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改正労働基準法対応の実務(14)~ここに注意!36協定(1)

2010年4月1日施行の改正労働基準法では、36協定の内容が変わります。
どう変わるのか、そして、どこに気をつけなければならないか、ポイントをお話しましょう。

◆そもそも36協定の内容は

36協定には、次の事項を定めなることになっていました。

・時間外または休日に労働させる必要のある具体的事由
業務の種類
労働者の数
・延長すべき時間または労働させるべき休日
・有効期間
時間外労働の限度時間(休日労働は含まない)


時間外労働の限度時間とは?

これはその名のとおり、1ヶ月なり1年なりの期間で時間外労働をさせることのできる、上限です。
これを上回る時間外をさせのは、違法となります。

そして、これについて、労働基準法は、「この範囲におさめるように」という「基準値」を設けています。
これが「限度基準」といわれるもので、次のようになっています。

<時間外限度基準>


36協定で定める「時間外労働の限度時間」は、この限度基準に納まるようにします。

しかし、実際には、36協定で定めた時間を超えてしまうこともあり得ます。


36協定特別条項

それに対応する方法として、「特別条項つき協定」というものがあります。
これは、36協定特別条項を設け、その中に、「特別の事情」、「限度時間を超える場合の手続き」、「特別延長時間」を定めておけば、その範囲で限度時間を超える時間外労働を命じることができるというものです。

この特別条項は、「エスケープ条項」などとも言われ、36協定を形骸化させる危険性があります。そのため、次のような制限が課せられています。

①「特別の事情」は具体的に定める
②特別の事情は、臨時的なものに限る。臨時的とは、その業務で特別な時間外をさせるのが1年の半分を超えないということを指す。
③協定では、「1日を超え3ヶ月以下の一定期間」について、特別な時間外をさせる回数を決める。


◆限度基準と改正労働基準法

改正労働基準法では、「特別条項つき36協定」を結んだ場合、次のようなことになりました。

特別条項付きの時間外労働協定では、時間外限度基準を超える時間外労働に対する割増賃金率も定めること
②①の割増率は法定割増賃金率(25%)を超える率とするように努めること
③時間外限度基準を超える時間外労働をできる限り短くするように努めること


つまり、限度時間を超える時間外については、割増賃金率を36協定の中で定めなくてはならないということなのです。
ただし、この率をどうするかは、労使で自由に決めることができます。
法定の25%でも構いません。


◆時間外割増率が3層構造になる

ところで、改正労働基準法では、60時間を超える時間外に対する割増率が50%(以上)に引き上げられます。(中小企業は当面猶予)

つまり、改正労働基準法では、時間外割増率が次の3パターンになるのです。

①限度時間以内:25%(以上)
②限度時間超:25%(以上)、36協定に率を定める
③1ヶ月60時間超:50%(以上)
③については当面中小企業は適用が猶予されますが、②については猶予措置はありません。
規模の大小を問わず、義務付けられます。

1ヶ月単位で見ると、こうなりますね。


◆限度時間を超える割増率を25%より多くする場合

では、この限度時間を超える時間外の割増率を、25%より多くする場合は、どうすればいいのでしょうか?
しっかり検討しないと、後になって「あれ?」ということになりかねません。

次回、この問題を詳しく解説していきます。


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