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離職率が高い=ブラック企業?





2013年12月14日号 (no. 761)
3分労働ぷちコラム バックナンバーはこちら
http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【離職率が高い=ブラック企業?】
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■厚生労働省、離職率を公表する。


「ブラック企業」対策へ離職率公表…新年度から
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131202-OYT1T00107.htm


ブラック企業への対策として、離職率を強制ではないものの公表するとのこと。

離職率を公表すると、ブラック企業への対策になるらしいです。


私は以前から思っているのですが、どういう基準でブラック企業かどうかを判断しているのかイマイチ分からない。何か判断する基準があって、それに基づいてブラックかどうかを判断しているならば分かるのですけれども、現状はどうもブラック企業の定義からして曖昧です。

おそらく、残業代の未払いとかサービス労働とか、休暇を取得できないとか、そういう基準でザックリと判断しているのだと思います。大雑把ですが、そういうものだという前提で考えましょう。


ブラック企業対策として離職率を公表するようですが、どういう効果が期待できるのか。

「離職率が高い=ブラック企業」という印象を与えて、その企業に人材が集まらないようにしようとしているのか、取引先からの印象を悪化させようとしているのか。

どういう効果を狙っているのかは不明ですが、離職率が高いからといってダメな会社と判断するのは早計です。


離職率というのは相対数字であって、他の数字との掛け合わせによって算出されます。

絶対数字ならば、他の数字に影響を受けないのでゴマカシにくいのですが、相対数字の場合は、関連する数字を組み替えたりして、算出される数字をコロコロと変化させることができるので、数字だけを見て判断すると実態とは離れた結論に至ってしまう場合があります。

それゆえ、離職率という相対数字だけで何かを判断すると、歪んだ判断をしてしまいかねないのです。






■離職率で企業の印象が操作される。



おそらく、離職率が公表されると、その数字を見て、ブラック企業かどうかが判断されてしまうと思います。

先ほど書いたように、離職率は相対数字ですから、計算方法によって、コロコロと結果が変わります。


例えば、離職率を計算する際に、フルタイム社員だけを計算の対象にすれば、離職率は低くなる。なぜならば、パートタイム社員に比べてフルタイム社員は離職しにくいですから、離職しにくい人だけを計算の対象にすれば離職率は低くなる。

フルタイム社員だけでなく、パートタイム社員も含めて計算すれば、フルタイム社員だけで計算した場合よりも離職率は高くなるはずです。フルタイム社員よりもパートタイム社員の方が入退社の頻度が高いので、離職率も上昇しやすくなります。

ゆえに、フルタイム社員だけで仕事をしている職場に比べて、パートタイム社員がたくさんいる職場は、離職率の数字は高くなって当然なのです。よく槍玉に挙げられるワタミやユニクロは、パートタイム社員の数が多いため、他の企業よりも離職率が高くなってしまうのですね。

業種によって、上記のように、離職率の数字で有利不利があります。この違いを考慮せずに、単純に離職率を横に並べて比較しても、あまり有意義な結果は得られそうにありません。


業種以外にも、社員数によって離職率の数字は変わります。

社員数が多い会社の場合、例えば300人とか400人の社員がいる会社で、一度に4人が離職しても、ほとんど離職率は上昇しません。しかし、社員数が13人の会社で4人が一度に離職してしまうと、離職率はグッと上昇しますよね。

離職者の数はどちらも一緒なのに、離職率への影響は違うのです。

このように、企業の規模によっても離職率の数字で有利不利があります。


さらに、離職は会社が原因という場合もあるでしょうが、社員自身の原因で離職する場合もあります。転職のために離職するとか、引っ越しするから離職するとか、自営業で仕事をするから離職するとか、仕事に飽きたから離職するとか、社員側の理由で離職が発生することもあります。

離職率の数字だけを見ていると、離職の原因はすべて企業にあると思いがちですけれども、自発的な離職も含まれている可能性がありますから、離職率が高いからといってダメな会社と判断してはいけませんよね。


離職率とブラックさが結び付けられてしまい、企業に対する印象を操作するために利用されるのではないかと思います。離職率が高いと、離職の原因がさも企業にあるかのように錯覚させて、気に入らない企業をイジメるような結果にならないように願います。









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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。


タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
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そんな悩みをどうやって解決するか。

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Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
打刻機を用意しなくても勤務時間を記録できますし、給与計算のためにカードを
集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
書いてカードストッカーに入れることもなくなります。


始業や終業、時間外勤務休日勤務の出勤時間を自動的に集計できれば勤怠集計
の作業は随分とラクになるはず。

Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
出勤簿勤務時間を管理している企業にオススメです。
さらに、タイムカードのコピーをメールで送信して社員ごとに保存することができ
ますので、個人別に毎月の勤務記録を取り置くことができます。
また、勤務記録の改ざんや不正な打刻を把握できるログ機能もあります。

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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm20160307HT



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