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平成18年度試験・選択式・「社会保険に関する一般常識」

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2006.9.26

 K-Net 社労士受験ゼミ                    
         合格ナビゲーション No136


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     本日のメニュー 
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1 はじめに

2 平成18年度試験・選択式・「社会保険に関する一般常識」

3 白書対策
  
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1 はじめに

ご存知の方も多いかもしれませんが・・・加藤はフォーサイトという
資格の学校で講師をしていますが、住宅新報社の講座の講師もしています。

で、この時期になりますと、
住宅新報社の講座とフォーサイトの講座って中身は違うのですか?
という問い合わせがあります。

ですので、この場で、簡単に、違いを説明させて頂きます。
フォーサイトの講座は、ライブ講座を受ける感覚で聴く講義です。
目の前にテキストがあり、それを解説するというものです。
ですので、書いてあることを読むということはあまりなく、
行間を解説するような講義です。
それに対して、
新報社の講座、これは前提としてテキストが目の前にないという
ものです。
たとえば、満員電車の中でテキストを開けないけど勉強したいとか、
掃除している際にとか、入浴中とか・・・・テキストが開けない
というのを前提に講義しているものです。
ですので、条文を読んでいるなんてところも多々あります。

ということで、根本的にまったく異なるものです。
ちなみに、
フォーサイトの講座は全科目を加藤が担当しますが、
住宅新報社の講座は、2007年向けから労働関連の科目は加藤で、
社会保険関連の科目は栗澤氏が担当します。

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募集しています。
詳細は↓です。
http://www.sr-knet.com/2007member.html

ご不明な点はお問い合わせ下さい。

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2 平成18年度試験・選択式・「社会保険に関する一般常識」

まずは問題を見てください。

戦後の混乱は社会保険制度にほとんど壊滅的打撃を与えた。昭和20年
には、官業共済組合をふくめて、全国民の約3分の1が( A )に加入
していたといわれ、( B )は全国で約1万組合、被保険者約4,100万人
に達していたが、昭和22年6月にはわずかに40%ほどの組合が事業を
継続しているにすぎない状態であった。( C )もまた財源確保のために
( D )の改訂と料率引上げを繰り返さざるをえなかったのである。
ただし、昭和22年に労働者災害補償保険法失業保険法が制定されたことは、
社会保険の大きな前進であったといえる。これに対応して、( C )の
給付から業務上災害がのぞかれ、( E )も事業主責任の分離を行った
のは当然である。なお、日雇労働者にも失業保険が適用されたのは昭和24年
5月からであった。

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社会保険制度の沿革」に関する問題です。
年金制度、医療保険制度などの沿革については、社会保険に関する
一般常識からは頻繁に出題されています。
しかし、まったく同じという出題はありません。

ということで、今回の問題とまったく同内容の問題は過去に出題
されたことはありません。

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平成18年の選択式、空欄Aについて、解答がどうなるかは、公式発表が
行われないと何ともいえないところですので、ここでは言及しませんが、
そのほかの部分について、

厚生統計協会が発行している「保険と年金の動向2005年」に
国民健康保険はめざましい発展を遂げ、昭和20年には、組合数10,349、
被保険者数4,075万人達した」
「昭和22年、労働者災害補償保険法失業保険法が制定され、健康保険
においては、業務外の事故に対してのみ給付が行われることとなった」
「昭和22年、労働者災害補償保険制度が創設されたことに伴い、厚生年金
保険における事業主責任を分離するとともに・・・」
という記載があります。ですので、空欄B、C、Eは、これらの記載から
解答がわかります。

ちなみに、東京社会保険協会発行の「社会保険制度 改正経過概要」では、
障害年金について、昭和19年10月から「業務上については平均報酬月額の
5か月分から8か月分、業務外については4か月分とし・・・」、昭和22年
9月から「業務上外を問わず単一給付とする」とあり、空欄Eの根拠的な
内容があります。
そのほか、「社会保険制度 改正経過概要」によると、昭和17年から24年の
間に8回も標準報酬の改訂が行われていますので、空欄Dは「標準報酬
で間違いないということになります。

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では、社会保険の沿革の問題、過去にどのような出題があったか見て
おきましょう。

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【昭44-記述】
わが国においては、昭和36年以降( A )、( B )の体制が確立
され、社会保険制度の体系的整備が実現された。

【昭57-記述】
昭和34年に国民年金法が制定され、同年11月から( A )の給付が、
次いで昭和( B )年4月から拠出制国民年金の保険料の納付が始まり、
これによって( C )体制が確立された。

【昭63-記述】
我が国の医療保険制度の歴史は古く、大正11年(1922年)に( A )
が制定されたことに遡る。
第二次世界大戦後、全国民に対して医療保険制度を適用していくための
準備が進められ、自営業者、農民等の全ての非被用者を対象とする新しい
( B )が制定され、昭和36年(1961年)から全面的に実施され、
国民皆保険が実現した。

【平元-記述】
昭和61年4月より実施されている現行年金制度においては、( A )は
自営業者だけでなく被用者本人及びその被扶養配偶者にも適用され、
全国民に共通する( B )を支給する制度となった。

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かなり古い問題です。今現在の受験生の力からすると、これらの内容は
基本中の基本というところです。
ですので、このレベルの問題では、ほとんど差がつかないでしょうね。
試験というのは、やはりある程度差がつかないと、意味がないわけで、
そうなると、受験生のレベルが上がれば、やはり問題のレベルも上がり、
制度の根幹により一層突っ込んだ内容が出題されるってことになる
でしょう。

