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告発と公益通報者保護

━━☆━━━━━━━━━━━━━━━━ 告発と公益通報者保護 ━━━━━━━━━━━━━━
         
 ┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏ C O N T E N T S┏┏┏┏ ┏┏┏┏ ┏┏
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 ┏┏    ◇ 公益通報者保護 
 ┏┏    ◇ 保護するべき内部告発の判断    
 ┏┏    ◇ 社外通報(告発)と守秘のバランス
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                   公益通報者保護
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 公益通報者保護法は、法令の有効性を確保する目的から、会社の法令違反を申告する従業員を保
護の対象としています。
簡単に言うと「労務提供先」「行政機関」「マスコミやら関連企業などの第三者機関」が通報先。
逆に言うとこれらへの通報・告発だけが公益通報者保護法で守られる、という訳です。そしてそれ
ぞれ保護要件が定められています。


●3つの通報先と保護要件

1.労務提供先
不正の目的で行われた通報でないこと
例えば、金品を要求したり、他人をおとしめるなどの目的の場合は保護されません。

2.行政機関
以下の2つを満たすことが必要です。
・不正の目的で行われた通報でないこと
・通報内容が真実であると信じる相当の理由があること

3.その他の事業者外部への通報を行おうとする場合
 以下の3つを満たすことが必要です。
・不正の目的で行われた通報でないこと
・通報内容が真実であると信じる相当の理由があること
・次のいずれかに該当すること
ア)事業者内部又は行政機関に公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足
 りる相当の理由がある場合

イ)事業者内部に公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造
 されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合

ウ)労務提供先から事業者内部又は行政機関に公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求さ
 れた場合

エ)書面(紙文書以外に、電子メールなど電子媒体への表示も含まれます。)により事業者内部に
 公益通報をした日から20日を経過しても、当該対象事実について、当該労務提供先等から調査を
 行う旨の通知がない場合又は当該労務提供先が正当な理由がなくて調査を行わない場合

オ)個人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当
 の理由がある場合


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                保護するべき内部告発の判断
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 内部告発が認められるか否かについては、
告発内容に真実と信じるに足る相当な理由があるかどうか(真実性)
・目的の正当性(公益性があるかどうか)
・手段、方法の妥当性……内部手続きを経ているか。不特定多数に告発する場合の正当性があるか)
などの点がポイントとなります。
 
 ちなみに裁判所は具体的な内部告発の保護の要否をどのように判断するかと言えば、従来の判例
には「もっぱら公益目的」としていることもありましたが、最近では、「もっぱら」まで要求する
例はあまりないようです。
このことは、裁判所が、不正の目的による場合を除き、告発対象事実の内容と告発行為の公益性の
バランスを重視しているからとも言えそうです。

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               社外通報(告発)と守秘のバランス    
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 不正疑惑解明という動機があっても、機密情報を不正に入手しこれを自らマスコミに積極的に情
報を持ち込み、それを通じて当該情報が公にされることを認識していた場合には、就業規則懲戒
処分事由該当性を認めることになります。
群英学園(解雇)事件(東京高判平14.4.17)では、予備校の不正経理問題に関し、内部の調
査書記官の手順を踏まず、いきなりマスコミ等に公表すると申入れた行為が、雇用契約上の誠実義
務に違反するものであり、これに基づく解雇が有効とされています。
 しかしこの判例にみられるような、公益通報者保護法の保護要件に該当しない内部告発の保護の
可否、とくにマスコミ等への外部通報の場合は厳格な保護要件が定められているなど、同法の保
護の範囲は極めて限定的であり、同法によってかえって告発行為が抑制される危険性が指摘されて
います。

 労働契約は、労働力を使用者の処分に委ねることを内容とし、人的・継続的な関係を基本とする
契約ですので労働者使用者間の信頼関係が重要視されるのです。つまり労働契約を締結すること
により、労働契約上の付随義務として誠実義務も負うことになり、その1つとして使用者の秘密を
保持する義務もあります。多くの会社の就業規則において、労働者に対し秘密保持義務が課され、
あるいは名誉・信用の失墜行為が禁止されており、これらの違反は懲戒処分解雇の理由となり得
るのです。

 しかし公益通報者保護法は、降格、減給その他不利益な取り扱いを禁止しています(5条1項)。
各種懲戒処分のみならず使用者人事権濫用も含まれます。
 従来の判例によれば内部告発の「正当性」の有無を判断し、正当性が認められるものについては
解雇等の不利益処分から保護されていました。平成18年4月1日に「公益通報者保護法」が施行
され、内部告発の正当性の判断は公益通報者保護法の保護要件に基づいてなされることになりまし
たが、基本的に従来の判例の判断枠組みから大きな変更はありません。
つまり、公益通報者保護法の保護要件を満たさない内部告発であっても、「正当性」が認められる
ものについては従来通り、解雇等の不利益処分から保護されます。従来の判例で認められてきた保
護水準から低下することはありません。
 
         ………………………………………………………………………………
Q.公益通報した労働者を、就業規則違反(企業秘密の漏えい禁止)により懲戒処分できますか。

A.公益通報については、労働契約上負っている秘密保持義務が解除されるため、懲戒処分はでき
  ません。
         ………………………………………………………………………………

Q.労働者が法令や内部規則に違反して、法令違反行為を証明する資料を取得した場合、保護の対
  象となりますか。

A.公益通報を理由とした解雇等の不利益取扱いは禁止されます。しかし、それとは別に、法令違
  反や内部規則違反を理由とした不利益取扱いについては、事例ごとに判断されることとなりま
  す。


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名無し

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