「サラリーマン」は、
雇用主からSalary(俸給)を貰って生活している人を指す和製英語で、第一次大戦後の
「大正バブル期」に当時の「働き方改革(肉体労働から頭脳労働へ)」の一環として生まれたそうです。
2022年の労働力調査によると、就業者数67百万人の内約9割(66百万人)がサラリーマンであり、まさに日本経済の
屋台骨を背負っています。
昭和の高度成長期に「終身
雇用制度」というサラリーマン制度の骨幹的部分が形成されました。
ライバル企業よりも優位に立つために新人を長期間育成して有能な人材に育て上げ、終身、自社に貢献して貰いたい
という企業の狙いからこの制度が生まれ、定着して行ったようです。
その後、バブル経済の崩壊でこれまで調子の良かった企業が次々と崩壊し、「就職氷河期」が始まりました。
そして1998年以降からは「終身
雇用制度」の崩壊も始まりました。2000年代になり、
労働基準法などを無視した過酷な
労働環境下で社員を働かせる「ブラック企業問題」が出て来て大きな社会問題となりました。そして、労働環境と
並んで問題視されたのが「少子高齢化問題」です。生産年齢人口の減少や国際競争の激化で長時間労働など労働環境の
悪化が問題となっていたのに加え、少子高齢化問題で深刻な人手不足による生産性の低下や労働環境の更なる悪化が
懸念されたのです。
ところで、日本が猛烈な経済成長を遂げた高度経済成長期のサラリーマンの日常生活はどういうものだったのでしょうか?
本当に「気楽な稼業だったのでしょうか?
当時の流行語大賞に選ばれたのが「24時間戦えますか?」という栄養ドリンクCMのキャッチフレーズです。
このCMは、徹夜もなんのその、猛烈に働くことが美徳とされた頃の日本の姿を象徴しています。とにかく長時間働くことが
当たり前で、異常とは思われない時代でした。この背景には終身
雇用、年功序列という
雇用システムがありました。
就職したら一生その会社で働くのが当たり前。「忖度」はすべて上司に向いていて、ライバルは社内、家より会社に
帰属意識を持つ強固な「会社内タテ社会」を生抜く必要があったのです。
そんな中で幹部は派閥争いや出世争い…と社内での戦いには力を入れていました。「白い巨塔」「集団左遷」「半沢直樹」。
こうしたサラリーマンが主役のテレビドラマに描かれる物語は、大げさではありますが、会社の中で実際に起きた事象も
現わしていました。そして、社内で出世レ-スを勝ち抜くために必須だったのが「仕事時間の長さ」だったのです。
上長からの評価は、会社の為に(=上司の為に)どれだけたくさん汗を流せるか。そういう馬力比べ時代の象徴が
「24時間戦えますか?」だったとも言えるかもしれません。
でも、本当に24時間戦ってしまったら身体を壊してしまいます。
だから、適当な息抜き場所で適当に息抜きもしていたのです。
当時は喫茶店と呼ばれていましたが、街のあちこちに色々なタイプの喫茶店があり、そこはサラリーマンの昼寝や
休憩場所でした。スマホは勿論のこと、携帯電話もない時代ですから、営業回りと称して一旦会社を出ればあとは滅多に
上司から居場所を捕捉されません。そこで、夕方までうまくサボりつつ、夕方から会社で残業して頑張っている姿を
アピールするのです。24時間ずっとは戦えないから、うまく手を抜かないとやっていられないからです。夕方5時から
頑張れば、上司に気にいられるし、
残業代も増える。喫茶店での昼寝は、長時間労働時代の必然的ワークスタイル
だったのです。
さて、前回の「
通勤途上の喧嘩は労災?」は如何だったでしょう?
今回は「70歳以上
従業員の
社会保険」の話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「70歳以上
従業員の
社会保険」
65歳から70歳迄の就業機会の確保を努力義務とした高齢者
雇用安定法の改正もあり、企業では高齢者
従業員の
雇用が
増加しています。では70歳以上
従業員の
社会保険加入資格は、どうなっているのでしょうか
(会社(
適用事業所)に勤務する
従業員の
厚生年金の加入年齢の上限は70歳、
健康保険の加入年齢の上限は75歳となり、
以降の年齢においては原則として
厚生年金および
健康保険被保険者の資格を取得することはありません)。
しかしながら、70歳以上において
雇用されている
従業員については
被保険者と同様、会社が「70歳以上被用者」に
関する各種の届け出を行う必要があります。
これは、
老齢厚生年金が
報酬に対応して支給停止される「
在職老齢年金」に対応する手続きで、70歳以上における
報酬の状況、すなわち「
標準報酬月額相当額」を届け出るものです。
「70歳以上被用者届」については年齢の上限はなく、手続きが必要となります。
次のいずれかに該当する場合に「
70歳以上被用者該当届」の手続きが必要となります。
(1)70歳以上の
従業員が新しく入社するとき、(2)
社会保険に加入している
従業員が70歳に達したとき。
ただし、
従業員が以下の両方の要件を満たす場合となります。
(1)70歳以上で、過去に
厚生年金の
被保険者期間がある。
(2)
法人の代表者、経営に参画している
役員、常勤(
契約勤務時間が週の
所定労働時間が30時間以上
かつ2ヶ月以上の
契約)
従業員のいずれかである(※
報酬を受けない者を除く)。
「サラリーマン」は、雇用主からSalary(俸給)を貰って生活している人を指す和製英語で、第一次大戦後の
「大正バブル期」に当時の「働き方改革(肉体労働から頭脳労働へ)」の一環として生まれたそうです。
2022年の労働力調査によると、就業者数67百万人の内約9割(66百万人)がサラリーマンであり、まさに日本経済の
屋台骨を背負っています。
昭和の高度成長期に「終身雇用制度」というサラリーマン制度の骨幹的部分が形成されました。
ライバル企業よりも優位に立つために新人を長期間育成して有能な人材に育て上げ、終身、自社に貢献して貰いたい
という企業の狙いからこの制度が生まれ、定着して行ったようです。
その後、バブル経済の崩壊でこれまで調子の良かった企業が次々と崩壊し、「就職氷河期」が始まりました。
そして1998年以降からは「終身雇用制度」の崩壊も始まりました。2000年代になり、労働基準法などを無視した過酷な
労働環境下で社員を働かせる「ブラック企業問題」が出て来て大きな社会問題となりました。そして、労働環境と
並んで問題視されたのが「少子高齢化問題」です。生産年齢人口の減少や国際競争の激化で長時間労働など労働環境の
悪化が問題となっていたのに加え、少子高齢化問題で深刻な人手不足による生産性の低下や労働環境の更なる悪化が
懸念されたのです。
ところで、日本が猛烈な経済成長を遂げた高度経済成長期のサラリーマンの日常生活はどういうものだったのでしょうか?
