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電車の遅れによる賃金カットと休業手当

■Vol. 10  2007-11-21 毎週水曜日配信                  
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□□■    経営に生かせる人事労務・法律の知識 
■■■  ― 経営者、起業準備の方必見です!―
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■■■  「電車の遅れによる賃金カット休業手当
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 朝、電車が遅れることは多いですね。人身事故、車両故障と理由はいろい
 ろですが、遅れると、必ず電車が込むのも嫌なものです。
 何とか遅れずに行きたいと思う人がそれだけ多いということですから、日
 本人は本当に勤勉です。

 海外では、日本ほど電車の時刻がきっちりしていないとは、よく言われま
 す。電車が遅れた場合の賃金カットは、どうなっているのでしょうか。
 社会保険労務士の先生は、賃金の基本は“No work, no pay.”とおっ
 しゃっていましたが・・・。


 今回は、日本の電車の遅れの場合の賃金についてです。

 
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      「電車の遅れによる賃金カット休業手当
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「朝の電車が遅れたため従業員が1時間遅刻した場合、この1時間の賃金
はどうなるのでしょうか?」

よくある質問ですが、この場合その従業員は1時間の労働義務を履行でき
なかったわけですから、会社は従業員に対して1時間分の賃金を支払う必
要はありません。たとえ「遅延証明書」を提出したとしても、結果はかわ
りません。
 ただし、その従業員から「電車が止まってしまって、会社に行く手段がな
い」と連絡を受けて、会社が自宅待機を命じた場合は、事情が異なってきま
す。
 なぜなら、従業員から「休ませて欲しい」と言ってきたわけではなく、会
社が自宅待機を命じたわけですから、その日の休業は、労働基準法第26条
に規定する「使用者責に帰すべき事由による休業」に当たると考えられる
からです。
 ここでいう「使用者責に帰すべき事由」とは、天災地変など不可抗力に
よる場合を除くすべてのものをいい、不可抗力に当たるといえるためには、

(1)休業の原因が事業の外部より発生した事故であること
(2)事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることの
できない事故であること― の2つを満たさなければなりません。
 そして、「使用者責に帰すべき事由による休業」の場合は、休業期間
中の当該従業員に、その平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなけれ
ばならないとされています。
  公共交通機関のトラブルによる休業は、台風や集中豪雨などの天災地
変により公共交通機関が麻痺して、ほとんどの従業員が出勤できないた
め、やむを得ず休業するようなケース以外は、上記の2つの要件を満た
さないため「使用者責に帰すべき事由」による休業ということになり
ます。

したがって、「会社に行く手段がない」という従業員への自宅待機命令
には、平均賃金の6割以上の支払いが必要となります。
なお、賃金のカットが可能なのは、
(1)外的要因による通勤不能のため出勤できないときも欠勤と扱い、賃金
をカットすることになっている場合で、出勤するかどうかの判断を本人
に委ねた場合
(2)台風など不可抗力により事業の全部または一部を停止せざるを得ない
場合― のいずれかの場合に限られます。
          

                      社労士 森




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