2015年7月21日号 (no. 887)
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本日のテーマ【固定残業代、残業申告制、残業許可制。全てダメ。】
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■利点が無い固定残業代制。
すでに過去のものになったかと思っていた固定残業代制ですが、未だにこの仕組みを利用している企業もあるようです。
過去にも何度も説明してきましたが、固定残業代そのものは法律には違反しません。それゆえ、法定時間外割増賃金を固定で支払うのはOKです。ただし、固定で支払う残業代を、必要な割増賃金が上回った場合は、差額を清算して支払う必要があります。
例えば、固定の基本給の中に30時間分の時間外手当を含む場合、1ヶ月の残業が30時間未満であるならば、割増賃金はキチンと支払われているので、問題は無いでしょう。ただ、この場合、基本給が最低賃金を下回らないように注意するのは当然です。
しかし、月間の残業時間が30時間を超えたときが問題です。もし、月に残業が37時間あったとすると、30時間を超えた7時間分は固定の残業代には含まれていないので、別途で計算し支払う必要があります。
超過分を清算して支払わないといけないため、固定残業代制は二度手間な仕組みです。
割増賃金は、スマホのようなパケット定額制のサービスとは違います。スマホならば数千円で毎月好きなだけネットを使え、支払いは定額です。今では、月額1,000円で3GBも通信できるサービスもありますから、定額で使い放題という価値観が定着しています。しかし、その価値観を労務管理に持ち込むのはダメです。
残業代を固定する利点は、決まった上限以上の費用が発生しないところにあります。しかし、固定残業代にはその利点がありません。超過した部分は清算して支払う必要がありますから、固定する利点は無いでしょう。
毎月30時間も残業はしない。残業代を一々計算するのが面倒。という企業ならば、残業代を固定するのもアリかもしれませんが、わざわざ余分に割増賃金を支払うのもヘンですよね。
■申告制でも許可制でも残業は減らない。
許可制や申告制で残業を防げるかのように説明する向きもありますが、許可制や申告制では残業は減りません。
許可や申告でもって残業をフィルタリングすれば、残業時間は減るだろうと思いがちですが、そのような仕組みは、導入して3ヶ月程度で形骸化します。
導入した当初は、皆張り切って残業が必要かどうかをチェックするのですが、徐々に面倒になって、申請された残業を全て認めてしまう。これが現実です。残業が必要かどうかは、上司では判断できず、残業をしている本人が必要だと判断すれば、上司は追認するしかなくなる。
嘘だと思うならば、実際に申告制や許可制を導入し、それらの方法で残業を食い止められるか試してみると良いでしょう。論より証拠です。
固定残業代や申告制、許可制でもって事後的に対処するのではなく、残業の原因となっている仕事の取り組み方を変えるのが正攻法です。
book758(固定残業代は「仮払い残業代」と表現すべき。)
http://www.growthwk.com/entry/2015/02/17/125742
book689(固定残業代にして、手当に残業代を含めて、残業代をケチろう。)
http://www.growthwk.com/entry/2014/03/13/132630
book522(必要な残業と不必要な残業の境目)
http://www.growthwk.com/entry/2011/11/18/131856
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メールマガジン【本では読めない労務管理の"ミソ"】のご紹介
内容の一例・・・
『定額残業代で残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
『半日有給休暇と半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』
など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。
本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。
【本では読めない労務管理の"ミソ"】
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http://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm20160307HT
※配信サンプルもあります。
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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。
タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで勤務時間を集計しないといけない。
しかも、給与の締め日から支給日までの短期間で集計作業をしないといけないので、
作業する人にとっては勤務時間の集計は悩みのタネですよね。
そんな悩みをどうやって解決するか。
そこで、電子タイムカードの Clockperiod が登場です。
Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
打刻機を用意しなくても勤務時間を記録できますし、給与計算のためにカードを
集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
書いてカードストッカーに入れることもなくなります。
始業や終業、時間外勤務や休日勤務の出勤時間を自動的に集計できれば勤怠集計
の作業は随分とラクになるはず。
Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
や出勤簿で勤務時間を管理している企業にオススメです。
さらに、タイムカードのコピーをメールで送信して社員ごとに保存することができ
ますので、個人別に毎月の勤務記録を取り置くことができます。
また、勤務記録の改ざんや不正な打刻を把握できるログ機能もあります。
▽ ▽ < Clockperiodの利用はこちら > ▽ ▽
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_clockperiod20160307HT
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残業で悩んでいませんか?
「長時間の残業が続いている」
「残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」
こういう悩み、よくありますよね。
ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。
法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。
とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?
毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。
例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。
「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。
『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm20160307HT
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