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男女雇用機会均等法改正について

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平成18年9月15日 第35号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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目次

1. 男女雇用期間均等法改正について

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ブログもよろしくお願い致します。
人事のブレーン社会保険労務士日記」です。
http://norifumi.cocolog-nifty.com/blog/
是非見てみて下さい!

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1. 男女雇用機会均等法改正について

***********************************

<1> はじめに

男女雇用機会均等法改正案が成立し、現在それに伴う指針の整備を厚生労働省
労働政策審議会で行っている。

施行日は平成19年4月1日である。

今回の改正案では、男女差別について「直接差別」と「間接差別」に分類し、
企業の行動について制約を設けることによって男女の雇用機会の均等を図ろう
ということが目的である。

本稿では、「直接差別」「間接差別」に分けて述べたいと思う。

<2> 直接差別

(1)総論

男女雇用機会均等法について、企業サイドの対策を考える際「これをすれば駄
目」「こうすれば大丈夫」的な書籍が多い。

しかしそれでは円滑な企業活動を阻害してしまう。

特に直接差別については何をしたら駄目という対策は当を得ない。

審議会の指針案を精査してみても真新しいことは記載しておらず、募集、昇格、
昇給等の機会は男女差別することなく与えなさいという趣旨を分かっていれば
良いと思う。

直接差別についての指針は同一雇用管理区分に属している場合に適用されるわ
けであり、同一雇用管理区分ではない場合(例えば、総合職と一般職、現場ス
タッフと管理スタッフ等)については、区別的取り扱いは許容される。
この区分的取り扱いが法に反しているかは直接差別の問題ではなく、その区分
の運用が適切がどうかの間接差別の側面からの検討になる。

(2)本規定の適用除外

直接差別については、以下に述べることは禁止されておらず、それ以外のこと
については禁止されていると考えて間違いない。

イ 次に掲げる職務に従事する労働者に係る場合
・ 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男女いずれかのみに
従事させる事が必要である職務
・ 守衛、警備員等のうち防犯上の要請から男性に従事させることが必要であ
る職務
・ 上記の他、宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上その他業務の
性質上男女いずれかのみに従事させることについてこれらと同程度の必要
性があると認められる業務

ロ 法令により従事するものの性別が制限されており、機会均等な取り扱いを
することができない業務

ハ 風俗、風習等の相違により男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤
務が必要な場合その他特別の事情により労働者の性別に関わりなく均等な機会
を与え又は均等な取り扱いをすることが困難であると認められる場合。


(3)個別の検討

指針では直接差別については、極めて常識的な内容となっており、詳細の説明
は省略するが、うっかり落としやすい点についてのみ述べたいと思う。

イ 採用募集

採用面接時に、女性のみに結婚予定の有無、子供が生まれた際の継続就労の
有無等の一定事項を質問すること。
 (聞く場合には男女ともに聞かなければならないと解釈できるわけである)
・男女別の採用予定人数を設定して、これを明示して募集すること。又は、設
定した人数に従って採用すること。

ロ 配置

時間外労働深夜労働の多い職務の配置にあたって、その対象を男性労働者
のみにすること。
・営業部門について男性労働者は全員配置の対象とするが、女性労働者につい
ては希望者のみを配置の対象とすること。

ハ 教育訓練

・接遇訓練について、その対象を女性労働者のみとすること。

<3> 間接差別

(1)間接差別の定義

間接差別の定義とは、性別以外の事由を要件とする措置であって、当該要件を
満たす男性及び女性の比率を勘案すると実質的に性別を理由とする差別となる
恐れがあると考えられるものを、合理的な理由がある場合でないときに講ずる
ことをいう。

具体的にいうと、性別に基づく措置ではなく、外見上は性中立的な規定、基準、
慣行等であるが、実態として当該基準を満たすものの構成比率が男性に偏り、
そのことが業務の遂行上特に必要とされていない場合をいう。

以下特に重要な点を具体的に検討をしていきたい。

(2)労働者の募集採用にあたって、労働者の身長、体重又は体力を要件とす
ること

上記は間接差別にあたると指針では述べている。
間接差別については、個別具体的な事案ごとに、総合的に判断が行われるもの
となっているが、以下の例については合理的な理由がなく間接差別にあたると
されている。

