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整理解雇の4要件とは?(その2)

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 経営・労務管理ビジネス用語の
   あれっ! これ、どうだった?!

  第39回  整理解雇の4要件とは?(その2)

<第53号>      平成23年3月14日(月)
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発行人のプロフィル⇒ http://www.ho-wiki06.com
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こんにちは! 
メルマガ初訪問の皆さま、ありがとうございます。

1週間のご無沙汰でした。
亥年のアラ還、小野寺です。

さて今回は、前回に引き続き整理解雇の4要件のうち
第3・第4要件について詳説します。

特に第3要件の被解雇者の選定は、非常に難しい要素があり
合理的な解雇基準が必要とされています。

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◆◆ 第3要件~被解雇者選定の相当性 ◆◆

○ 被解雇者選定の相当性の判断は非常に難しいとされています。

人員整理のための解雇の場合には、解雇人数が
多数になる場合が多く、またその人選に当っては

多くの従業員の中から選定することになるため、
どうしてその労働者を解雇するのかという点について

客観的に合理的な理由がなければならず、それを欠く場合には
使用者の主観的・恣意的な解雇として無効となります。

そのため一般には、合理的な「整理解雇基準」を設定し、
それに基づいて人選して解雇することが、

解雇の客観的合理性を担保するうえで極めて有効となるため
整理解雇の場合は、こうした解雇基準を設定することが
通例となっています。

■ 整理解雇基準の効力 ■

○ まず解雇基準が労働組合との合意によって「労働協約」として
設定された場合には、その基準は労組法第16条の規定により
規範的な効力を有することになるため、

その基準に該当しない者を解雇したり、その基準に定める
手続に違反して行った解雇は、無効となります。

○ 次に解雇基準が使用者側で一方的に作成された場合には
判例では、法的な拘束力(規範的効力)を認める場合と
認めない場合とに、各事案ごとに分かれていますが、

一般的に整理解雇基準は、その目的からみて
労働条件の一つである解雇条件を設定したものと
みられる場合が多く、

従って、法的拘束力をもち、それに違反してなされた解雇は
無効と解するのが通例とされています。

■ 整理解雇基準の具体例 ■

○ 裁判で解雇基準が不合理とは言えないとされた例は
次の通りです。
(「近鉄大東京観光バス事件」昭44.9.19東京地裁判決)

1.退職するも生活に及ぼす影響の少ない家庭事情にある者。
2.平素の勤務状態の劣悪なる者。
3.集団生活に不適格と考えられる者。
4.病弱者、その他の事情により職務の遂行に支障ありと
認められる者。
5.交通事故多発者又は重大事故を惹起したことのある者。
6.懲戒処分を受けたことのある者。
7.会社業績に貢献度の低い者。
8.職場規律を乱す者。

○ また、かつて社会的にも大きな物議を出したことのある
「三池炭鉱事件」(昭45.6.27福岡地裁判決)では、
次の人員整理基準が認容されています。

1.整理の影響の比較的少ない家庭事情の者。
2.勤務状態不良の者。例えば、出勤状態の悪い者、職務能率が
低く怠慢な者、作業秩序を乱す者。
3.集団生活に不適格と考えられる者。例えば、素行不良者。
4.身体条件の極めて悪い者。
5.満52歳以上の者(当時の定年は55歳)
6.満25歳未満の者。
7.勤続5年未満の者。

以上、2種類の例を挙げましたが、傾向は近似していると
思います。参考にしていただきたいと思います。

■ パートタイマー等非正規雇用労働者の場合 ■

○ 企業の採算を理由とする人員整理について、
パートタイマー、アルバイト、臨時労働者等であって、

当初から、雇用条件として景気調整のための弾力的、臨時的、
一時的雇用であることを前提として採用している労働者に関しては

企業の経営上、このまま雇用を継続すれば赤字になるという場合

パートタイム労働者を解雇する場合の理由は、フルタイムの
労働者を解雇する場合に比較して相当軽減される」
(「春風堂事件」昭42.12.19東京地裁判決)

