相談の広場

このエントリーをはてなブックマークに追加

労務管理

労務管理について、みんなに相談したり、分かるときは教えてあげたりと、相互協力のフォーラムです!

総務の森イチオシ記事が満載: 経営ノウハウの泉(人事労務~働き方対策まで)

勤務時間の認識について

著者 まゆ玉 さん

最終更新日:2019年01月24日 19:07

勤務先でフレックス制度の導入が検討されており、導入にあたっての要件案が提示されました。
その中で気になる内容があったため、今回質問させていただきました。

以下、気になる要件案の抜粋です。
_________
勤務時間計算方法 :業務開始準備時間と退社準備時間を鑑み、出社時刻の 5 分後から業務時間とし、帰社についても退社時刻の 5 分前までを業務時間とする。
_________
※補足:出社・退社時刻はタイムカードで記録されます。

フレックス制度が導入されていない現状では、就業規則には「始業時刻までに出社すること。退社は書類等を整理格納したあとに行うこと。」とあります。業務開始準備については言及されていませんが、制服はないため、着替えるなどの準備は必要ない職場です。

提示されたフレックス案では、業務の開始および終了に必要な準備時間を勤務時間としてみなさないとしています。こちらは専門家の方からご覧いただいて、合法なのでしょうか。または、これが合法となる条件があるのでしょうか。
また、合法ではない場合、それを指摘しても施行された場合は、どのように対応すればよろしいでしょか。

ご指導いただけますと幸いに存じます。

スポンサーリンク

Re: 勤務時間の認識について

著者村の平民さん

2019年01月24日 21:55

著者 まゆ玉 さん 最終更新日:2019年01月24日 19:07 について私見を述べます。

① 厚生労働省が発した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」には次のように述べています。
「3 労働時間の考え方
 労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者 の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。 そのため、次のアからウのような時間は、労働時間として扱わなければならないこと。ただし、これら以外の時間についても、使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間については労働時間として取り扱うこと。
 なお、労働時間に該当するか否かは、労働契約就業規則労働協約等の定め のいかんによらず、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価す ることができるか否かにより客観的に定まるものであること。また、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働者の行為が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされていた等の状況の有無等から、個別具体的に判断されるものであること。
ア 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間
イ 使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、 労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)
ウ 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間」

② このガイドラインは実質的には労働基準法労働時間についての取扱を詳細厳密に説明したものと言えます。逆説的に言えば、これに反することは労働基準法違反になる結果を生じます。

③ これに従えば、仮に就業規則で設問のごとき規定にした場合であっても、このガイドラインの範囲を超えられません。

④ ガイドラインに従えば「業務の開始および終了に必要な準備時間」は「労働時間」です。
 準備時間は明らかに使用者の指揮命令下にあるので、ガイドラインを待つまでもありません。
 「業務の開始および終了」のため準備は不要であるという屁理屈があれば、それは労働時間では無いと言えます。
 制服がなく、自宅を出た後着用している私服のままで労務に服している場合は、自宅で通勤着を着用する時間は労働時間とは言えません。まさか寝間着や部屋着で通勤する人は居ないでしょう。

⑤ フレックス制度は、労働開始と労働終了時刻は、一定の範囲内で各労働者の任意とします。しかし、全労働時間数は、開始と終了時刻によりカウントします。
 従って、労働開始時と終了時刻はいい加減であってはいけません。

⑥ もし、会社が提起されたように規定されるならば、直ちに労働基準監督署へ申告しましょう。
 申告に際しては、事業所名、所在地、申告者氏名、違反と思える事実を詳細に述べ、申告した日時、対話した署員の氏名を記録しておきましょう。匿名の場合は署は調査すべき対象が不明なので(ガセネタと疑う)、行動を起こしません。

⑦ㅤWebのキーワードに「知って役立つ労働法」と入力して下さい。そこに労働者向けに厚生労働省がわかりやすく書いた労働関係法の解説があります。60ページ余のボリュームがありますが、網羅的に書いています。

Re: 勤務時間の認識について

著者ぴぃちんさん

2019年01月24日 22:00

こんばんは。私見です。

素朴に、会社側が従業員が労働を開始するまでにタイムカードを打刻してから5分以上を要する根拠が何であるのかが、記載の情報からは不明です。

確かにタイムカードは、イコール、業務を開始しした時刻では必ずしもありませんが、打刻後5分以内には業務を開始することがない根拠が明確でなければ、労働者がタイムカードを根拠として賃金の未払いを請求した場合に、就業規則の規定だけでは会社が労働時間をきちんと管理しているわけではないと言われそうに思えます。

ただ実際のところはわかりませんので、実際のところはどうでしょうかね。

打刻後5分以内に実際に業務を開始しているのであれば、それをもって賃金請求すれば会社は支払う必要があるかと思います。



> 勤務先でフレックス制度の導入が検討されており、導入にあたっての要件案が提示されました。
> その中で気になる内容があったため、今回質問させていただきました。
>
> 以下、気になる要件案の抜粋です。
> _________
> 勤務時間計算方法 :業務開始準備時間と退社準備時間を鑑み、出社時刻の 5 分後から業務時間とし、帰社についても退社時刻の 5 分前までを業務時間とする。
> _________
> ※補足:出社・退社時刻はタイムカードで記録されます。
>
> フレックス制度が導入されていない現状では、就業規則には「始業時刻までに出社すること。退社は書類等を整理格納したあとに行うこと。」とあります。業務開始準備については言及されていませんが、制服はないため、着替えるなどの準備は必要ない職場です。
>
> 提示されたフレックス案では、業務の開始および終了に必要な準備時間を勤務時間としてみなさないとしています。こちらは専門家の方からご覧いただいて、合法なのでしょうか。または、これが合法となる条件があるのでしょうか。
> また、合法ではない場合、それを指摘しても施行された場合は、どのように対応すればよろしいでしょか。
>
> ご指導いただけますと幸いに存じます。
>

