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■
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第117号/2007/12/1>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(61)」
3.「市
民法務編/ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(44)」
4.編集後記
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1.はじめに
**********************************************************************
こんにちは。
行政書士の津留信康です。
南国のイメージの強い宮崎ですが、意外にも、県北の「五ヶ瀬町(※1)」には、
日本最南端の天然雪スキー場・「五ヶ瀬ハイランドスキー場(※2)」があります。
※1)
http://www.town.gokase.miyazaki.jp/
※2)
http://www.gokase.co.jp/ski/index.html
北海道や本州の大型スキー場に比べると、可愛らしいゲレンデですが、
例年シーズン中は、県内外からの多数のお客様で、大盛況とのことです。
今シーズンは、12/14(金)オープンですので、皆様、是非お越しくださいませ!
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「
会社法務編―中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(61)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
「平成19年度
司法書士試験問題」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第8回目は、「
株式会社の組織再編行為」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■
株式会社の組織再編行為に関する次の1~5の記述のうち、
正しいものはどれか。
1.
吸収合併をする場合において、
吸収合併消滅会社が
新株予約権を発行しているときは、
当該
新株予約権に係るすべての
新株予約権者が、
当該
新株予約権の買取請求をすることができる。
□正解: ×
□解説
設問肢のような場合に、
新株予約権の買取請求をすることができる
新株予約権者は、
「一定の条件を満たしている者(※)」に制限されています。
※
会社法第787条第1項第1号、第749条第1項第4号・第5号、
第236条第1項第8号イを参照のこと。
2.
吸収合併をする場合において、
吸収合併消滅会社の
株主に対して交付される財産が
金銭のみであるときであっても、
当該
吸収合併の効力が生じた日において
当該
吸収合併消滅会社の
株主であった者は、
当該
吸収合併につき、その無効の訴えを提起することができる。
□正解: ○
□解説
吸収合併の無効の訴えの提起権者については、
会社法第828条第2項第7号を参照のこと。
3.
特例有限会社は、
株式会社と
合併することはできるが、
持分会社と
合併することはできない。
□正解: ×
□解説
特例有限会社の
合併に関する制限について、
会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第37条に、
設問肢のような内容は規定されていません。
4.
株式交換をする場合において、
株式交換完全子会社の
株主に対して交付される財産が
金銭のみであるときは、
株式交換完全子会社の
債権者も、
株式交換完全親会社の
債権者も、
当該
株式交換について、異議を述べることができない。
□正解: ×
□解説
設問肢のような場合、
株式交換完全子会社の
債権者と異なり、
株式交換完全親会社の
債権者は、当該
株式交換について、
異議を述べることができます(
会社法第789条第1項第3号、
同法第799条第1項第3号、
会社法施行規則第198条)。
5.