と判示されるように、通常労働者よりも先に優先して
人員整理の対象になると言えます。

○ このことは、よく知られている「日立メディコ事件」の
判示でも明確に示されています。

この事案は、雇用期間2か月の労働契約を5回にわたって
更新した臨時工員に対して、

使用者が不況に伴う業務の都合を理由として更新拒否したもので
裁判所は、2か月雇用を5回更新した臨時工を雇止めするに
当たっては、通常社員に準じて解雇法理が類推適用されるが

雇止めの効力を判断すべき基準は、終身雇用下の
いわゆる本工員を解雇する場合とはおのずから合理的な
差異があるとして、次のように判示しています。

「独立採算の工場の人員を削減する必要があり、
余剰人員を他の事業部門へ配置転換する余地もない場合に

当該工場の全労働者につき希望退職者募集の方法をとらず
まず臨時員全員の雇止めを行ったことが、
不当・不合理な措置とはいえない」と。
(昭61.12.4最高裁第一小法廷)

○ この判例も、経営不振に伴う人員削減において
通常社員よりも非正規社員のほうが先に
解雇対象になることを示したものといえます。

ただし、近年になっていわゆるパートタイム労働法等の
改正もあり、非正規社員の保護に向けて

法的にも人道的にも強化されてきており、
裁判における判断にも変化することが考えられます。

◆◆ 第4要件~整理解雇手続の妥当性 ◆◆

○ 整理解雇に関する労働組合労働者との協議及び
説明義務は、前記までの3要件が実体的要件と言われるのに対し

本要件は解雇手続に関する要件、
つまり手続的要件とされています。

しかし、整理解雇労働者に帰責事由のない状況で
行われる解雇であるため、

使用者は信義則の上からも労働者の納得が得られるよう
十分な協議・説明を行うことが求められています。

その内容は、(1)人員削減の必要性、(2)整理方針・手続・規模
(3)被解雇者の選定基準とその適用、(4)解雇条件など、

他の3要件の内容に広く及んでおり、
整理解雇に関する労使の自主的解決を促す機能を
含めているものと解されています。

◆◆ 終わりに~労基法第20条との関連等 ◆◆

○ 労基法第20条第1項但書に「天災事変その他やむを得ない
事由のため事業の継続が不可能となった場合」とあり、

これに該当した場合は解雇の予告なしに即時解雇できる旨の
規定が置かれていますが、

この「やむを得ない事由」には、
不況等による経営不振などは該当しないとされており、

従って、整理解雇とは関係ない旨、付言しておきます。
(詳細は、昭63.3.14基発第150号

○ 最後に、未だリーマンショック以来の不況の尾ひれは消えず
経済社会並びに政治的にも先行き不透明であることから

整理解雇による人員整理は、今後も発生する余地があると
思料します。

「企業の経営困難のためにする人員整理の場合であっても、
使用者の思うままに自由になし得る訳ではなく、

経営困難を打開できる方策があって人員整理の必要性がないのに
その必要ありとしてなす解雇は、権利の濫用で無効となる。」
(「科研化学事件」昭30.10.15東京地裁判決)

いずれにしても、整理解雇の4要件と上記の判示を踏まえ、
あらゆる知恵と工夫と努力で苦境を乗り切る舵取りを
念願するものです。

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よく日本語は難しいといいます。

そこで、間違いやすい日本語について考えてみましょう。

次の文章のうち、どちらが正しいでしょうか

■A 彼はお祝に「大番振る舞い」をすると言っていた。
■B. 彼はお祝に「椀飯振る舞い」をすると言っていた。

答えは、編集後記で。
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■■ 編集後記 ■■
きょうも最後までお読みいただきありがとうございます。

さて、どちらが正しいか分かりましたか?

答えは「B」です。

今回は、少々難しかったかも知れません。

この文意の「おうばんぶるまい」とは、正月に親類を集めて
盛んにもとなしたことから出来た言葉であり、
盛大なもてなしをすることを表します。

そこから「おうばん」は、わんに盛った飯の意味から
「椀飯」と書かれるようになったものです。

従って、大番振る舞いは誤りとなります。ただ、大盤振る舞いと
書くこともありますが。

では、また次号でお会いしましょう。
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