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<第256回>タクシー王子はマーケティングで改革に挑む!

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シリーズ「マーケティング活動に威力を発揮するコンピテンシー!」

<第256回>[(第19話)タクシー王子はマーケティングで改革に挑む!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「マーケティング
活動に威力を発揮するコンピテンシー!」と題して様々な角度から鋭く分析した
良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経
営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思いま
す。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「タクシー王子はマーケティングで改革に挑む!」
1.日本交通とは!
2.入社したら沈没寸前の会社になっていた!
3.総スカン、自信のうろこが剥がれ落ちていく!
4.資産売却、借金返済!
5.高級路線と接客コンピテンシーで勝負に出る!
【3】今日のポイント
【4】編集後記

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都心のタクシーも値上げ論争が活発になってきましたが、タクシー業界はどこも
経営不振にあえいでいます。

しかもタクシードライバーの年収は300万円前後、中高年の人が多く子供の学費、
家のローンなどにもっともお金の掛かる時期だけに大変です。

そんな環境の中、倒産の淵から見事再生を果たした若きタクシー王子が率いる日
本交通は高級化路線とサービスという顧客価値を提供し黒字浮上しました。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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日本交通の社長の奥様と呼ばれていた母のプライドを維持するためにも再建しな
ければという思いで一心不乱にがんばりました。

高鍋一朗

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【2】メルマガ本論

[(第19話)タクシー王子はマーケティングで改革に挑む!]


1.日本交通とは!

設立は1945年(昭和20年)ですが、創業は現三代目社長の祖父が銀座でたった
一台で始めた桜にNのマークのタクシーがルーツです。

現在本社は東京都品川区八潮にあります。資本半は1億円、従業員630人、売上
げ高463億円の最大手です。

社長は三代目の川鍋一朗氏40歳、アメリカ留学経験がありMBAを取得してい
ます。

タクシー1932台、ハイヤー577台で運営し、他に子会社数社を保有しています。
私が住むさいたま市にも日本交通のタクシーが走っています。

日本交通のホームページには「変わり行く社会の中で変わらない誠意を、「桜に
N」のブランドに託して日本交通は皆様と一緒に、これからも走り続けます」と
あります。


2.入社したら沈没寸前の会社になっていた!

アメリカ留学から帰国後外資系の企業に入社、29歳で父が経営する日本タク
シーに入社し、いきなり取締役に就任しました。

入社して初めて分かったのはゴルフ場、ホテルなど30近い本業以外の子会社
があり赤字を垂れ流していたことと1,900億円もの借金があったことです。もう
倒産寸前でした。

取締役会に出席してみてさらに驚きました。危機感はまるでなし、中には会議
中いびきを掻いて寝ている役員もいて怒り心頭に達しました。



3.総スカン、自信のうろこが剥がれ落ちていく!

カタカナ語を交えて役員たちに文句を言ったところ全役員に否定され、ボンボン
扱いされたのです。四面楚歌を感じずに入られませんでした。

ならば「オレの実力を見せてやろうじゃないか。オレはMBAを取ったんだぞ」
とばかり子会社を設立してタクシー事業をやってみました。成功のビジネスモデ
ルを見せてやろうと思ったのでした。しかし結果は散々でした。

自信のうろこが一つずつ剥がれ落ちていく思いを感じました。何がMBAだ。M
BAなんて「間抜け、バカ、アホ」じゃないかと揶揄されている気持ちに陥りま
した。

経営学で経営がうまくいくのなら大学教授やコンサルタントでうまくいくはずで
すが、経営とはそんな甘いものではないのです。

現場に入り、身を粉にして社員と一緒に働いてみることからやり直しました。泥
をかぶり泥臭くやっているうちに社員たちの見る目が変わっていくから不思議で
す。



4.資産売却、借金返済!

ゴルフ場やホテルなどの資産は全て売却、川鍋家の象徴でもあった豪邸まで売却
しました。本社も赤坂の一等地から品川に移転しました。

さらに100人規模のリストラも断行しました。

母には「ゴルフの会員権まで売っちゃったの。ゴルフができないじゃない」と悲
しそうな顔をされましたが我慢してもらいました。

そして1,900億円の借金は全て清算したのです。全くのゼロからの再出発です。



5.高級路線と接客コンピテンシーで勝負に出る!

黒塗りのタクシー(黒タク)を導入し、高級オフィスビルに営業攻勢をかけまし
た。その上でコンサルタントに依頼し、ドライバーの接客技術を磨かせました。

お客様にお乗りいただく姿勢を明確にしたのです。社内の広告は一切なくしまし
た。お乗りいただいたらそのタクシーはお客様の空間ですから。

ドライバーは降りて行ってドアを開け、お客様の頭がぶつからないように頭に手
を添えて誘導します。みだりに話しかけたりせず、スポーツや宗教に関する話題
は禁句としました。嫌悪感を与える心配があるからです。当たり障りのない話題
で会話をするのです。

最初はうまく接客できないドライバーも多かったのですが徐々に慣れてきました。
接客コンピテンシーが板についてきた証でもあるのです。

パソコンに慣れた若者を多数コールセンター要員として雇用し、従来3分か掛か
っていたものが今では30秒で配車完了です。スピード配車はお客様から好評で
す。

お客様からお褒めの言葉をいただいたり、何かいいことをした社員に対しては朝
礼でみんなで拍手の嵐を送ります。その社員だけでなく民なのモチベーション
一層高まることでしょう。

(今回の参考資料:テレビ東京カンブリア宮殿2007年5月14日放送、他)



【3】今日のまとめ

1.MBAを取得していれば経営の神様、これは全く当てはまらないこと。

2.経営トップほど現場を学び、泥をかぶり社員とともに働いてみる下積みから
社員との一体感が生まれること。

3.高級化路線とサービスの強化に舵を切る経営は正解であったこと。

4.高級化路線にふさわしいドライバーの接客コンピテンシーを同時に磨くこと
  が大事であること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



【4】編集後記

母の葬儀告別式に際して、日本交通の黒タクに送迎の依頼をしました。さいたま
市にも日本交通の拠点があるからです。

そのドライバーは今回の記事にたがわずとても親切で、しかも近道をして料金を
安くしてくれました。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回に続く


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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/

(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから http://www.ss-net.com

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