vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
経営・
労務管理ビジネス用語の
あれっ! これ、どうだった?!
第35回
使用者による
賃金等の
一方的減額は可能か?(その1)
<第46号> 平成23年1月24日(月)
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
発行人のプロフィル⇒
http://www.ho-wiki06.com
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
こんにちは!
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。
1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
昨年の労働相談の中で、
賃金カットの相談が
数件ありました。
中には2割も削減されて生活が大変だとの
切実な声もありました。
その理由として、
使用者から会社が倒産しては
元も子もないだろうとか、
解雇されるよりは良いだろうとの説明に
承諾せざるを得ないというものでした。
今回は、
使用者による
賃金等の一方的減額は
できるのかどうかについて考えてみます。
なお、
賃金等とは、月例給与と
退職手当の両方を
含んだものとしています。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
●私の経営に関する基礎的解説サイト
⇒
http://manage.ho-wiki06.com
●私の
労務管理に関する基礎的解説サイト
⇒
http://www.ho-wiki06.com
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
◆◆
労働条件の変更は労使の「合意」による ◆◆
○
労働契約法(以下「労契法」という。)第8条に
「
労働者及び
使用者は、その合意により、
労働契約の
内容である
労働条件を変更することができる。」と
労働条件を変更する際の合意原則を定めています。
ここで変更対象となる「
労働契約の内容である
労働条件」とは
契約内容となっている
労働条件の全てが含まれます。
その中でも、特に
賃金は最も重要な
労働条件としての
契約要素と解されています。
○ 裁判例をみてみます。
これは「チェース・マンハッタン銀行事件」といわれ、
銀行の経営悪化のため人員削減を含む合理化を
実施することとなり、その一環として
労働者の
賃金を
一方的に減額して支給したもので、
減額の幅は、35%以内に収まるようにした事案に対し
東京地裁(平成6年9月14日判決)は
次のように判示しました。
「
労働契約において
賃金は最も重要な
労働条件としての
契約要素であることはいうまでもなく、
一方的に不利益に変更することはできないというべきである。
この意味において本件
賃金調整は、
銀行が各
労働者の同意を得ることなく、
一方的に
労働契約の重要な要素を変更するという
措置に出たものであるから、
何らの効力を有しないものというべきであり、
本件
賃金調整に銀行主張の合理性が存したとしても
異なることはない」
そして銀行が、
労働者にとってより犠牲の大きい
整理解雇を
避けるために止むを得ない措置であるとの主張に対しても
次のように判示しました。
「
整理解雇という措置を選択しなかったことをもって
本件
賃金調整を有効とすることの根拠とすることはできないし
・・・・
整理解雇という措置がなされていないのに、
これとの対比で本件
賃金調整が、
労働者らにとって犠牲の少ない措置であるということが
できない。したがって、この点に関する銀行の主張も
採用できない」として、
労働者側の請求を認め
切り下げられた差額
賃金等の支払を
使用者に命じたものです。
◆◆
就業規則の変更による一方的
不利益変更の場合 ◆◆
○ 本来、
就業規則は多くの
労働者、しかも各人の個性、性分、
考え方も異なる
労働者を
雇用し、
会社の経営方針に基づきその成果を挙げるために
労働者を企業の求める方向への活動に精励させるための
統一的・画一的に
労働条件を定めたものであり、
いわば「職場のルール」と言うべきものです。
そして、
就業規則の内容が合理的なものである限り、
「法的規範性」が認められ、労使当事者を拘束するものとなります。
このことは最高裁判例(「秋北バス事件」昭43.12.25大法廷)でも
「
就業規則が合理的な
労働条件を定めているものである限り
労使間の
労働条件は、その
就業規則によるとの事実たる慣習が
成立しているものとして、法的規範性が認められる」と判示して
確定法理とされています。
○
就業規則の作成及び変更義務は、
使用者にあります。
従って、
使用者により
就業規則を変更して
労働条件の一方的
不利益変更が出来るか否かが問題となります。
労契法には、次の規定が置かれています。
「
使用者は、
労働者と合意することなく、
就業規則を
変更することにより、
労働者の不利益に
労働契約の内容である
労働条件を変更することはできない」(第9条)と。
ここにも「合意」原則が謳われております。
賃金カットに安易に賛成する
労働者はいないと思います。
月々の給与自体、決して余裕のあるものとは
言えない場合が多く、
その赤字補填のために
賞与を投入しようとしても
業績悪化のため、
賞与が全く支給されなかったり
若しくは大幅な減額を余儀なくされているのが
実態かも知れません。
前掲の「秋北バス事件」の最高裁判決でも
「新たな
就業規則の作成又は変更によって、
既得の権利を奪い、
労働者に不利益な
労働条件を
一方的に課することは、原則として許されない」と
判示しています。
○ 先に引用した労契法第9条では、この判決が
示すように、
使用者が
就業規則を変更して
労働者と合意することなく、一方的にその変更した
就業規則によって
労働契約の内容である
労働条件を
労働者の不利益に変更することは出来ない原則を
確認的に定めています。
ここでいう「
労働者に不利益」とは、
個々の
労働者にとっての不利益と解されています。
(以下、次号へ)
★☆★☆★☆★【ひとくち教養講座】★☆★☆★☆★
よく日本語は難しいといいます。
そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。
次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか
■A 彼の「常規」を逸する振る舞いは許せない。
■B. 彼の「常軌」を逸する振る舞いは許せない。
答えは、編集後記で。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
~~~~~[[今日あった昔の歴史─1/24]]~~~~~
●1848年の今日、カリフォルニアのアメリカン川で砂金が
発見され、カリフォルニア・ゴールドラッシユの始まり。
●1911年の今日、幸徳秋水・大逆事件で、幸徳秋水ら11名が
処刑される。
●1965年の今日、イギリスの英雄・チャーチル元首相没す!
