◆事例:定期健診時の
賃金カット
当社では毎年
従業員に定期健診を受けさせていますが、職場離脱の時間に見
合う
賃金はカットしています。ところが一部の
従業員から、会社の義務として
受診させるのだから
賃金カットはおかしいとの意見が出てきました。受診時間
も
賃金を払う必要があるのでしょうか。
◇回答----------------------------------------------------------------
定期健診は安全衛生法で定められた義務ですが、原則としてこれに要した時
間の
賃金を支払うことまで求めてはいません。
就業規則に支払に関する定めが
なく、従来から
賃金カットしていたのであれば今後も支払う必要はありません。
■解説----------------------------------------------------------------
健康診断には大きく分けて一般
健康診断と
特殊健康診断の2つの種類があり
ます。
さらに一般
健康診断の方は、雇い入れ時と雇い入れ後の定期に行う
健康診断
があります。事例は
定期健康診断の方です。
健康診断は安全衛生法に基づく事業主の義務であることから、これに要する
一切の負担は事業主が負うべきとの考え方もあります。確かに上場企業、大企
業の多くは、健診
費用はもちろん、健診に要した時間も「
無事故扱い」として
賃金カットはしないのが一般的です。そのため、大企業から転職してきた者か
らすると、事例のような話は理解できないこととなります。
しかし、一般
健康診断の目的は、
従業員の一般的な意味での健康の維持、増
進であり、業務遂行との関連性は必ずしも高いとは言えず、これを
労働時間に
算入するかどうかは労使に委ねられています。特に中小企業においては、強い
労組がある会社は少なく、わざわざ支払を希望する事業主もいないことから、
一般的には
賃金支払の必要はないと考えられています。
従って、その時間は不
就労時間として取り扱い、月額支給の場合は
賃金カッ
トも可能です。もちろん、支払義務がないということなので、会社の考え方や
労使の話し合いで支給するとしても差し支えありません。
中小企業の健診は健診車が来てくれず、
従業員が
契約先の病院へ
出向いてい
くことも多くあり、その往復の時間も馬鹿になりません。できれば一律カット
でなく何らかの緩和策を考えた方が
従業員の
モラールアップにつながります。
もちろん、他の条件ダウン時にバーターで行う等、タイミングは必要です。
それと、いずれの場合にせよ
賃金規程等にこれらの件について定めておいた
方が良さそうです。また、不
就労時間とはいっても欠勤や遅刻とは性質が異な
ることから、
出勤率等の
算定にあたっては、いわゆる
無事故扱いとすべきでし
ょう。
なお、
危険有害業務等の従事者を対象とする
特殊健康診断については、会社
の業務遂行と不可分の関係があることから、
費用、時間とも事業主の負担とな
ります。
賃金カットは「
賃金不払い」とされますので注意が必要です。また、
特殊健康診断を時間外に実施した場合は、
割増賃金を払う必要もあります。
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◆事例:定期健診時の賃金カット
当社では毎年従業員に定期健診を受けさせていますが、職場離脱の時間に見
合う賃金はカットしています。ところが一部の従業員から、会社の義務として
受診させるのだから賃金カットはおかしいとの意見が出てきました。受診時間
も賃金を払う必要があるのでしょうか。
◇回答----------------------------------------------------------------
定期健診は安全衛生法で定められた義務ですが、原則としてこれに要した時
間の賃金を支払うことまで求めてはいません。就業規則に支払に関する定めが
なく、従来から賃金カットしていたのであれば今後も支払う必要はありません。
■解説----------------------------------------------------------------
健康診断には大きく分けて一般健康診断と特殊健康診断の2つの種類があり
ます。
さらに一般健康診断の方は、雇い入れ時と雇い入れ後の定期に行う健康診断
があります。事例は定期健康診断の方です。
健康診断は安全衛生法に基づく事業主の義務であることから、これに要する
一切の負担は事業主が負うべきとの考え方もあります。確かに上場企業、大企
業の多くは、健診費用はもちろん、健診に要した時間も「無事故扱い」として
賃金カットはしないのが一般的です。そのため、大企業から転職してきた者か
らすると、事例のような話は理解できないこととなります。
しかし、一般健康診断の目的は、従業員の一般的な意味での健康の維持、増
進であり、業務遂行との関連性は必ずしも高いとは言えず、これを労働時間に
算入するかどうかは労使に委ねられています。特に中小企業においては、強い
労組がある会社は少なく、わざわざ支払を希望する事業主もいないことから、
一般的には賃金支払の必要はないと考えられています。
従って、その時間は不就労時間として取り扱い、月額支給の場合は賃金カッ
トも可能です。もちろん、支払義務がないということなので、会社の考え方や
労使の話し合いで支給するとしても差し支えありません。
中小企業の健診は健診車が来てくれず、従業員が契約先の病院へ出向いてい
くことも多くあり、その往復の時間も馬鹿になりません。できれば一律カット
でなく何らかの緩和策を考えた方が従業員のモラールアップにつながります。
もちろん、他の条件ダウン時にバーターで行う等、タイミングは必要です。
それと、いずれの場合にせよ賃金規程等にこれらの件について定めておいた
方が良さそうです。また、不就労時間とはいっても欠勤や遅刻とは性質が異な
ることから、出勤率等の算定にあたっては、いわゆる無事故扱いとすべきでし
ょう。
なお、危険有害業務等の従事者を対象とする特殊健康診断については、会社
の業務遂行と不可分の関係があることから、費用、時間とも事業主の負担とな
ります。賃金カットは「賃金不払い」とされますので注意が必要です。また、
特殊健康診断を時間外に実施した場合は、割増賃金を払う必要もあります。
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