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通勤時間・移動時間と労働時間の関係

こんにちは 社会保険労務士の三木です。
また、暑い夏がやってきますね。
今回は通勤時間のうちでも移動時間と呼ばれる時間についてのお話です。

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通勤時間・移動時間と労働時間の関係

現場へ着くまでの時間、あるいは現場から会社へ戻ってくる時間は、労働時間なのかそれとも通勤時間なのか→直行直帰する場合は通常問題なく通勤時間でしょう。
労働基準法には労働時間の内容を細かく定義した条文はありません。
→ちなみに労災保険法上は出張の移動は通勤災害でなく業務災害扱いになります。

※移動時間については大まかに二つの考え方があります。
①移動時間は通勤時間と同じ性質のものであり労働時間ではないとする考え方
②移動中も事業主の支配管理下にある拘束時間であり労働時間であるとする考え方

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例を挙げますと、業種によって日常的に事業所に集合し、会社の車両に分乗し就業の場所に向かう場合があります。これは、日によって勤務場所が変わるということであり通勤時間もそれにより変化します。その場合、時には自宅から現場に直行し、業務終了後自宅に直帰する場合もあろうかと思います。事業所から就業場所までの距離はその日によって変わるわけです。

このような場合でも労働時間としては就業場所での始業時刻から終業時刻までということになり、始業時刻前あるいは終業時刻後に労働すれば時間外労働として取り扱われます。使用者の支配下に入るのは就業場所に到着した後であるから、一般的には通勤時間は労働時間とは見られません。自己責任を持って現場に赴くべきであるところ、便宜上会社の車両に同乗させてもらうということでしょうか。(自車両を使用すれば燃料代を支給すべきもの)

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☆すなわち、通勤の延長としての意味しか持たない移動時間の場合には労働基準法上の労働時間にはならず、現場へ行くときの集合時刻が極端に早いときでも、その時間は労働基準法賃金の支払義務は発生しないということです。しかしながら、就業場所が社会通念上著しく遠いような場合には、労働者が通常の場合よりも自由時間を犠牲にすることになります。
ここはやはり、近場で作業する他の労働者等との不均衡が発生しますので、なんらかの形で公平化を図ることが必要だろうと考えます。

※ただし、その日車両の運転を担当する者については運転自体が業務であり労働時間となるので、当然賃金が発生することになります。

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☆出勤から帰社までの時間を通算して賃金算定するのが適当でないとすれば、手当として処理する方法が考えられます。金額の算定としては現場までの時間、あるいは距離を合理的基準とすればよいでしょう。多くの企業は出張の距離や所要時間などに応じて「手当」や「日当」を支給しています。支給額などをめぐる争いが起きないよう会社側は手当や日当の性質、支給基準を明示する必要がありますし、社員も内容を確認しておくことが肝心です。

なお、出張する場合の移動時間についての判例には、「出張の際の往復に要する時間は労働者が日常出勤に費やす時間と同一性質であると考えられるから、右所要時間は労働時間に算入されず、したがって時間外労働の問題は起こり得ないと解するのが相当である」とするものがあります(日本工業検査事件・横浜地裁判決昭49.1.26)。
 
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三木経営労務管理事務所
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