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経営・
労務管理ビジネス用語の
あれっ! これ、どうだった?!
第30回
退職に際して会社の許可は有効か?
(その2)
<第38号> 平成22年11月22日(月)
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こんにちは!
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。
1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。
さて、今回は前号の続きです。
労基法には、
退職に関する具体的内容に関する
規定は置かれていません。
従って、
退職に関する法的側面は
民法の規定により判断することになります。
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◆◆
退職の法的捉え方と裁判例 ◆◆
○
民法第627条には、
契約期間の定めがない場合、
労働者は原則として、いつでも2週間前に解約申入れ、
例えば
退職届の提出等によって
退職できることを
示しております。
ただ、
民法は任意規定と解されており、
就業規則等で
民法の規定と異なる定めをした場合は
その定めによることになります。
従って、
退職する場合に、
退職願(届)を1か月前までに
提出する旨定めることも可能です。
使用者としても、
退職後の補充人員の確保、また各種の
退職手続等の
事務管理上のうえからも、
ある程度の期間延長はやむを得ないものと思われます。
また
労働者もお世話になった会社に対する信義則上、
就業規則の規定に従うこともやむを得ない事と考えます。
しかし、一方で前号でも触れたように、
近代的労働法の趣旨・精神から、
労働者がやむを得ない
理由から、少しでも早く
退職したい場合や、
逆に、
退職届提出の期間が極端に長い場合は
労働者の
退職の自由が極端に制限されることになり
公序良俗の見地から無効とされる場合が考えられます。
さらに、1か月前の
退職願提出を規定しても、
それを守らない場合は
退職を認めないとの対応も
法的には是認されないと思料します。
そのことは、裁判でもその方向への判示があることからも
うかがえます。
○ 次に「
従業員が
退職しようとするときは、会社の
承認を受けなければならない。」とする
就業規則の定めは、
従業員が
退職届を提出しても会社の承認がない限り
退職できない、つまり
雇用契約が終了しないとの趣旨であれば
それは明らかに近代的労働法の趣旨に反するものであり
その効力を持ちえないと考えられます。
そういう場合は、この
就業規則の規定にかかわらず、
民法第627条の規定により、
退職願提出の日から2週間(
月給制の場合は同条第2項に
定める期間)の経過により
雇用契約は終了し、
当該
従業員は
退職したことになります。
この場合、もし
退職金規定があるときには、
使用者は
規定の定めるところにより
退職金を支給しなければ
ならないことは当然です。
◆◆ 裁判例による判示 ◆◆
1.「中部機械製作所事件」昭43.3.27.金沢地裁判決
○
労働者Aが仕事の途中で勝手に
退職して会社に損害を
与えたとして、会社がAに
損害賠償を請求した事案。
会社側は「
雇用期間は特に定めないが、給料その他の面で
被告Aを優遇するから、被告は長年月にわたって
会社の技術開発に奉仕し、会社の承諾なくして一方的に
退職することはできない」との条件で
採用したと主張。
○ 裁判所の判示。
「原告会社の主張によっても本件
雇用契約においては、
いわゆる最小期間の定めが明示されていないのであるから、
被告はいつでも何ら特別な理由を要せず右
契約の
解約告知をすることができる。
従って、原・被告間の
雇用関係は、原告会社の承諾の
有無に拘わらず被告が
退職を申し出たことに争いのない
昭和39年8月4日から2週間経過した同月18日に
終了したことになる。」と。
2.前号で一部引用した「高野メリヤス事件」の判示。
「
退職を希望する場合は遅くとも1か月前、役付者は
6か月以前に
退職願を提出し会社の許可を受けなければ
ならないと定められた会社の規定は、
労基法が定めている人身拘束を防止するための諸規程の
趣旨に反するため、
民法627条の予告期間を
使用者のために延長することは
出来ず、また、
退職には会社の許可を要するとの定めも、
労働者の解約の自由を制約するので効力を有しないと
いうべきである。」と。
○ 以上の法令や裁判の判示から、
例えば
就業規則で
退職願の提出を1か月前までと義務付けても
2週間経過して
労働者が会社に出勤しなくなっても、
退職願を提出して翌日から年休を取得して出勤しなくとも、
使用者は当該
労働者にペナルティを課すことは出来ず、
退職金制度がある場合は、所定の
退職金を
支給しなければなりません。