Re: 勤務時間の認識について

著者村の長老さん

2019年01月25日 10:58

質問は「合法かどうか」ということですが、これだけではどちらでもない、と考えます。実際の労働時間とは別に、会社は労働時間をこういうように扱うと宣言しているだけであって、実際に扱った結果ではありません。もしその5分間に労働したという事実があれば労働時間と扱わねばなりませんし、始業から10分間は労働していなかった場合も、その内の5分間は労働として扱ってくれるわけです。これだけでは労働者不利とも言えません。

Re: 勤務時間の認識について

著者まゆ玉さん

2019年01月29日 13:08

村の平民さん

詳細まで丁寧にご教示いただきまして、誠にありがとうございました。とてもわかりやすく、大変勉強になりました。

以下、その後に関するご報告です。

昨日(01/28)、社内でフレックス制に関する説明会がありましたが、ご教示いただきました「業務開始準備時間・退社準備時間は業務時間に含まれる」につきましては、事前に勤務先に問題提起いたしました。
そのため、それをクリアした代替案が説明会で提示されました。

ただし、新たに提示された要件が、下記のとおりでした。
_____________
勤務時間は15分単位とする
例)出社時刻09:10→09:15出勤扱い
  退社時刻17:50→17:45退社扱い
●総勤務時間超過分は30分毎に支給する(上限は役職による)
_____________
弊社の定時は、フレックス制導入前の現時点は09:15~17:45であり、09:15前に出社しても09:15出勤扱いになります。また、残業は17:45以降に30分単位で切られています。
フレックス制を導入するとしても、基本的な考えは変わらないので、以前と同様にする、との説明でした。

現時点では、必要以上に早く定時前に出勤することは極力避け、残業時間の切り捨ては看過していましたが、フレックス制に移行すると、精算期間中の総勤務時間を計上するため、この切り捨ては大変気になります。

そのため、ご教示いただいた「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に記載されている「その3.自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置」の「(オ)…、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。…」に反することではないかと考え、指摘しました。
それに対しては、フレックス制導前と、基本的な考えは変わらないので、ご理解いただきたい、との回答でした。フレックス制導入前の方法を踏襲したことは理解できますが、踏襲元に問題があることに加え、総勤務時間数を計上する上で、かなりの切り捨てが発生することから、納得はできません。

そのため、この要件で施行された場合は、ご助言いただいたように、労働基準監督署への申告を考えています。
実際の施行は2月中旬開始であり、給与の支払いは3月下旬になるため、様子をみたいと考えています。

Re: 勤務時間の認識について

著者まゆ玉さん

2019年01月29日 13:04

ぴぃちんさん

お忙しい中、ご回答いただきまして、誠にありがとうございます。
事後報告としては、「村の平民さん」への返信をご覧いただけますと幸いに存じます。

元の就業規則な給与支払いの要件などが既に違法と考えられるので、なんらかの形で対応できればと考えています。

今後ともよろしくお願いいたします。

Re: 勤務時間の認識について

著者まゆ玉さん

2019年01月29日 13:07

村の長老さん

お忙しい中、ご回答いただきまして、誠にありがとうございます。
労働者不利を踏まえての合法かに関するご回答、わかりやすかったです。

事後報告としては、「村の平民さん」への返信をご覧いただけますと幸いに存じます。

今後ともよろしくお願いいたします。

Re: 勤務時間の認識について

著者ぴぃちんさん

2019年01月29日 13:11

> 弊社の定時は、フレックス制導入前の現時点は09:15~17:45であり、09:15前に出社しても09:15出勤扱いになります。また、残業は17:45以降に30分単位で切られています。
> フレックス制を導入するとしても、基本的な考えは変わらないので、以前と同様にする、との説明でした。


こんにちは。

始業開始時刻前に勝手に従業員が出勤していても、それだけでは業務でないので、始業時刻をもって業務の開始とする点については問題はないでしょう(明らかに始業開始時刻より前に、例えば、電話対応しているとかあればそれは業務ですから、その時刻をもって始業とするべきですが)。

残業時間を1日において、30分単位で取り扱うことについては、それが、1~30分の残業を30分として、31~60分の残業を60分とする、という切り上げでない限り、明確な違法ですね。

フレックスタイム制とは関係なく現時点でも違法と言えるでしょう。

違法な、会社の勝手なルールはアウトです。御社ではすでに、残業代の未払いを生じている可能性がとても高いかと思います。

Re: 勤務時間の認識について

著者村の長老さん

2019年01月29日 15:25

フレックス制を導入するには、就業規則への規定と労使協定が必要です。そこで抵抗する手もありますね。

1~9
(9件中)

    スポンサーリンク

    経営ノウハウの泉より最新記事

    スポンサーリンク

    労働実務事例集

    労働新聞社 監修提供

    法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

    注目のコラム

    注目の相談スレッド

    PAGE TOP