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無期転換時の労働条件

人は、歳をとればとるほど角が取れて丸くなると言われていますが、現実にはそんなことはありません。
むしろ、歳をとればとるほど頑固になって、人のいうことを聞かなくなります。なにしろ、
年を取って来ると、頭の中は昔のままの自分をイメージしていますが、身体はそうは行きません。
年を取るに連れて、言うことをきかなくなって来ます。そして、身体がいうことをきかなくなってくるに連れ、
気持ちの方も余裕がなくなり、「我慢がきかなくなったり、短気になったり」するのです。
家庭でも些細なことにイライラして怒る事が多くなります。でも、絶対忘れてはいけないことは、年をとって
怒りっぽくなったのは、長年連れ添った妻も同じだということです。イライラしてついつい昔の亭主関白時代
のように妻にあたるときがあります。現役時代、せっせと給料を運んでいたころは、妻もムッとしながらも我慢
をしていたのでしょう。
でも定年退職後、毎月給料を運ぶこともなくなると、妻はもう我慢をしません。ちょっとした弾みで妻に
あたってしまい、“しまった”と思っても、もう手遅れです。その倍倍返しを受けて、自分のうかつさを嘆く
羽目になってしまうのです。
だから、定年後毎日家に居るようになったら、仮にイライラしても、決して妻にあたってはいけません。
グッとがまんして、鼻歌でも歌ってしのぐのです。
この「我慢」こそ、定年後の円満な家庭生活の保証なのです。

夫が毎日家に常駐することになって、妻が感じるストレスの中でも、もっとも大きいのは、今まで自由気ままに
使っていた昼の時間に、夫の昼食を作らなければならないことだそうです。
「全国亭主関白協会」会長の天野周一氏によると、昼食絡みで妻から一方的に離婚を切り出されたという男性の
相談がここ数年、急増しているそうです。
妻たちはなぜ、それほどまでに夫の昼食を作りたくないのか?
天野氏はこう説明しています。
「要するに妻としては、朝食は義務、夕食は仕事と割り切って作る代わりに、昼食は“自分だけの時間”と
いう思いがあります。昼は奥様としてランチを食べたり、ゆったり過ごしたりしていたのに、
“夫の定年後、その時間までつぶされるのはかなわない”というわけです。それに長い年月の間に蓄積された夫
への鬱憤なども重なっていると思いますよ」と。
夫は「たかが昼食くらいで・・・」と思っているかもしれませんが、「たかが昼食、されど昼食」です。
妻にとってはその後の結婚生活をも左右しかねない重大な問題のようです。

野末陳平さんが1984年に出した「妻よ自分の財産を持ちなさい」という本があります。改めてこの本を
読み返してみると、第1章は次の文章で始まっています。
「妻の財産のうち、何といっても一番大きいのは、夫です。土地やお金はこれから形成できるけれど、
夫という財産は即席で簡単に作るわけにはいきませんし、何しろこれまでの数十年の人生のモトがかかっています。
『夫のどこが財産なの?』と問われるまでもなく、ズバリいって、夫はほっといても給料を運んでくれる、
ありがたい、お金の運び屋です。おまけに、年金と保険つき。これが財産でなくて何でしょう。」・・・・、
「『それにしちゃ、給料が安いわ』こんな愚痴を言ったら、バチがあたる。給料とるのはどんなに大変か、
パートに出たり内職やれば、お金を稼ぐ辛さがわかるでしょう。夫はたとえ体調が悪くても会社へ行く、
お店に出る。イヤなことがあっても、ガマンして仕事に励む。そして必ず給料を運んでくるのです。
給料が安いからといって、文句を言われちゃ夫の腹の虫が納まらないでしょう。」
実に私ら世代の「現役時代」の夫の気持ちを言い当てています。この世代では、「専業主婦」なんて言葉が
流行った位、働く夫への妻の理解がありました。
但し、あくまで「現役時代」の夫への理解ですが・・・・。
“じゃあ、定年後はどうしりゃいいんだ?”と夫の嘆き節が聞こえてきそうですが、
“ウーン、やっぱり何と言うか、「亭主、元気で留守がいい」ようです。”

前回の「「ストレスチェック」Q&A」についての話、如何でしたでしょうか。
今回は、「無期転換時の労働条件」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○ 「無期転換時の労働条件
────────────────────────────────
改正労働契約法では、有期労働契約から無期労働契約へ転換する際の労働条件(職務、勤務地、
賃金労働時間など)は、別段の定めがない限り、直前の有期労働契約と同一となるとされています。
このため、「別段の定め」がどの程度まで認められるのかということが、実務上の最大の問題と
なります。
これについて通達では、「無期労働契約への転換に当たり、職務の内容などが変更されないにも
かかわらず、無期転換後における労働条件を従前よりも低下させることは、無期転換を円滑に進める
観点から望ましいものではない」としていますが、この通達からは賃金を引き下げることなどは
認められないだろうという判断はつくものの、条件変更が、どの程度まで認められるかが明確に
なっていませんでした。
厚生労働省が策定した質疑応答では、「無期転換後は勤務地や職務を限定しないこととし、
正社員並みの責任を負わせることを定めること」に問題がないかという内容があり、これについては、
別段の定めに正社員並みの責任を負わせることも含まれ得るとしています。
一方で、勤務地の限定については、「個々の有期労働契約において勤務地を限定する合意があった
ときに、例えば、就業規則において単に無期転換後の労働者に配転条項を適用する旨の規定が
置かれている場合などにおいて、個別合意と就業規則のいずれが優先されるかについては、個別の事案
ごとの判断が必要となると考えられる」としており、就業規則に規定がある場合でも、一律に勤務地の
限定なしという取扱いをすることは、トラブルに発展する可能性もないことはないようです。

 また、「実務上の必要性がないにもかかわらず、無期転換の申込みを抑制する目的で無期転換後の
労働者に適用される就業規則に配転条項等を定めることなど、就業規則の制定・変更の合理性が
認められない場合もあるものと考えられる」としています。これから判断すると、例えば実際に
勤務地の変更がある配置転換がほぼ想定されない状況で、無期転換後の労働条件に「転勤あり」と定め、
実質的に無期転換をおこなわせないことは問題になると判断できます。
 今後、無期転換する労働者が発生する前に、有期・無期の各々の労働者にどのような業務を与え、
どのような労働条件とするのかは、各企業で検討して規定化していく必要があるでしょう。

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