従って、
就業規則中の
退職に関する規定の1項に、例えば
「
退職願(届)は事務手続の必要上、原則として
1か月前までに○○部へ提出する事。ただし、
退職の効力は
提出後14日を経過したときに発効する。」
このような規定にしておいた方がより適切と考えます。
★☆★☆★☆★【ひとくち教養講座】★☆★☆★☆★
よく日本語は難しいといいます。
そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。
次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか
■A 会議には「錚々」たる顔ぶれが集まった。
■B. 会議には「壮々」たる顔ぶれが集まった。
答えは、編集後記で。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
~~~~~[[今日あった昔の歴史─11/22]]~~~~~
●1907年の今日、東京・本郷座で『ハムレット』が日本初演。
●1950年の今日、第1回プロ野球日本シリーズが神宮球場で
開幕する。
●1956年の今日、第16回オリンピック・メルボルン大会が開幕。
●1963年の今日、米大統領ジョン・F・ケネディが
テキサス州ダラスで暗殺される。
⇒ 詳細をご覧になりたい方は
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ブログから該当日をご覧ください。
●1994年の今日、セガが家庭用テレビゲーム機「セガサターン」を
新発売。
●1997年の今日、ハワイ出身の力士、小錦が引退。
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○アンドレ・ジッド(仏・小説家:1869)
○シャルル・ド・ゴール(仏・大統領:1890)
○白石義明(経営者・回転寿司を考案:1913)
○尾藤イサオ(歌手・俳優:1943)
○中田喜子(女優:1953)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
さて、どちらが正しいか分かりましたか?
答えは「A」です。
「錚」とは、もともと耳に快い金属音や楽器の音が冴えて
響く様子を形容した言葉です。
それが転じて、誰も非難する者がないほど、人物が
勝れている様子を示す漢字となったものです。
一方、「壮」とは、規模が大きく立派なとか、元気盛んな
という意味で「壮大」「壮年」などと使います。
従って、この文意の場合は「錚錚」または「錚々」が
正しい表現となります。
では、また次号でお会いしましょう。
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★発行責任者 小野寺 弘
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亥年のアラ還、小野寺です。
さて、今回は前号の続きです。
労基法には、退職に関する具体的内容に関する
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従って、退職に関する法的側面は
民法の規定により判断することになります。
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◆◆ 退職の法的捉え方と裁判例 ◆◆
○ 民法第627条には、契約期間の定めがない場合、
労働者は原則として、いつでも2週間前に解約申入れ、
例えば退職届の提出等によって退職できることを
示しております。
ただ、民法は任意規定と解されており、
就業規則等で民法の規定と異なる定めをした場合は
その定めによることになります。
従って、退職する場合に、退職願(届)を1か月前までに
提出する旨定めることも可能です。
使用者としても、退職後の補充人員の確保、また各種の
退職手続等の事務管理上のうえからも、
ある程度の期間延長はやむを得ないものと思われます。
また労働者もお世話になった会社に対する信義則上、
就業規則の規定に従うこともやむを得ない事と考えます。
しかし、一方で前号でも触れたように、
近代的労働法の趣旨・精神から、労働者がやむを得ない
理由から、少しでも早く退職したい場合や、
逆に、退職届提出の期間が極端に長い場合は
労働者の退職の自由が極端に制限されることになり
公序良俗の見地から無効とされる場合が考えられます。
さらに、1か月前の退職願提出を規定しても、
それを守らない場合は退職を認めないとの対応も
法的には是認されないと思料します。
そのことは、裁判でもその方向への判示があることからも
うかがえます。
○ 次に「従業員が退職しようとするときは、会社の
承認を受けなければならない。」とする就業規則の定めは、
従業員が退職届を提出しても会社の承認がない限り
退職できない、つまり雇用契約が終了しないとの趣旨であれば