本当に「気楽な稼業だったのでしょうか?
当時の流行語大賞に選ばれたのが「24時間戦えますか?」という栄養ドリンクCMのキャッチフレーズです。
このCMは、徹夜もなんのその、猛烈に働くことが美徳とされた頃の日本の姿を象徴しています。とにかく長時間働くことが
当たり前で、異常とは思われない時代でした。この背景には終身雇用、年功序列という雇用システムがありました。
就職したら一生その会社で働くのが当たり前。「忖度」はすべて上司に向いていて、ライバルは社内、家より会社に
帰属意識を持つ強固な「会社内タテ社会」を生抜く必要があったのです。
そんな中で幹部は派閥争いや出世争い…と社内での戦いには力を入れていました。「白い巨塔」「集団左遷」「半沢直樹」。
こうしたサラリーマンが主役のテレビドラマに描かれる物語は、大げさではありますが、会社の中で実際に起きた事象も
現わしていました。そして、社内で出世レ-スを勝ち抜くために必須だったのが「仕事時間の長さ」だったのです。
上長からの評価は、会社の為に(=上司の為に)どれだけたくさん汗を流せるか。そういう馬力比べ時代の象徴が
「24時間戦えますか?」だったとも言えるかもしれません。
でも、本当に24時間戦ってしまったら身体を壊してしまいます。
だから、適当な息抜き場所で適当に息抜きもしていたのです。
当時は喫茶店と呼ばれていましたが、街のあちこちに色々なタイプの喫茶店があり、そこはサラリーマンの昼寝や
休憩場所でした。スマホは勿論のこと、携帯電話もない時代ですから、営業回りと称して一旦会社を出ればあとは滅多に
上司から居場所を捕捉されません。そこで、夕方までうまくサボりつつ、夕方から会社で残業して頑張っている姿を
アピールするのです。24時間ずっとは戦えないから、うまく手を抜かないとやっていられないからです。夕方5時から
頑張れば、上司に気にいられるし、残業代も増える。喫茶店での昼寝は、長時間労働時代の必然的ワークスタイル
だったのです。
さて、前回の「通勤途上の喧嘩は労災?」は如何だったでしょう?
今回は「70歳以上従業員の社会保険」の話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「70歳以上従業員の社会保険」
65歳から70歳迄の就業機会の確保を努力義務とした高齢者雇用安定法の改正もあり、企業では高齢者従業員の雇用が
増加しています。では70歳以上従業員の社会保険加入資格は、どうなっているのでしょうか
(会社(適用事業所)に勤務する従業員の厚生年金の加入年齢の上限は70歳、健康保険の加入年齢の上限は75歳となり、
以降の年齢においては原則として厚生年金および健康保険被保険者の資格を取得することはありません)。
しかしながら、70歳以上において雇用されている従業員については被保険者と同様、会社が「70歳以上被用者」に
関する各種の届け出を行う必要があります。
これは、老齢厚生年金が報酬に対応して支給停止される「在職老齢年金」に対応する手続きで、70歳以上における
報酬の状況、すなわち「標準報酬月額相当額」を届け出るものです。
「70歳以上被用者届」については年齢の上限はなく、手続きが必要となります。
次のいずれかに該当する場合に「70歳以上被用者該当届」の手続きが必要となります。
(1)70歳以上の従業員が新しく入社するとき、(2)社会保険に加入している従業員が70歳に達したとき。
ただし、従業員が以下の両方の要件を満たす場合となります。
(1)70歳以上で、過去に厚生年金の被保険者期間がある。
(2)法人の代表者、経営に参画している役員、常勤(契約勤務時間が週の所定労働時間が30時間以上
かつ2ヶ月以上の契約)従業員のいずれかである(※報酬を受けない者を除く)。