1.
情報漏洩リスク
人的リスクの中でも、
情報漏洩リスクは、危険度の高いものと言っていいでしょう。
ネットワーク社会、IT社会の今日、企業内の機密情報が、悪意や不注意で、簡単に外に持ち出せてしまいます。
会社の顧客情報、
契約上の秘密、技術情報、ノウハウ情報など、重要な情報が漏れてしまったときの打撃は、計り知れません。
また、
個人情報保護法の施行で、会社は
個人情報の漏洩を防ぐために必要な措置を取ることが義務づけられています。
実際に、顧客データが盗み出されたり、紛失したりといった事故が、新聞などで報道されることも少なくありません。
そのようなことが起こると、企業の信用は大きく損なわれてしまいます。
2.
情報漏洩を防ぐための
労務管理
情報漏洩を防ぐためには、ファイアウォールなどのネットワーク環境の整備、会社への入退館の管理、機密情報へのアクセス管理など、物理的・技術的対策が欠かせません。
それと並んで重要なのが、
就業規則で機密保持に関する定めを置くことです。
3.在職中の
守秘義務
これは明解です。
判例でも、「
労働者は
労働契約に伴う付随義務として、信義則上、
使用者の利益をことさら害するような行為を避けるべき義務を負うが、その1つとして
使用者の業務上の秘密を漏らさないとの義務を負うものと解せられる」として、
労働者の
守秘義務を
労働契約に当然に付随する義務と定義しています。
ですから会社は、企業秘密を漏らした社員を
懲戒処分にすることができます。
4.
退職後の
守秘義務、競業避止義務
ここは議論のあるところです。
退職後も、どこまでその人は
守秘義務を負うのか?
この義務が無制限に存在するのだとすると、
労働者の自由を不当に制約することになりかねません。
これについては、会社と本人との間に、秘密保持に関する特別な合意がある場合に、
退職後の秘密保持義務が成立すると考えられます。
また、競業避止義務とは、競合関係にある会社への就職をしないという義務です。
社員がライバル会社に転職して、身につけたノウハウ、知識、情報などを活用されるのは、会社としては避けたいところです。
しかし、これも、職業選択の自由との関係もあり、制約があります。
やはり、特別な合意がある場合に成立すると考えていいでしょう。
そして具体的な判断にあたっては、次のような要素が考慮に入れられます。
・
労働者の地位
・競業制限の対象期間、地域などからみて
労働者の職業選択の自由を不当に制限していないか
・競業制限に対する代償措置
では、
退職後の
守秘義務、競業避止義務を有効にするためには、何をしたらいいのでしょうか?
まずひとつは、
就業規則に、
退職後の
守秘義務、競業避止義務に関する定めを置くことです。
期間、地域など、できるだけ具体的なものにした方がいいでしょう。
ただ、業務内容、
労働者の地位によって、一概に定義できないこともあるでしょうから、その点も考慮に入れた定め方をします。
もうひとつは、
退職時に誓約書を書いてもらうことです。
これは個別的なものになりますから、
就業規則よりも具体的にします。
http://www.hrm-solution.jp
1.情報漏洩リスク
人的リスクの中でも、情報漏洩リスクは、危険度の高いものと言っていいでしょう。
ネットワーク社会、IT社会の今日、企業内の機密情報が、悪意や不注意で、簡単に外に持ち出せてしまいます。
会社の顧客情報、契約上の秘密、技術情報、ノウハウ情報など、重要な情報が漏れてしまったときの打撃は、計り知れません。
また、個人情報保護法の施行で、会社は個人情報の漏洩を防ぐために必要な措置を取ることが義務づけられています。
実際に、顧客データが盗み出されたり、紛失したりといった事故が、新聞などで報道されることも少なくありません。
そのようなことが起こると、企業の信用は大きく損なわれてしまいます。
2.情報漏洩を防ぐための労務管理
情報漏洩を防ぐためには、ファイアウォールなどのネットワーク環境の整備、会社への入退館の管理、機密情報へのアクセス管理など、物理的・技術的対策が欠かせません。
それと並んで重要なのが、就業規則で機密保持に関する定めを置くことです。
3.在職中の守秘義務
これは明解です。
判例でも、「労働者は労働契約に伴う付随義務として、信義則上、使用者の利益をことさら害するような行為を避けるべき義務を負うが、その1つとして使用者の業務上の秘密を漏らさないとの義務を負うものと解せられる」として、労働者の守秘義務を労働契約に当然に付随する義務と定義しています。
ですから会社は、企業秘密を漏らした社員を懲戒処分にすることができます。
4.退職後の守秘義務、競業避止義務
ここは議論のあるところです。
退職後も、どこまでその人は守秘義務を負うのか?
この義務が無制限に存在するのだとすると、労働者の自由を不当に制約することになりかねません。
これについては、会社と本人との間に、秘密保持に関する特別な合意がある場合に、退職後の秘密保持義務が成立すると考えられます。
また、競業避止義務とは、競合関係にある会社への就職をしないという義務です。
社員がライバル会社に転職して、身につけたノウハウ、知識、情報などを活用されるのは、会社としては避けたいところです。
しかし、これも、職業選択の自由との関係もあり、制約があります。
やはり、特別な合意がある場合に成立すると考えていいでしょう。
そして具体的な判断にあたっては、次のような要素が考慮に入れられます。
・労働者の地位
・競業制限の対象期間、地域などからみて労働者の職業選択の自由を不当に制限していないか
・競業制限に対する代償措置
では、退職後の守秘義務、競業避止義務を有効にするためには、何をしたらいいのでしょうか?
まずひとつは、就業規則に、退職後の守秘義務、競業避止義務に関する定めを置くことです。
期間、地域など、できるだけ具体的なものにした方がいいでしょう。
ただ、業務内容、労働者の地位によって、一概に定義できないこともあるでしょうから、その点も考慮に入れた定め方をします。
もうひとつは、退職時に誓約書を書いてもらうことです。
これは個別的なものになりますから、就業規則よりも具体的にします。
http://www.hrm-solution.jp