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コラムの泉

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訴えてやるー1

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成長し続ける企業に!サービス業専門社労士日記(第701回)

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おはようございます。

メルマガ発行者のこまつじゅんいちです。

このメルマガは
サービス業特に飲食店経営者及び店長
売上が上がらないとお悩みの経営者
労務管理の難しさを感じている人事担当者
同業の社労士さん

へ向けてこまつが自由に書きたいこと書いているメルマガです。

テーマは
従業員のやる気と売上は本当に連動している」
です。

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◎お客様の売上アップのため!サービス業専門社労士日記
のバックナンバー・配信停止はこちら
http://archive.mag2.com/0000250571/index.html

小松潤一社会保険労務士事務所
http://www.style-neo.jp  http://www.style-neo.com
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目次
■はじめに
■訴えてやるー1
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■はじめに

まず問題です。

第一問 何の件数でしょうか?

2002年  625.572件
2006年  946.012件
2008年  1.075.021件
2010年  1.130.234件


次の問題です。
第二問 何の件数でしょうか?
2007年 832,454件
2008年 766,147件
2009年 736,688件



ちょっと考えてみよう!!!!



正解は

第一問目は
の件数は厚生労働省、労働局などに寄せられた相談件数です。

第二問目は
交通事故件数です。


良く見て下さい。交通事故に会うよりも労働者が企業を訴える件数の方が多いのです。

どうでしょうか?皆さんの企業は訴えられない自信はありますでしょうか?
交通事故件数よりも多い件数です。
交通事故にあう確率よりも労働者に訴えられる確率の方が高いのです。


この数字だけを見てもいまだに

「うちの会社では訴える労働者は誰もいない!!!」
ってどこからわいてくるのか信じられない自信を持っている経営者は
ちょっと考え方を変えて方がよいでしょう。


毎日どこかでで約3095件の相談が、厚生労働省、労働局には寄せられています。

そのうちの9割以上が労働者からの相談です。
この件数は厚生労働省、労働局などに寄せられた相談だけですので
実際には裁判に直接訴える従業員もいれば自力で
経営者と話し合いをしている方もいるでしょう。


最近はほんとうに従業員が会社を訴えることが多くなりました。

社労士になって10年が経過していますが特に増えていることを実感できます。


「しかし従業員に訴えられたと言う話を聞いたことがない!」
と経営者は良く言いますが

自分の会社が訴えられたって自ら言う経営者は何人いるでしょうか?
仮に訴えられてもみんなだまっているのではないでしょうか?

と言うわけであまり訴えられるのが身近に感じることが少ないのですが
実は簡単に訴えれれることになるでしょう。

最近では経営者以上に労働者は労働法に詳しくなっていて
知らないのは経営者だけってことが非常に多いのです。

そこでこのメルマガも700回を超えて新しいシリーズを
やっていこうと思います。

シリーズ
「訴えてやるー」
をスタートさせます。


どこの会社でもありそうな話で実際に訴えられたことを
作り話にしてわかりやすくお伝えできればと思います。


今日はそんな話

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■訴えてやるー1

事件ファイル1「管理監督者事件」


「俺ついに店長になってしまったよ。嫌だなー」

そう愚痴をこぼしたのは入社5年目の田中さん

田中さんは料理に興味があり大学を卒業後、飲食店をチェーン展開する企業に
就職をした。一応大きな企業のなので労務管理はしっかりされていて
残業をすると残業代もきちんと支給されている。