⇒ 詳細をご覧になりたい方は
http://blog.ho-wiki06.com をクリックし
ブログから該当日をご覧ください。
●1971年の今日、グループサウンズ「ザ・タイガース」解散
コンサート、グループサウンズブームの終焉を象徴。
●1986年の今日、ボイジャー2号が天王星に最接近。
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○エルンスト・ホフマン(小説家・画家:1776)
○市原悦子(女優:1936)
○尾崎将司(プロゴルファー:1947)
○里中満智子(漫画家:1948)
○ジュデイ・オング(歌手・女優:1950)
○五輪真弓(シンガーソングライター:1951)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
さて、どちらが正しいか分かりましたか?
答えは「B」です。
「軌」という漢字には、車の両輪の間隔、また車輪の跡、
わだちという意味から、「一定の筋道、やり方」の意を表します。
故に「常軌」とは、普通のやり方との意味であり
「常軌を逸する」とは普通と違った常識はずれの言動を
とることをいう慣用句とされています。
一方「常規」とは普通一般の規則という意味であるため、
この文意の場合は、「常軌」が正しい表現となります。
では、また次号でお会いしましょう。
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
★メールマガジン「経営・
労務管理ビジネス用語の
あれっ!これ、どうだった?!」
★発行責任者 小野寺 弘
★E-mail
info@ho-wiki06.com
★発行者サイト
http://www.ho-wiki06.com
★発行システム:『まぐまぐ』
http://www.mag2.com/
★配信中止:
http://www.mag2.com/m/0001103042.html
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
経営・労務管理ビジネス用語の
あれっ! これ、どうだった?!
第35回 使用者による賃金等の
一方的減額は可能か?(その1)
<第46号> 平成23年1月24日(月)
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
発行人のプロフィル⇒
http://www.ho-wiki06.com
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
こんにちは!
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。
1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
昨年の労働相談の中で、賃金カットの相談が
数件ありました。
中には2割も削減されて生活が大変だとの
切実な声もありました。
その理由として、使用者から会社が倒産しては
元も子もないだろうとか、
解雇されるよりは良いだろうとの説明に
承諾せざるを得ないというものでした。
今回は、使用者による賃金等の一方的減額は
できるのかどうかについて考えてみます。
なお、賃金等とは、月例給与と退職手当の両方を
含んだものとしています。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
●私の経営に関する基礎的解説サイト
⇒
http://manage.ho-wiki06.com
●私の労務管理に関する基礎的解説サイト
⇒
http://www.ho-wiki06.com
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
◆◆ 労働条件の変更は労使の「合意」による ◆◆
○ 労働契約法(以下「労契法」という。)第8条に
「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の
内容である労働条件を変更することができる。」と
労働条件を変更する際の合意原則を定めています。
ここで変更対象となる「労働契約の内容である労働条件」とは
契約内容となっている労働条件の全てが含まれます。
その中でも、特に賃金は最も重要な労働条件としての
契約要素と解されています。
○ 裁判例をみてみます。
これは「チェース・マンハッタン銀行事件」といわれ、
銀行の経営悪化のため人員削減を含む合理化を
実施することとなり、その一環として労働者の賃金を
一方的に減額して支給したもので、
減額の幅は、35%以内に収まるようにした事案に対し
東京地裁(平成6年9月14日判決)は
次のように判示しました。
「労働契約において賃金は最も重要な労働条件としての
契約要素であることはいうまでもなく、
一方的に不利益に変更することはできないというべきである。
この意味において本件賃金調整は、
銀行が各労働者の同意を得ることなく、
一方的に労働契約の重要な要素を変更するという
措置に出たものであるから、
何らの効力を有しないものというべきであり、
本件賃金調整に銀行主張の合理性が存したとしても
異なることはない」
そして銀行が、労働者にとってより犠牲の大きい整理解雇を
避けるために止むを得ない措置であるとの主張に対しても
次のように判示しました。
「整理解雇という措置を選択しなかったことをもって
本件賃金調整を有効とすることの根拠とすることはできないし
・・・・整理解雇という措置がなされていないのに、
これとの対比で本件賃金調整が、
労働者らにとって犠牲の少ない措置であるということが