それは明らかに近代的労働法の趣旨に反するものであり
その効力を持ちえないと考えられます。
そういう場合は、この就業規則の規定にかかわらず、
民法第627条の規定により、
退職願提出の日から2週間(月給制の場合は同条第2項に
定める期間)の経過により雇用契約は終了し、
当該従業員は退職したことになります。
この場合、もし退職金規定があるときには、使用者は
規定の定めるところにより退職金を支給しなければ
ならないことは当然です。
◆◆ 裁判例による判示 ◆◆
1.「中部機械製作所事件」昭43.3.27.金沢地裁判決
○ 労働者Aが仕事の途中で勝手に退職して会社に損害を
与えたとして、会社がAに損害賠償を請求した事案。
会社側は「雇用期間は特に定めないが、給料その他の面で
被告Aを優遇するから、被告は長年月にわたって
会社の技術開発に奉仕し、会社の承諾なくして一方的に
退職することはできない」との条件で採用したと主張。
○ 裁判所の判示。
「原告会社の主張によっても本件雇用契約においては、
いわゆる最小期間の定めが明示されていないのであるから、
被告はいつでも何ら特別な理由を要せず右契約の
解約告知をすることができる。
従って、原・被告間の雇用関係は、原告会社の承諾の
有無に拘わらず被告が退職を申し出たことに争いのない
昭和39年8月4日から2週間経過した同月18日に
終了したことになる。」と。
2.前号で一部引用した「高野メリヤス事件」の判示。
「退職を希望する場合は遅くとも1か月前、役付者は
6か月以前に退職願を提出し会社の許可を受けなければ
ならないと定められた会社の規定は、
労基法が定めている人身拘束を防止するための諸規程の
趣旨に反するため、
民法627条の予告期間を使用者のために延長することは
出来ず、また、退職には会社の許可を要するとの定めも、
労働者の解約の自由を制約するので効力を有しないと
いうべきである。」と。
○ 以上の法令や裁判の判示から、
例えば就業規則で退職願の提出を1か月前までと義務付けても
2週間経過して労働者が会社に出勤しなくなっても、
退職願を提出して翌日から年休を取得して出勤しなくとも、
使用者は当該労働者にペナルティを課すことは出来ず、
退職金制度がある場合は、所定の退職金を
支給しなければなりません。
従って、就業規則中の退職に関する規定の1項に、例えば
「退職願(届)は事務手続の必要上、原則として
1か月前までに○○部へ提出する事。ただし、退職の効力は
提出後14日を経過したときに発効する。」
このような規定にしておいた方がより適切と考えます。
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よく日本語は難しいといいます。
そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。
次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか
■A 会議には「錚々」たる顔ぶれが集まった。
■B. 会議には「壮々」たる顔ぶれが集まった。
答えは、編集後記で。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
~~~~~[[今日あった昔の歴史─11/22]]~~~~~
●1907年の今日、東京・本郷座で『ハムレット』が日本初演。
●1950年の今日、第1回プロ野球日本シリーズが神宮球場で
開幕する。
●1956年の今日、第16回オリンピック・メルボルン大会が開幕。
●1963年の今日、米大統領ジョン・F・ケネディが
テキサス州ダラスで暗殺される。
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●1994年の今日、セガが家庭用テレビゲーム機「セガサターン」を
新発売。
●1997年の今日、ハワイ出身の力士、小錦が引退。
~~~~~~[[今日の主なバースデー]]~~~~~~
○アンドレ・ジッド(仏・小説家:1869)
○シャルル・ド・ゴール(仏・大統領:1890)
○白石義明(経営者・回転寿司を考案:1913)
○尾藤イサオ(歌手・俳優:1943)
○中田喜子(女優:1953)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。
さて、どちらが正しいか分かりましたか?
答えは「A」です。
「錚」とは、もともと耳に快い金属音や楽器の音が冴えて
響く様子を形容した言葉です。
それが転じて、誰も非難する者がないほど、人物が
勝れている様子を示す漢字となったものです。
一方、「壮」とは、規模が大きく立派なとか、元気盛んな
という意味で「壮大」「壮年」などと使います。
従って、この文意の場合は「錚錚」または「錚々」が
正しい表現となります。
では、また次号でお会いしましょう。
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