イ 荷物を運搬する業務を内容とする職務について、当該業務を行う為に必要
な筋力強い筋力があることを要件とする場合。

ロ 荷物を運搬する業務内容とする職務ではあるが、運搬等する為の設備、機
械等が導入されており、通常の作業において筋力を要さない場合に一定以上の
筋力があることを要件とする場合。

ニ 単なる受付、出入者のチェックのみを行う等防犯を本来の目的としていな
い警備員の職務について、身長又は体重が一定以上であることを要件とする場
合。

指針の見方としては、この例の反対のことであれば合理性があるということで
ある。

(3)コース別雇用管理における総合職の労働者の募集又は採用にあたって、
転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること

上記は間接差別にあたると指針では述べている。
間接差別については、個別具体的な事案ごとに、総合的に判断が行われるもの
となっているが、以下の例については合理的な理由がなく間接差別にあたると
されている。

イ 広域にわたり展開する支店、支社等が無く、かつ、支店、支社等を広域に
わたり展開する計画等も無い場合。

ロ 広域にわたり展開する支店、支社等はあるが、長期間にわたり、家庭の事
情その他特別な事情により本人が転勤を希望した場合を除き、転居を伴う転勤
の実態がほとんど無い場合。

ハ 広域にわたり展開する支店、支社等はあるが、異なる地域の支店、支社等
で管理者としての経験を積むこと、生産現場の業務を経験すること、地域の特
殊性を経験すること等が幹部としての能力の育成・確保に特に必要であるとは
認められず、かつ、組織運営上、転居を伴う転勤を含む人事ローテーションを
行うことが特に必要であるとは認められない場合。

この部分を心配されている経営者の方が多いが、この指針案では全面的に禁止
しているわけではなく、その必要性と実績を総合的に勘案して合理性の検討を
しましょうという無いようになっている。

自社の支店展開と人事についてもう一度考えて、対策を立てていくしかない。

(4)労働者の昇進にあたり、転勤の経験があることとすること

上記は間接差別にあたると指針では述べている。
間接差別については、個別具体的な事案ごとに、総合的に判断が行われるもの
となっているが、以下の例については合理的な理由がなく間接差別にあたると
されている。

イ 広域にわたり展開する支店、支社がある企業において、本社の課長に昇進す
るにあたって、本社の課長の業務を遂行する上で、異なる地域の支店、支社にお
ける勤務経験が特に必要であると認められず、かつ、転居を伴う人事ローテーシ
ョンを行うことが特に必要であるとは認められない場合に、転居を伴う転勤の経
験が必要であるとされる場合。

ロ 特定の支店の管理職としての職務を遂行する上で、異なる支店での経験が特
に必要とは認められない場合において、当該支店の管理職に昇進するに際し、異
なる支店における勤務経験を要件とする場合。

<4>婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止

これについては本稿で述べるまでもないが、不利益な取り扱いを考えるよりも、
保育所にすぐに入所できることと、病気になったときに子供を預かってくれる医
療保育所の整備が欠かせないことであり、一企業の対策ではどうにもならない点
である。

これについては、私のブログにて取り上げているので参考にされたい
http://norifumi.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_b2de.html

<5> 罰 則

今迄男女雇用機会均等法は、罰則がなかったのですが、厚生労働大臣(都道府
県労働局長)が事業主に対して報告を求めたにもかかわらず、事業主が報告を
しない、又は虚偽の報告をした場合には過料に処せられることとなった。

罰則が、罰金ではなく過料であるという点、違反に対してではなく報告に対し
てであるという点では、罰則が設けられたといってもそれをもって法律の実効
性が高まるということは考えにくい。
しかし、今後罰則の強化は想定しておくことが望ましいであろう。

<6> まとめ

今回の改正法では、間接差別について充実した内容となっているが、実務上は
自社の事業転換についてコース別雇用管理、転勤に関する基本方針を明確にす
ることにより対策は立てられると考える。

本稿は、指針案の検討であるので最終案では変更される可能性がある。
その際には、改めてお知らせしたいと考える。

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編集責任者 社会保険労務士 山本 法史
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