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労務管理

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パート社員の労災による欠勤の休業補償について

著者 なんでもかんでも さん

最終更新日:2024年01月26日 11:57

お世話になっております。

時給のパート社員が労災で仕事に来れなかった場合について、

通常だと、欠勤になり、国から休業補償給付が支給され、
普段通り働いていたであろう満額金額の6割~8割が振り込まれ
残り2割を会社が負担して支給しております。

当社では、特別休暇(罹災休暇)として、
労災による欠勤は通常勤務とみなし
その分を支給することも可能としております。

労基にどちらを選定するのかは
ご本人と会社によって決めて下さいと言われました。

特休扱いにすると、会社が労災による欠勤分を全額支給となりますが、

休業補償にすると会社の支給負担は2割になりますが、
次年度の労災保険料が上がると思います。
どれだけ上がるのかはわかりません。

正しいのはどちらで、
会社としてどちらを選定すべきか
ご教授頂けますと幸いです。
よろしくお願い致します。

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Re: パート社員の労災による欠勤の休業補償について

著者tochiGさん

2024年01月26日 18:06

こんばんは。

結論から言えば、特別休暇・労災申請のどちらを選定するかは労働者に委ねられます。
そのため、会社が選定するのではなく、本人に特別休暇と労災申請の処理について説明したうえで意向を確認することになると思います。

根拠としての私見は以下のとおりです。

特別休暇と労災申請の選定について
 労災申請をするか、特別休暇を取得するか、というのはパート社員さんがご自身で判断することになるかと思います。

 理由としては、意思に反して特別休暇や有給で処理させて、労災申請をさせない扱いが横行すると、労災保険制度の趣旨に反するためです。これは保険料率が高くなるのを回避するための労災隠しだと言われかねません。

 貴社から「特別休暇だと〇〇、労災申請だと××になるけど、どっちにする? 」という提案まではできても、「貴方は特別休暇の方を取りなさい」といった指示をすることは難しいです。

特別休暇と労災申請の比較
 上記を踏まえて、貴社の特別休暇と労災申請をした場合の処理の比較です。

1. 特別休暇
 ・会社が賃金を全額支払う
 ・通常の賃金と同様なので、所得税保険料が掛かる
 ・役所に労災申請書類を提出しなくてもお金がもらえる
 ・特別休暇を取得した後に、休業補償給付の申請はできない
  ⇒ 賃金が全額支払われるので、受給要件を満たさないためです

2. 労災申請
 ・国が平均賃金の6割~8割を支払い、会社が残り2割を支払う(※1)
 ・休業開始から三日目までは会社が平均賃金の6割を支払う(休業補償
 ・休業補償休業補償給付には所得税保険料は掛からない
 ・役所に労災申請書類を提出し支給決定となってからお金がもらえる
 ・保険給付の額により翌々年度の労災保険率が上昇することがある(※2)
 ・休業補償給付の申請をした後に、特別休暇の申請はできない
 
 あくまで一例ですが、上記のような違いが考えられますでしょうか。
 とりわけ特別休暇は法定外の仕組みですので就業規則等に則って正しく処理してください(特別休暇の申請に手続きが必要になるのであればその旨を伝えて)。

 後はパート社員さんに、どちらが良いかを判断していただくことになります。


※1 会社の負担部分について
国から休業補償給付の6割+特別支給金の2割が支払われるため、会社が残りの2割を支払うという趣旨だと思います。
しかし、特別支給金2割は給与の補填として扱われませんので、実質的に国から支払われているのは6割という扱いになります。

したがって、2割ではなく4割負担しなければ給与の全額を補填したことにはなりません。心配であれば弁護士さんや社労士さんに相談されるとよいでしょう。

※2 保険料率の増減(メリット制)について
一定規模の事業主は、業務災害に関する保険給付休業補償給付等)の金額により翌々年度の労災保険料率が±約40%の範囲で増減します(メリット制)。
具体的には、常時労働者が100人以上であるとか、常時労働者が20人以上で危険度が高い業種などが適用事業主となりますが、貴社は一定規模の要件を充足しますでしょうか。一応、ご確認ください。

メリット制の計算式はかなり複雑です。具体的な算定は労基に問い合わせることになるでしょうか。メリット制の仕組みや計算例については、下記の資料が多少参考になるかと思います。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaimerit.pdf


> お世話になっております。
>
> 時給のパート社員が労災で仕事に来れなかった場合について、
>
> 通常だと、欠勤になり、国から休業補償給付が支給され、
> 普段通り働いていたであろう満額金額の6割~8割が振り込まれ
> 残り2割を会社が負担して支給しております。
>
> 当社では、特別休暇(罹災休暇)として、
> 労災による欠勤は通常勤務とみなし
> その分を支給することも可能としております。
>
> 労基にどちらを選定するのかは
> ご本人と会社によって決めて下さいと言われました。
>
> 特休扱いにすると、会社が労災による欠勤分を全額支給となりますが、
>
> 休業補償にすると会社の支給負担は2割になりますが、
> 次年度の労災保険料が上がると思います。
> どれだけ上がるのかはわかりません。
>
> 正しいのはどちらで、
> 会社としてどちらを選定すべきか
> ご教授頂けますと幸いです。
> よろしくお願い致します。
>
>

Re: パート社員の労災による欠勤の休業補償について

著者なんでもかんでもさん

2024年01月26日 19:13

tochiGさん

大変わかりやすいご説明ありがとうございます。
本人に選んでもらうということで
両方の説明をきちんとして
対応したいと思います。
ありがとうございました!