できない。したがって、この点に関する銀行の主張も
採用できない」として、労働者側の請求を認め
切り下げられた差額賃金等の支払を使用者に命じたものです。
◆◆ 就業規則の変更による一方的不利益変更の場合 ◆◆
○ 本来、就業規則は多くの労働者、しかも各人の個性、性分、
考え方も異なる労働者を雇用し、
会社の経営方針に基づきその成果を挙げるために
労働者を企業の求める方向への活動に精励させるための
統一的・画一的に労働条件を定めたものであり、
いわば「職場のルール」と言うべきものです。
そして、就業規則の内容が合理的なものである限り、
「法的規範性」が認められ、労使当事者を拘束するものとなります。
このことは最高裁判例(「秋北バス事件」昭43.12.25大法廷)でも
「就業規則が合理的な労働条件を定めているものである限り
労使間の労働条件は、その就業規則によるとの事実たる慣習が
成立しているものとして、法的規範性が認められる」と判示して
確定法理とされています。
○ 就業規則の作成及び変更義務は、使用者にあります。
従って、使用者により就業規則を変更して
労働条件の一方的不利益変更が出来るか否かが問題となります。
労契法には、次の規定が置かれています。
「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を
変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である
労働条件を変更することはできない」(第9条)と。
ここにも「合意」原則が謳われております。
賃金カットに安易に賛成する労働者はいないと思います。
月々の給与自体、決して余裕のあるものとは
言えない場合が多く、
その赤字補填のために賞与を投入しようとしても
業績悪化のため、賞与が全く支給されなかったり
若しくは大幅な減額を余儀なくされているのが
実態かも知れません。
前掲の「秋北バス事件」の最高裁判決でも
「新たな就業規則の作成又は変更によって、
既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を
一方的に課することは、原則として許されない」と
判示しています。
○ 先に引用した労契法第9条では、この判決が
示すように、使用者が就業規則を変更して
労働者と合意することなく、一方的にその変更した
就業規則によって労働契約の内容である労働条件を
労働者の不利益に変更することは出来ない原則を
確認的に定めています。
ここでいう「労働者に不利益」とは、
個々の労働者にとっての不利益と解されています。
(以下、次号へ)
★☆★☆★☆★【ひとくち教養講座】★☆★☆★☆★
よく日本語は難しいといいます。
そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。
次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか
■A 彼の「常規」を逸する振る舞いは許せない。
■B. 彼の「常軌」を逸する振る舞いは許せない。
答えは、編集後記で。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
~~~~~[[今日あった昔の歴史─1/24]]~~~~~
●1848年の今日、カリフォルニアのアメリカン川で砂金が
発見され、カリフォルニア・ゴールドラッシユの始まり。
●1911年の今日、幸徳秋水・大逆事件で、幸徳秋水ら11名が
処刑される。
●1965年の今日、イギリスの英雄・チャーチル元首相没す!
⇒ 詳細をご覧になりたい方は
http://blog.ho-wiki06.com をクリックし
ブログから該当日をご覧ください。
●1971年の今日、グループサウンズ「ザ・タイガース」解散
コンサート、グループサウンズブームの終焉を象徴。
●1986年の今日、ボイジャー2号が天王星に最接近。
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○エルンスト・ホフマン(小説家・画家:1776)
○市原悦子(女優:1936)
○尾崎将司(プロゴルファー:1947)
○里中満智子(漫画家:1948)
○ジュデイ・オング(歌手・女優:1950)
○五輪真弓(シンガーソングライター:1951)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
さて、どちらが正しいか分かりましたか?
答えは「B」です。
「軌」という漢字には、車の両輪の間隔、また車輪の跡、
わだちという意味から、「一定の筋道、やり方」の意を表します。
故に「常軌」とは、普通のやり方との意味であり
「常軌を逸する」とは普通と違った常識はずれの言動を
とることをいう慣用句とされています。
一方「常規」とは普通一般の規則という意味であるため、
この文意の場合は、「常軌」が正しい表現となります。
では、また次号でお会いしましょう。
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
★メールマガジン「経営・労務管理ビジネス用語の
あれっ!これ、どうだった?!」
★発行責任者 小野寺 弘
★E-mail
info@ho-wiki06.com
★発行者サイト
http://www.ho-wiki06.com
★発行システム:『まぐまぐ』
http://www.mag2.com/
★配信中止:
http://www.mag2.com/m/0001103042.html
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww