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昔の就業規則・・・男女で差のある手当が残っているが違法か?

こんにちは。社会保険労務士の田中です。


☆☆☆☆ 化石のような就業規則が出てきた ☆☆☆☆

常時10人以上の労働者を使用する事業所には次が義務付けられています。
就業規則を作成すること
労働基準監督署へ届け出ること (労働基準法 第89条)

ところで小規模な会社の中には、就業規則を届け出たものの、
その後の労働法関連の法改正にはあまり対応せずに、
就業規則の内容が古くなっていくケースもあります。
時に化石のようになった就業規則に出会うことがあります。

とは言え、さすがに週労働時間が48時間になっている、
定年年齢が55歳になっている、年休が6日しかない、
という就業規則を見かけることは令和の現在、それ程ありません。

一方、過去には使われていたが現在では不要となった条文が
削除されずにそのまま残っているケースもあります。
今回は、このパターンをQA形式でお伝えします。


【 質問 】
当社は従業員が約20人、社歴は約50年の会社です。
私は経理が専門ですが、その傍らで総務業務も担当しています。

数日前に労働基準監督署から調査をするという連絡があり、
就業規則も準備するように言われました。
普段、就業規則など意識したことが無かったのですが、
社長に伝えると古い書類が雑然と詰め込まれている
キャビネットの中から就業規則を取り出してきました。

表紙を見ると労働基準監督署の判が押してありますが
日付は昭和53年となっています。当然、内容も古いのですが、
気になったのは次の手当に関する規定です。

第10条 住宅手当
住宅手当世帯主である男性従業員に5,000円を支給する。

堂々と「男性従業員」だけを対象としています。
今では、住宅手当は支払われていないのですが
この部分が違法と労働基準監督署に指摘されないでしょうか?


【 回答 】
大いに問題のある条文ですが、現在、住宅手当は支払われていない
ということであれば、違法ではありません。
但し、この定めの通り運用されていて実際に男性従業員にのみ
住宅手当が支給されている場合は、労働基準法に違反します。

労働基準法では第4条(男女同一賃金の原則)が該当します。

使用者は、労働者が女性であることを理由として、
 賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」

そして、次の通達があります。

『本条の違反が成立するのは、現実に差別的取扱いをした場合であって、
 単に就業規則において差別的取扱いをする趣旨の規定を設けただけでは、
 その規定が無効となるにとどまり、本条の違反とはならない。』
(昭23.12.25 基収第4281号 平9.9.25 基発第648号)

とは言え、労働基準法等には多くの改正があります。
最新の内容にメンテナンスした上で、
従業員の皆様に周知する必要があります。
これを機会に見直しされることをお奨めします。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。(2022.04.20)

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