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年次有給休暇の取得が過去最高

先日,自宅に来た知人が、手土産に「タイ焼き」を持ってきてくれたので一緒に食べました。
十数年振りのタイ焼きでしたが、思った以上にあんこがたっぷり入っていて美味しかった。
そしてタイ焼きを食べながら何となく「およげ!タイやきくん」の歌が頭に浮かびました。
「およげ!タイやきくん」は、子供向けの番組「ひらけ!ポンキッキ」のオリジナルナンバー
として1975年(昭和50年)に発表されました。タイ焼きは、当時はイベントの出店やスーパーの
軒先で必ずと言っていいほど売られていて、子供たちの大好きな食べ物でした。
ところが、「およげ!たいやきくん」は子供向けの歌と思いがちですが、歌詞をよく眺めると、
実は昭和時代のサラリーマンの気持ちを代弁しているのでないかとも思われるのです。
「タイやきくんをサラリーマン」と読み替えて歌詞をみるとその風景が見えてきます。
「ブラック企業やハラスメン」という言葉もなかった時代のサラリーマン。ハラスメントは当たり前で、
プライバシーは守られず、週休2日制の会社なんてごく僅かでした。こんな労働環境を当たり前だと
思いつつも何か解せない気持ちを「タイやきくんが代わりに言ってくれた」と感じたのではないでしょうか。

およげ!タイやきくん」が流行った時期は、日本の高度経済成長期(昭和30年からのおよそ20年間)でした。
植木等さんが「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌った時期と重なります。
当時の日本経済は、年平均で10%もの成長を続けました。需要がどんどん膨らみ経済成長を続ける時代は、
多くの人が幸せをつかむチャンスがありました。 
でも、バブル崩壊直後の1990年代から日本は「失われた30年」とも言われる長期停滞の時期に突入して
しまいました。かつては物価と賃金の高さで注目されていた東京。然し今や日本の賃金水準は
経済協力開発機(OECD)の中でも相当下位にあり、主要7カ国(G7)の中では最下位となってしまいました。

ポスト・コロナの時代は、昔は気楽な稼業とも言われたサラリーマンの姿は、随分変わったものになって
行くでしょう。企業は生き残りをかけて人事制度の改革に本格的に取り組んでいます。
メンバーシップ型からジョブ型制度への変更です。この制度では社員個々人の職務知識や業務遂行能力が
厳しく問われてきます。社員は自分の職務遂行能力の向上に必死となるでしょう。そして会社との繋がりも
大きく変改して行くでしょう。
なぜなら、専門職として個人事業主化した社員個人と会社が業務委託契約のような契約関係で繋がるように
なってくれば、会社の中の上下関係や同じポジション同士の社員のつばぜり合いは、あまり意味のある話では
なくなるからです。中間管理職のうちのほとんどが存在意義を失ってしまうかもしれません。

 昭和の時代のサラリーマンも決して「気楽な稼業」ではありませんでしたが、仕事帰りに同僚と一杯やる
仲間意識はありました。これからのサラリーマンはその仲間意識もなくなってしまうような雰囲気になって
しまうのでしょうか…?

さて、前回の「労働条件明示ルール」は如何だったでしょう?
今回は「年次有給休暇の取得が過去最高」の話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
  「年次有給休暇の取得が過去最高」
厚生労働省の令和5年「就労条件総合調査」の結果によると、令和4年の年次有給休暇の付与日数の平均は
17.6日(前年調査17.6日)、実際に取得した日数は10.9日(同10.3日)で、平均取得率は62.1%(前年比3.8ポイント増)
と初めて6割を超え、昭和59年以降では過去最高となりました。
産業別にみると、郵便局、農業協同組合等の「複合サービス事業」が74.8%と最も高く「宿泊業、飲食サービス業」が
49.1%と最も低くなりました。
政府は、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和3年7月30日閣議決定)において、令和7年までに
年次有給休暇取得率を70%以上とすることを目標に掲げています。
厚生労働省は、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」として、年次有給休暇を取得しやすい環境整備を推進する
ための集中的な広報を行っています。今年は「年次有給休暇の計画的付与制度」の導入、年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式の活用方法」についてリーフレットで紹介しています。
平成31年4月に年次有給休暇の年5日の取得義務が施行されて以来、年次有給休暇の取得率は過去最高となりましたが、政府目標の70%には及ばない状況です。年次有給休暇の取得率を上げるにはどのような取組みが必要なのか、取得の進まない企業は厚生労働省の年次有給休暇取得促進特設サイトなども参考にしながら検討してみては如何でしょうか。

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