> こんばんは。
>
> 結論から言えば、特別休暇・労災申請のどちらを選定するかは労働者に委ねられます。
> そのため、会社が選定するのではなく、本人に特別休暇と労災申請の処理について説明したうえで意向を確認することになると思います。
>
> 根拠としての私見は以下のとおりです。
>
> ① 特別休暇と労災申請の選定について
>  労災申請をするか、特別休暇を取得するか、というのはパート社員さんがご自身で判断することになるかと思います。
>
>  理由としては、意思に反して特別休暇や有給で処理させて、労災申請をさせない扱いが横行すると、労災保険制度の趣旨に反するためです。これは保険料率が高くなるのを回避するための労災隠しだと言われかねません。
>
>  貴社から「特別休暇だと〇〇、労災申請だと××になるけど、どっちにする? 」という提案まではできても、「貴方は特別休暇の方を取りなさい」といった指示をすることは難しいです。
>
> ② 特別休暇と労災申請の比較
>  上記を踏まえて、貴社の特別休暇と労災申請をした場合の処理の比較です。
>
> 1. 特別休暇
>  ・会社が賃金を全額支払う
>  ・通常の賃金と同様なので、所得税保険料が掛かる
>  ・役所に労災申請書類を提出しなくてもお金がもらえる
>  ・特別休暇を取得した後に、休業補償給付の申請はできない
>   ⇒ 賃金が全額支払われるので、受給要件を満たさないためです
>
> 2. 労災申請
>  ・国が平均賃金の6割~8割を支払い、会社が残り2割を支払う(※1)
>  ・休業開始から三日目までは会社が平均賃金の6割を支払う(休業補償
>  ・休業補償休業補償給付には所得税保険料は掛からない
>  ・役所に労災申請書類を提出し支給決定となってからお金がもらえる
>  ・保険給付の額により翌々年度の労災保険率が上昇することがある(※2)
>  ・休業補償給付の申請をした後に、特別休暇の申請はできない
>  
>  あくまで一例ですが、上記のような違いが考えられますでしょうか。
>  とりわけ特別休暇は法定外の仕組みですので就業規則等に則って正しく処理してください(特別休暇の申請に手続きが必要になるのであればその旨を伝えて)。
>
>  後はパート社員さんに、どちらが良いかを判断していただくことになります。
>
>
> ※1 会社の負担部分について
> 国から休業補償給付の6割+特別支給金の2割が支払われるため、会社が残りの2割を支払うという趣旨だと思います。
> しかし、特別支給金2割は給与の補填として扱われませんので、実質的に国から支払われているのは6割という扱いになります。
>
> したがって、2割ではなく4割負担しなければ給与の全額を補填したことにはなりません。心配であれば弁護士さんや社労士さんに相談されるとよいでしょう。
>
> ※2 保険料率の増減(メリット制)について
> 一定規模の事業主は、業務災害に関する保険給付休業補償給付等)の金額により翌々年度の労災保険料率が±約40%の範囲で増減します(メリット制)。
> 具体的には、常時労働者が100人以上であるとか、常時労働者が20人以上で危険度が高い業種などが適用事業主となりますが、貴社は一定規模の要件を充足しますでしょうか。一応、ご確認ください。
>
> メリット制の計算式はかなり複雑です。具体的な算定は労基に問い合わせることになるでしょうか。メリット制の仕組みや計算例については、下記の資料が多少参考になるかと思います。
> https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaimerit.pdf
>
>
> > お世話になっております。
> >
> > 時給のパート社員が労災で仕事に来れなかった場合について、
> >
> > 通常だと、欠勤になり、国から休業補償給付が支給され、
> > 普段通り働いていたであろう満額金額の6割~8割が振り込まれ
> > 残り2割を会社が負担して支給しております。
> >
> > 当社では、特別休暇(罹災休暇)として、
> > 労災による欠勤は通常勤務とみなし
> > その分を支給することも可能としております。
> >
> > 労基にどちらを選定するのかは
> > ご本人と会社によって決めて下さいと言われました。
> >
> > 特休扱いにすると、会社が労災による欠勤分を全額支給となりますが、
> >
> > 休業補償にすると会社の支給負担は2割になりますが、
> > 次年度の労災保険料が上がると思います。
> > どれだけ上がるのかはわかりません。
> >
> > 正しいのはどちらで、
> > 会社としてどちらを選定すべきか
> > ご教授頂けますと幸いです。
> > よろしくお願い致します。
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