株式移転は、会社の設立の一態様であるが、
株式移転設立完全親会社の
定款については、
公証人の認証を得る必要は無い。
□正解: ○
□解説
通常の会社設立の場合(
会社法第30条第1項)と異なり、
株式移転設立完全親会社の
定款については、
公証人の認証を得る必要はありません(同法第814条第1項)。
★次号(2007/12/15発行予定の第118号)では、
「
株式会社の設立の
登記」について、ご紹介する予定です。
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3.「市
民法務編―ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(44)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
「平成19年度
司法書士試験問題」の解説を通じて、
民法各編についての理解を深めていただいておりますが、
第8回目は「金銭
消費貸借契約における
時効等」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■次の事例に関する次の1~5の記述のうち、
判例の趣旨に照らし、正しいものはどれか。
<事例>
Aは、平成17年1月30日、Bとの間で、
次の約定により、Bから100万円を借り受ける旨の
契約を締結し、
同日、全額の交付を受けるとともに、自己所有の土地建物に、
Bのために
抵当権を設定した(
抵当権設定
登記は完了したものとする)。
なお、AB間の金銭
消費貸借契約には、
特約は付されていないものとする。
弁済期:平成18年1月30日
利息:年10%
1.AがBに対して支払うべき
利息は、平成17年1月31日から発生する。
□正解: ×
□解説
「判例(※最判S.33.6.6)」より、
AがBに対して支払うべき
利息は、
契約日の平成17年1月30日から発生します。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=29626&hanreiKbn=01
2.Aが、
抵当権を設定した土地建物を第三者Cに譲渡した場合には、
Bは、平成18年1月30日より前でも、Aに対して、
100万円の返還を請求することができる。
□正解: ×
□解説
Aが
抵当権を設定した土地建物を譲渡したとしても、
Bの
抵当権には影響を及ぼさず、
民法第137条第2号には該当しません。
3.BがAに対して有する貸金返還請求権の
消滅時効は、
平成18年1月31日から進行する。
□正解: ○
□解説
民法第166条第1項を参照のこと。
4.Aが、
弁済期に、Bに対して貸金返還
債務を完済しなかった場合には、
Bは、Aに対して、平成18年1月31日から支払済みまで、
年10%の割合による
遅延損害金の支払を請求することができる。
□正解: ○
□解説
民法第419条第1項・第404条を参照のこと。
5.Aは、
弁済期前に、Bに対して100万円を返還することができ、
その場合には、返還した日までの
利息を付せばよい。
□正解: ×
□解説
Aは、
弁済期前に、
期限の利益を放棄して、
Bに対して100万円を返還することができます(
民法第136条第2項本文)が、
そのことによって、相手方Bの利益を害することはできないため、
「
弁済期(平成18年1月30日)までの
利息」
を付さなければなりません(同法同条同項但書)。
★次号(2007/12/15発行予定の第118号)では、
「
民法第177条と不動産
登記」について、ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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★相変わらず混迷の続く「第168臨時国会(※)」は、
早くも、会期再延長の声すら出ているようですが、
次期通常国会も含め、今後の法案審議はどうなっていくのでしょうか?
ちょっと心配です。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_7cdc.html
■第117号は、いかがでしたか?
次号(第118号)は、2007/12/15発行予定です。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
□津留
行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□ご連絡専用アドレス
n-tsuru@mbr.nifty.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第117号/2007/12/1>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(61)」
3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(44)」
4.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。行政書士の津留信康です。
南国のイメージの強い宮崎ですが、意外にも、県北の「五ヶ瀬町(※1)」には、
日本最南端の天然雪スキー場・「五ヶ瀬ハイランドスキー場(※2)」があります。
※1)
http://www.town.gokase.miyazaki.jp/
※2)
http://www.gokase.co.jp/ski/index.html
北海道や本州の大型スキー場に比べると、可愛らしいゲレンデですが、
例年シーズン中は、県内外からの多数のお客様で、大盛況とのことです。
今シーズンは、12/14(金)オープンですので、皆様、是非お越しくださいませ!