とはいえ、平成18年の出題、問題文に不適切な記載があるというのは、
考えものですが・・・

レベル設定という点では、当然のレベルでしょうし、出題内容も前述した
書籍の内容をベースにしたということで考えれば、出題そのものを批判
するような内容ではないでしょう。

ちなみに、先日、政府刊行物メールマガジンで、売れ行き良好ベスト5
なるものを紹介していましたが
3位が「国民衛生の動向 2006」(厚生統計協会)という書籍で、
これって「保険と年金の動向」の姉妹書みたいものでして、つまり発売
時期の関係があるので、「保険と年金の動向」は上位にランクはされて
ませんが、「保険と年金の動向」もかなり世に出ている本なんですよ。

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【昭44-記述】
( A ):国民皆保険
( B ):国民皆年金

【昭57-記述】
( A ):福祉年金
( B ):36
( C ):国民皆年金

【昭63-記述】
( A ):健康保険
( B ):国民健康保険

【平元-記述】
( A ):国民年金
( B ):基礎年金

【平18-選択】の解答です。
( A ):医療保険(あえて、何かを解答とするのであれば)
( B ):国民健康保険
( C ):健康保険
( D ):標準報酬
( E ):厚生年金保険

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この問題について、栗澤純一氏から下記のコメントを頂いています。

正解肢の設定の精度に問題があるとはいえ、個人的な見解としては、
出題対象としてはとても重要であると思います。確かに、根拠とされる
文献は、試験対策として直接的に押さえるものではありませんし、論点も
非常に細かいものばかりです。

ただ、社会保険労務士を目指す方には、申し添えておきたいことがあります。

「目先のことだけ追っていては、事の本質を見落とします」

社会保障制度は一朝一夕にして現在の仕組みが構築されたわけではありません。
今回、論点とされた戦後の社会保障を含め、国民皆保険・皆年金、介護保険
制度・・・すべては積み重ねで築き上げられたものですよね。
「温故知新」という言葉がありますが、積み重ねられるものには、すべてに
意味があるのですから、そのおおもとの部分をきちんと理解しておかなければ
本質は理解できません。

社労士業務・・・いや、何事も同じですね。社労士として仕事をしていく中
では、今後もさまざまな法改正が行われるでしょう。そのときに、「改正
事項」だけを知っていれば十分というものではありません。なぜ、その改正
が行われたのか、どうしてそのような規定になったのか?ということを、
日々積み重ねていかなければ、結局は付け焼刃の仕事しかできません。

少し長くなってしまいましたが、「残念ながら、今年はこの社会一般の問題で
涙を飲む」ことになった方も大勢いらっしゃると思います。
ですが、「なんだ、こんな問題!」で片付けないでください。
結果的にこの問題に翻弄され、1年間、余分に試験勉強をすることになるかも
しれませんが、「すべては積み重ねで成り立っている」という本質を気づかせて
くれる設問であることに間違いはありません。
社労士試験に限らず、合格した後の社労士像にも通ずるものですから。
このことを納得して頑張るのと、「平成の時代に戦後云々なんて!」と、
割り切れない思いで頑張るのとでは、今後の頑張りに大きな差が出てしまい
ますから・・・

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3 白書対策

7月まで連載していました、白書対策を再び連載します。
これからは、平成18年版の白書の内容を掲載していきます。
今回の白書対策は、平成18年版厚生労働白書P63の
雇用に関するセーフティネットの整備」です。

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戦後まもなくの時期には、発生した大量の失業者の問題を解決することが
求められた。当時、労働市場は混乱、いわゆる口入れ業者などによる
中間搾取や劣悪な労働条件の職場等が大きな社会問題となっていた。

このため、昭和20年代前半においては、事業主に比べて立場の弱い
労働者を保護し、労働力過剰及び需要不足に伴う失業者を減らし、労働者
に良好な就業の場を確保するため、安心で安定した労働市場を形成し、
失業者の生活を保障するよう、雇用に関するセーフティネット(安全網)
が求められた。

また、1947(昭和22)年には、当時の劣悪な労働環境を改善するため、
労働条件について最低限遵守すべきルールとして、「労働基準法」が
制定されている。

1945(昭和20)年、日本国憲法が新たに制定されたことを踏まえ、
憲法に規定される勤労権を保障し、職業選択の自由の趣旨を尊重しつつ、
各人の有する能力に適当な職業に就く機会を与えることによって産業に
必要な労働力を充足し、これにより職業の安定を図るとともに、経済の
興隆に寄与することを目的として、1947(昭和22)年に「職業安定法」
が制定された。この法律に基づいて、職業紹介事業のセーフティネット
として公共職業安定所が整備される。

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労働基準法」と「職業安定法」が、いつ、何のために制定されたのかを
明らかにした記載です。

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その後、国の指揮監督の下で、公務員が従事する全国的体系の職業安定機関
を設けることを義務づけた職業安定組織に関する条約(ILO88号条約)を
1953(昭和28)年に批准した。
この間、1947年の経済緊急対策の中で、失業した労働者の就職までの間の
生活の安定を国の責任において図るため、失業保険制度を速やかに創設
すべきとされたこと等を受けて、失業者の生活安定のための保険制度として、
1947年に「失業保険法」が制定され、その事務は公共職業安定所が担う
こととなった。
このように、国が設置・運営する公共職業安定所は、憲法に規定する勤労権
の保障や、ILO第88号条約を遵守する観点から、雇用のセーフティネット
としての機能を果たす。

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こちらは、雇用保険法の前身である「失業保険法」についてです。

いずれの法律についても、何のためにできたというのは、各法律を理解する
ための、最も基本となることですから、しっかりと確認しておきましょう。

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発行:K-Net 社労士受験ゼミ
              加藤 光大
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