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高年齢法の改正1 ただちに65歳までの雇用が義務となる場合

こんにちは。
社会保険労務士の田中です。

いよいよ、高年齢者雇用安定法の改正(以下、改正法)が、
間近に迫ってきました。(平成25年4月1日施行)

今回から、複数回にわたって、主に厚生労働省が公表している
「高年齢者雇用安定法Q&A」をベースに、実務上で注意すべき点を
お伝えしてまいります。
(このコラムは、2013年2月現在の関係法令に基づいています。)

【 セミナーのお知らせ 】
2013年 3月 5日に新宿でセミナーを行います。
法改正への具体的な対応などをお知らせします。
詳しくはこちらをご覧ください。↓
http://www.tanakajimusho.biz/work/top/seminar20130305_2.pdf


第1回は、「改正法の施行後、すぐに65歳までの雇用確保義務が生じるか?」
という点を考えてみます。

【 結論 】
 改正法には経過措置があるので、ただちに65歳までの雇用確保が
企業に義務付けられる訳ではありません。
 しかし、経過措置が適用されるのは、平成25年3月31日までに、
再雇用の時に人選できるように労使協定を締結していた会社のみです
 労使協定を締結していなかったり、いまだに就業規則で人選の基準を規定している場合は、経過措置の対象とならず、法改正後は、希望者全員を65歳まで雇用することが義務付けられます。以下、順を追って解説します。


【 法改正の背景 】
 改正法は、老齢厚生年金の支給年齢の段階的な引き上げに関係しています。
今までは、老齢厚生年金報酬比例部分が60歳から支給されていました。
 つまり、会社を60歳の定年退職した人も、年金をすぐにもらえるので
「収入の空白期間」はありませんでした。しかし、平成25年4月1日以降は、
下記のように支給開始年齢が引き上がるため、60歳で会社を退職した場合、「収入の空白期間」が発生してしまいます。
 そのため、この空白期間を埋めるために、企業に対して、老齢厚生年金
支給開始年齢までの雇用を確保するよう、今回の法改正となりました。


 □ 老齢厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢 □

平成25年4月1日から平成28年3月31日まで 61歳
平成28年4月1日から平成31年3月31日まで 62歳
平成31年4月1日から平成34年3月31日まで 63歳
平成34年4月1日から平成37年3月31日まで 64歳

【 経過措置 】
 さて、上記の通り、老齢厚生年金の支給開始年齢は、
最終的に65歳になるまでは段階的に引き上げられます。
例えば、平成25年4月1日から平成28年3月31日に60歳になる人は、
61歳から老齢厚生年金をもらえます。

 これにより、再雇用をした60歳以上の社員が、老齢厚生年金
受給できるようになれば、その年齢以降は、引き続き、会社が
希望者のうちから契約更新する対象を人選できます。


【 企業としてのACTION 】
 人選ルールを残したい会社は、平成25年3月31日までに、
人選に関する労使協定を締結しておく必要があります。

 なお、労使協定に、60歳時の再雇用について規定してあるにもかかわらず、
その後の契約更新時の人選については規定していない例が散見されます。
(1年ごとの契約期間とすることが多いのですが、最初の1年間が終わって契約更新をする時の人選基準が設けられていないということです。)

 また、猶予措置として、平成23年3月31日までは、労使協定を締結する努力をしても締結出来なかった場合は、就業規則で人選を規定することが認められていました。(従業員数300人以下の企業)
 しかし、この場合も平成23年4月1日以降は、労使協定を締結しなければいけなくなっているので、ご注意ください。


【 参考 】
厚生労働省 高年齢者雇用安定法Q&A Q1-1 Q3-1

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田中事務所  特定社会保険労務士 田中理文
〒190-0022 東京都立川市錦町2-6-7 ヨネカワビル2F
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E-mail m-tanaka@tanakajimusho.com
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