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(61)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第8回目は、「株式会社の組織再編行為」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■株式会社の組織再編行為に関する次の1~5の記述のうち、
正しいものはどれか。
1.吸収合併をする場合において、
吸収合併消滅会社が新株予約権を発行しているときは、
当該新株予約権に係るすべての新株予約権者が、
当該新株予約権の買取請求をすることができる。
□正解: ×
□解説
設問肢のような場合に、
新株予約権の買取請求をすることができる新株予約権者は、
「一定の条件を満たしている者(※)」に制限されています。
※会社法第787条第1項第1号、第749条第1項第4号・第5号、
第236条第1項第8号イを参照のこと。
2.吸収合併をする場合において、
吸収合併消滅会社の株主に対して交付される財産が
金銭のみであるときであっても、
当該吸収合併の効力が生じた日において
当該吸収合併消滅会社の株主であった者は、
当該吸収合併につき、その無効の訴えを提起することができる。
□正解: ○
□解説
吸収合併の無効の訴えの提起権者については、
会社法第828条第2項第7号を参照のこと。
3.特例有限会社は、株式会社と合併することはできるが、
持分会社と合併することはできない。
□正解: ×
□解説
特例有限会社の合併に関する制限について、
会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第37条に、
設問肢のような内容は規定されていません。
4.株式交換をする場合において、
株式交換完全子会社の株主に対して交付される財産が
金銭のみであるときは、
株式交換完全子会社の債権者も、株式交換完全親会社の債権者も、
当該株式交換について、異議を述べることができない。
□正解: ×
□解説
設問肢のような場合、
株式交換完全子会社の債権者と異なり、
株式交換完全親会社の債権者は、当該株式交換について、
異議を述べることができます(会社法第789条第1項第3号、
同法第799条第1項第3号、会社法施行規則第198条)。
5.株式移転は、会社の設立の一態様であるが、
株式移転設立完全親会社の定款については、
公証人の認証を得る必要は無い。
□正解: ○
□解説
通常の会社設立の場合(会社法第30条第1項)と異なり、
株式移転設立完全親会社の定款については、
公証人の認証を得る必要はありません(同法第814条第1項)。
★次号(2007/12/15発行予定の第118号)では、
「株式会社の設立の登記」について、ご紹介する予定です。
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3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(44)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
民法各編についての理解を深めていただいておりますが、
第8回目は「金銭消費貸借契約における時効等」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■次の事例に関する次の1~5の記述のうち、
判例の趣旨に照らし、正しいものはどれか。
<事例>
Aは、平成17年1月30日、Bとの間で、
次の約定により、Bから100万円を借り受ける旨の契約を締結し、
同日、全額の交付を受けるとともに、自己所有の土地建物に、
Bのために抵当権を設定した(抵当権設定登記は完了したものとする)。
なお、AB間の金銭消費貸借契約には、特約は付されていないものとする。
弁済期:平成18年1月30日
利息:年10%
1.AがBに対して支払うべき利息は、平成17年1月31日から発生する。
□正解: ×
□解説
「判例(※最判S.33.6.6)」より、
AがBに対して支払うべき利息は、契約日の平成17年1月30日から発生します。
※)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=29626&hanreiKbn=01
2.Aが、抵当権を設定した土地建物を第三者Cに譲渡した場合には、
Bは、平成18年1月30日より前でも、Aに対して、
100万円の返還を請求することができる。
□正解: ×
□解説
Aが抵当権を設定した土地建物を譲渡したとしても、
Bの抵当権には影響を及ぼさず、
民法第137条第2号には該当しません。
3.BがAに対して有する貸金返還請求権の消滅時効は、
平成18年1月31日から進行する。
□正解: ○
□解説
民法第166条第1項を参照のこと。
4.Aが、弁済期に、Bに対して貸金返還債務を完済しなかった場合には、
Bは、Aに対して、平成18年1月31日から支払済みまで、
年10%の割合による遅延損害金の支払を請求することができる。
□正解: ○
□解説
民法第419条第1項・第404条を参照のこと。
5.Aは、弁済期前に、Bに対して100万円を返還することができ、
その場合には、返還した日までの利息を付せばよい。
□正解: ×
□解説
Aは、弁済期前に、期限の利益を放棄して、
Bに対して100万円を返還することができます(民法第136条第2項本文)が、
そのことによって、相手方Bの利益を害することはできないため、
「弁済期(平成18年1月30日)までの利息」
を付さなければなりません(同法同条同項但書)。
★次号(2007/12/15発行予定の第118号)では、
「民法第177条と不動産登記」について、ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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★相変わらず混迷の続く「第168臨時国会(※)」は、
早くも、会期再延長の声すら出ているようですが、
次期通常国会も含め、今後の法案審議はどうなっていくのでしょうか?
ちょっと心配です。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_7cdc.html
■第117号は、いかがでしたか?
次号(第118号)は、2007/12/15発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
□津留行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□ご連絡専用アドレス
n-tsuru@mbr.nifty.com
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