毎月残業が多いのが特徴で田中さんも結構な時間の残業があった。

でも若い田中さんは苦になりませんでした。

「だってよ、残業代が結構な金額になるんだぜ」

毎月10万円程度は残業代が出ていてボーナスも支給されるのです。
26歳の田中さんは年収で500万円を超えていた。


そして仕事も面白かったこともあったがついに店長に任命されたのだ。
それも今まで行ったこともない四国地方の店舗への異動だった。

「店長になったらやるべき仕事が急に増えるから嫌だな~」

同僚にそう愚痴をこぼしていたのだが
同僚はみんな


「何を言っているんだよ。俺たちの中で一番最初に出世してるじゃないか?
 一番早く店長に慣れて何をいっているんだ」


この会社では店長になると管理者となるので残業代は支給されなくなる代わりに
役職手当が大幅に増えることと任された店舗の業績によっては給与が大幅に
上がるのだ。

現に1000万円以上の給与を取っているトップクラスの店長が何人もいるんだ。

そしてそれらトップクラスの店長をまとめるエリアマネージャーにまで出世すると
給与は1500万円近くまで支給される。

ここまできたらもう役員待遇だ。

結果がすべての店長職


がこの会社の特徴だが仕事も一気に増えるのだ


アルバイトの採用に関する権限から
広告予算編成
シフト編成
部下や後輩の教育指導

などなど


当然会社は田中さんが出来ると思ったから店長に抜擢したのだが
本人はあまり気分がのらないのだ


四国への転勤ということもある
このままでは彼女とも遠距離恋愛になるし
店長になったら休みもどれくらい取れるのかは自分の実力次第になってくる

自分が休んでも店が利益を出せる体質を作り上げればいつでも
休めるがそうでなければ休みさえ取れない状態となる。


しかし今仕事を辞めるわけにもいかないし
この仕事が好きだ。


田中君は四国へ旅立ったのだった。


しかし待っていたのは思っている以上の過酷な環境だった。

前任の店長はどうも出来ない方だったみたいで店舗内の人間関係はめちゃくちゃだ。

当然売上もそれほど取れる状態でなく、四国の繁華街にあり激戦区だ。


「おいおい よくこんな人員で今まで店が回せていたな!」
率直な印象だった。

アルバイト含めて20名は最低でも必要なところ
この店では現在10人しかいない


当然店自体はボロボロのオペレーションを露呈し
客からは毎日怒られるのだ。


これはまずい!

すぐに田中さんあhエリアマネージャーに相談した。

「ちょっとこれは人員が足りません。バイトを入れるか社員を入れるか
 どちらかよろしくお願いします。」


エリアマネージャーはそうだなとは言うもののなかなか動き出してくれません。


「社員はともかくとりあえずバイトの採用だけでもさせて下さい」

何度もお願いをしてやっとアルバイトの採用だけは認められてが
採用にかけれる予算は3万円しか与えられなかった。


田中さん
「いくら四国だと言ったって3万円は少なすぎるだろ。そんなんで採用できるんだろうか?」


田中さんがもともといた店舗ではさすがに10万円以上の予算が組めたが
どうも売上の悪い店舗では予算も減らされるらしい。


といっても田中さんが原因で売上が下がっているわけでないので
もう少し予算をくれてもと思ったがやるしかなかった。


5人しか応募者がなかった。しかもちょっと飲食店で働けるのかと言う人材だけだった。

通常であれば誰も採用しないのだがもう予算がない
5人とも採用しなければもう店も回らない。



「ああ こんな人材で店が運営できるのか????」
田中さんは心の中では思ったが口には出せなかった。


そんな時に
エリアマネージャーはこんなことを
「5人も採用してやったんだから結果出せよ!!!」

おいおいそりゃーないよ。こんなんで結果出せるかよ。


当然結果は出なかった。


するとエリアマネージャーはこんな罵声を浴びさせてきた

「若いから何でも許されると思うなよ。お前みたいなやつが店長をいつまでも
 出来ると思うなよ!!!」


そうか。この店舗の業績が悪いのはエリアマネージャーの責任だ

すぐに田中さんは思った。


そこからは転落だった。


売上も取れないので
採用の予算もくれない

人員が次々に減って行き、ついに田中さんの休みはほとんどなくなった。


与えられた条件で頑張って働いてきたがついに田中さんは体調を崩してしまった。

過労だった。

1週間ほど休みを取らなければいけない状態で
店は代わりに助っ人が手伝ってくれた。


助っ人はエリアマネージャーだ。


田中さんとの信頼関係があったのでスタッフのみんなは少ない人数で
頑張ってこれたのだ。


スタッフの休みは田中さんが出勤することによって確保していたり
スタッフには負荷をかけないように田中さんが頑張って来たのだが
1週間休みを取っている間にエリアマネージャーが正論をみんなに
ぶつけたようで一気にモチベーションが下がっていた。


しかも復帰した田中さんにはひどい仕打ちが待っていた。


「1週間も休んだんだから当然結果を出すんだろうな!!!
 この給与泥棒が!!!!!」



ついにスタッフが全員辞めたいと申し出てきて
売上もついに損益分岐点を下回り
どんなに田中さんが頑張ってもどうにもならない状態となってしまった。


店舗閉鎖だ。



田中さんは心の中で少しだけは喜んだ。もう店長をやらなくてもよいな

頑張ったけど結果が出なかったのでもう一度副店長から再スタートが出来る
そう思っていた田中さんのもとに1枚の辞令が会社から出たのだ。


「貴殿を8月31日付けで事業縮小により解雇をする」



ここからがトラブルのスタートだった。




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