決を出しました。この判例が、就業規則不利益変更を考える上での判断基準となっているので、一部を引用します。
「新たな就業規則の作成または変更によって、既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課すことは、原則として許されないが、労働条件の集合的処理、とくにその統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該就業規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されない」
つまり、就業規則の変更は、それが不利益なものであっても、合理的な変更であれば可能だということです。
4.合理的とは?
そうなると、また別の問題が生じます。
今度は従業員の立場に立ってみます。
ここでいう「合理的」とはどのようなものか、それを誰がどう判断するのか、合理的であれば何でもありか・・・。
もし、就業規則が、合理的な変更であるということを理由に、好き勝手に不利益変更されてしまうと、先行き不安なことこの上なしです。
従業員のモラール、モチベーションへの悪影響も大きいでしょう。
この問題、もう少し考えていきましょう。
http://www.hrm-solution.jp